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【ヒストリック】ボロスエネルギー調整録・デッキガイド



はじめに

お世話になっています。初めましての方は初めまして。tAchiです。
普段は主にパイオニア・エクスプローラーをプレイしています。

ここ1ヶ月は予選ウィークエンドに向けてヒストリックの練習をしていました。
本記事では調整過程を紹介しつつ、最終的に使用したボロスエネルギーについて記事にしていきます。

【ボロスエネルギー】がどのようなデッキかということについては、前回記事にしたので、そちらもご一読いただけるとありがたいです。

現在のヒストリック環境を定義している【ボロスエネルギー】について詳しく知りたい方や、全く知識のないフォーマットをどのように練習するかわからない方の助けになれれば幸いです。


ボロスエネルギーに出会うまで

7月の予選フォーマットがヒストリックだったため、モダンホライゾン3(MH3)実装直後から、予選に向けてヒストリックの練習を開始しました。

最初の1週間はMH3のカードを知るためのリミテッドと、環境調査のための構築戦を並行して進めることにしました。
ヒストリックは普段あまりプレイしないフォーマットなので、知識がほとんどなく、環境を知るためのデッキを選択する必要がありました。

目をつけたデッキが、【緑単信心】でした。

このデッキを選んだ理由は、《大いなる創造者、カーン》の能力を活用するためにサイドボードのカードを全てアーティファクトにすることができ、サイドボーディングの必要がないため、環境を知らない状態でも様々なデッキに対応できると考えたからです。

また、前回のヒストリック予選の際に選択したデッキであり、リストも大きく変わっていなかったということもこのデッキをはじめに選択した理由です。

【緑単信心】を使用しているうちに、【ボロスエネルギー】とのマッチングが多くなり、デッキの構造がかなり強力だと感じたので、このデッキについての情報を集めることにしました。

その中で見つけた【ボロスエネルギー】のサンプルリストをコピーし、早速このデッキについて理解するためにランク戦に潜りました。


対策を乗り越える

【ボロスエネルギー】の初期はルールスを使用したライフゲイン型が主流で、ジェガンサを相棒にしたタイプはあまり見かけなかった気がします。

まずはこのライフゲイン型を使用することにしました。

しばらくこのデッキでランク戦をしたところ、ミシック100位台まで順位を上げることができ、このデッキの要点を確認することができました。

その後、環境が固まっていくにつれて【ボロスエネルギー】の数が増えてきたこともあってか、これをメタったデッキや対策カードを見かけるようになりました。

その中でも驚異だと感じたのが、《空の怒り》や《神聖な粛清》などの全体除去を使用する【ジェスカイコントロール】と、白系デッキ(もちろんボロスエネルギーも)が対策として用いる《陽光浄化者》でした。

特に【ジェスカイコントロール】の中でも、《厳しい試験管》を採用したタイプのものに対しては、明確に不利になると感じました。

クリーチャーのETB能力を咎める《厳しい試験管》でテンポを削がれた上で、苦労して並べたカードを全体除去によって捌かれるという、このデッキにとって地獄のような展開が非常に多かったです。

私はコントロールデッキを使うのが苦手なので、【ジェスカイコントロール】を乗り越える方向に調整の舵を切りました。

その中で注目したのが、《湧き出る源、ジェガンサ》を相棒にした、【ボロスエネルギー】のもう一つの形、通称ジェガンサ型です。

ルールスを使用する形のリストと比べて速度が遅くなった分、《火の怒りのタイタン、フレージ》や《鏡割りの寓話》を採用することで、長期戦も戦えるようになっているリストです。

特に《火の怒りのタイタン、フレージ》は、全体除去によって貯まった墓地を利用して戦場に戻すことができたり、相手の《厳しい試験管》の能力を利用することで早期に着地させたりと、対コントロールにおいて強力でした。

環境にコントロールが増えたことや、デッキの構造が個人的に好みだったことから、このデッキを調整することに決めました。

コントロールに対して更に対策するために、サイドボードに《ゴバカーンへの侵攻》や《スカルドの決戦》など、長期戦を見据えたカードの採用も試し、非常に感触の良いリストになりました。


ミラーマッチを乗り越える

ジェガンサ型を使用し始めて数日経った頃のヒストリック環境は

・最も使用率の高い【ボロスエネルギー】
・ボロスエネルギーを対策した【ジェスカイコントロール】
・【ヨーグモス】や【ケシスコンボ】、【ベルチャー】などのコンボ系デッキ

がほとんどを占めるものとなっていました。

コンボ系デッキは元々ヒストリック環境に存在したデッキがMH3の新カードを採用したものが多く、前回の予選時の対策が流用できると考えたので、コントロール系への対策を検討するのと並行して、ミラーマッチでどう有利をとるかを考えることにしました。

特にエネルギーギミックに対する強烈なメタカードである、《陽光浄化者》をどう乗り越えていくかがミラーマッチを意識する際の重要な点でした。
【ボロスエネルギー】が中心となる環境ということで、この《陽光浄化者》をメインから採用するリストも増えてきていたため、このカードにどう対応するかを構築段階から考える必要がありました。

また、《ナカティルの最下層民、アジャニ/ナカティルの報復者、アジャニ》や《火の怒りのタイタン、フレージ》による制圧や、《オセロットの群れ》による大量展開など、【ボロスエネルギー】はエネルギーに依存しない勝ちパターンも多く存在するため、そちらの対策も考える必要がありました。

《陽光浄化者》に弱いカードである、《不安定な護符》や《静牢》の枚数を見直すことでエネルギー依存度を下げるアプローチを取ったり、《オセロットの群れ》の横並び展開に有効な《地震波》を採用したりと、様々な対策を検討しました。

中でもかなり感触の良かった対策札が、《エレヒの石》でした。

このカードによって、《ナカティルの最下層民、アジャニ》の変身条件を満たせなくしたり、《火の怒りのタイタン、フレージ》の脱出能力を咎めたりなど、ミラーマッチでかなり有効なカードでした。

また、墓地を追放する効果も持つため、ミラーマッチだけでなく墓地を利用するコンボデッキに対しての対策を兼ねる点も良かったです。

こういった対策を一緒にヒストリックを調整していたメンバーと話し合いながら検討するうちに、予選ウィークエンドに持ち込んだリストの骨格のようなものが出来上がりました。


チームによる調整

今回は普段Discord上で一緒にMTGを遊んでいる人たちと調整チームのような形での調整を行いました。

チームとして活動することによって採用カードの議論や、プレイングのプランを立てるためのスパーなど、様々なメリットがありました。

中でも最も良かった点は、「役割分担」ができていた点だと思っています。

予選に向けての練習は、特に話し合ったわけではないのですが、各々が気になったデッキを回すことから始まりました。

他のメンバーが【ジェスカイコントロール】や【原初の祈りコンボ】、【ケシスコンボ】など、様々なデッキについての検討をしてくれたおかげで、私は【ボロスエネルギー】の調整に集中することができ、お互いに情報交換し合えるという、理想的な役割分担が自然にできていました。

【ボロスエネルギー】が中心となった環境ということで、それを乗り越えるデッキを検討していた方に対して対戦相手になったり、逆にこちら側がプランを立てたいデッキの情報を提供してもらったりと、いい協力関係を築くことができたと思っています。

我々のほとんどが環境に対しての知識0の状態からヒストリックの調整を始めたということで、この役割分担ができていたことによってリソースを分散させることができたというのは非常に大きかったと感じています。

最終的には多くの方が【ボロスエネルギー】を選択し、細かい部分は異なりますが前述した骨格を基にするリストを予選ウィークエンドに持ち込みました。


予選ウィークエンド1日目

まずは1日目、持ち込んだデッキがこちらになります。

ミラーマッチが頻発すると考え、メインボードから《陽光浄化者》が出てくることが多くなるという点から、本来はサイドボードでの採用となる《引き裂く流弾》をメインボードに採用しています。

結果は7-1、8戦中5戦が【ボロスエネルギー】のミラーマッチだったので、この調整は正解だったと思っています。

また、メンバー内でほとんど同じリストを持ち込んだ方が他に2名いたのですが、それぞれ6-3、7-2と好成績を残していました。
調整がうまくいったと言えるでしょう。


予選ウィークエンド2日目

2日目に持ち込んだデッキがこちらです。

1日目のマッチから、【ボロスエネルギー】の数が予想以上に多いと考え、《静牢》を全て《ポータブル・ホール》に変更し、《引き裂く流弾》の枚数も増やしました。

結果は2-2、抜けることはできませんでしたがモチベーションにつながる結果になりました。

1戦目に全く予想していなかった《アマリアコンボ》とマッチし、緊張と混乱でミスを連発してしまい、0-1からのスタートとなってしまったのですが、Discordのメンバーから助言をいただき、なんとかメンタルを持ち直すことができました。
とても感謝しています。

この1ヶ月間はいつも以上に真剣にMTGと向き合うことができたと感じています。
今後も予選フォーマットに向けて調整する機会があれば積極的に活動していきたいです。


おわりに

以上が、ヒストリック知識0の状態から予選に向けて練習した調整録となります。

限られた時間の中で最大限のことができ、それを1日目突破という結果に結び付けられたと実感しています。

以下に【ボロスエネルギー】のサイドプラン、プレイ指針を残しておきます。
興味ある方はぜひご一読ください。

この記事が誰かの一助になれば幸いです。

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ではまた!

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【ボロスエネルギー】デッキガイド

こちらのデッキのプランについて紹介します。

【ボロスエネルギー】(ジェガンサ型)

先手
in
《エレヒの石》×2 《引き裂く流弾》×1
《地震波》×1 《軍勢の武勇、タージク》×1
out
《電気放出》×3 《オセロットの群れ》×2

後手
in
《エレヒの石》×2 《引き裂く流弾》×1
《地震波》×2 《軍勢の武勇、タージク》×1
out
《電気放出》×3、《オセロットの群れ》×2
《色めき立つ猛竜》×1

エネルギーギミックは《陽光浄化者》で詰み、オセロットは殴れない展開が多いため、アジャニやフレージ、タージクによる制圧を狙います。
除去は《魂の導き手》、《陽光浄化者》、《オセロットの群れ》に対して優先的に使い、アジャニに関してはフレージで対処するのを基本とします。

基本的にエネルギーは《魂の導き手》で積極的に消費することを狙います。
タフネス4を作っておけば場持ちが良いです。

《静牢》は後出しの《陽光浄化者》に弱いため、トークンに当てるか、相手の《陽光浄化者》より後に使う、を意識することが重要です。

サイド後は《エレヒの石》を置けている状況であればアジャニやフレージが怖くなくなるため有利な展開に持ち込みやすくなります。

サイド後後手の場合は相手の2t目《陽光浄化者》が非常にしんどいため、猛竜を減らす方が良いと判断しました。

地震波はオセロットの大量展開に対しての解答です。


【ボロスエネルギー】(ルールス型)

先手・後手
in
《エレヒの石》×1 《引き裂く流弾》×1
《地震波》×2
out
《オセロットの群れ》×2 《電気放出》×2

展開速度はこちらが負けているので、受けに回りながらフレージを着地させることを目指します。
しっかりと盤面に対処していれば相手はいつかリソースが切れるので、そのタイミングで攻めに転じます。

ルールスのために除去を1枚温存しておく意識が重要です、除去の切れ目にルールスを出されるのが負けパターンです。

寓話は置くタイミングが重要です、除去を構えつつ置けるのがベストだと思っています。


【ジェスカイコントロール】(エネルギー型)

先手・後手
in
《ゴバカーンへの侵攻》×3 《外科的摘出》×2
《軍勢の武勇、タージク》×1
out
《静牢》×2 《ポータブル・ホール》×2
《オセロットの群れ》×2

「全体除去をどう打たれるか」が非常に重要です。
全体除去を打たれた後に再展開できるように手札に後続を残すことを意識します。

全体除去に対応してアジャニのトークンに対して除去を打つことによって裏返すといったプレイングをする機会も多いです。

終盤はフレージやタージク、ジェガンサによって詰め切るのを目指します。

サイド後は《ゴバカーンへの侵攻》を裏返すことを目指します。
《空の怒り》を重くするのはあまり効果的ではないので気をつけましょう。

《陽光浄化者》は非常に有効なカードですが、相手も当然意識しているのでフルタップの隙を狙って出したいです。


【ジェスカイコントロール】(厳しい試験管型)

in
《外科的摘出》×2 《ゴバカーンへの侵攻》×2
《軍勢の武勇、タージク》×1
out
《静牢》×2 《ポータブル・ホール》×2
《電気放出》×1

相手の《厳しい試験管》を利用してフレージを出す動きを狙います。

それ以外の基本的な戦い方はエネルギー型のコントロールと同じですが、相手の全体除去の種類を覚えておくことが重要です。
《空の怒り》が採用されていないものもあるため、場合によっては《陽光浄化者》をサイドアウトすることもあります。

《電気放出》を《虚空漂い》に当てるためにエネルギーは余らせておくことが重要です。
欠色により《引き裂く流弾》が当たらないことには気をつけましょう。


【ケシスコンボ】

先手・後手
in
《外科的摘出》×2 《エレヒの石》×2
《撹乱のフルート》×2 《未認可霊柩車》×1
《引き裂く流弾》×1
out
《火の怒りのタイタン、フレージ》×3 《陽光浄化者》×3
《ゴブリンの砲撃》×1 《軍勢の武勇、タージク》×1

長期戦になると不利なのでアグロプランを取ります。
相手からの除去は少ないので早期に終わらせるか対策と除去を構え続ける展開に持ち込むことを意識します。

《魂の導き手》の飛行付与の能力を早期に利用するために、《電気放出》の空打ちや、《色めき立つ猛竜》からカードを唱えないというプレイングをする場合があるので覚えておきましょう。

フレージは《アガサの魂の大釜》で煮込まれてしまうので、サイド後は抜いてしまう方がいいと思っています。


【ベルチャー】

先手・後手
in
《撹乱のフルート》×2 《軍勢の武勇、タージク》×1
《ゴバカーンへの侵攻》×3
out
《陽光浄化者》×3 《電気放出》×3

基本的に不利なマッチアップなので、アグロプランで押し切ることを目標にします。
ボルトランドが多い相手なので、うまくいけばかなり早いターンで詰め切ることが可能です。

《静牢》や《ポータブル・ホール》は相手の宝物・トークンを除去する手段として活用し、相手の動きを遅らせる使い方をします。

相手が《ミジックスの熟達》を用いるリストであれば、《外科的摘出》もサイドインするようにしましょう。

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