大人にこそ「自分の部屋」が必要だ
夫と暮らし始めてもうすぐ3年。
大きな喧嘩もなく、ストレスもほとんどない。
自分で言うのもなんだけど、仲良くやっていると思う。
それでも、同棲をはじめてから続く、ちょっとした不満があった。
2人の好みの最大公約数で選んだ、シンプルなデザインの家具。
共働きを支える、機能性重視のリビングと寝室。
生活のために最適化された空間は、便利で快適だけど、それ以上ではない。
いつの間にかテーブルに置いてある書類や本。
少し作業をしようにも、テーブルの掃除から始まり、食事の時間になれば片付けが必要になる。
2人で暮らす空間は、2人のもので私だけのものではない。
「自分の部屋が欲しい!」
同棲を始めてからそう感じるのに、それほど時間はかからなかった。
しかし、我が家はリビングと寝室の2部屋のみ。
自分の部屋なんて夢のまた夢。
そこで、寝室にギリギリ入るデスクを買って「私のスペース」を作ってしまった。
棚もイスもなく、本当に机だけ。
手前に見えている赤いベッドに腰掛けて、仕事の勉強をしたりブログを書いている。
しかし、このたった100×80cmのスペースが、私の暮らしに「楽しい」を増やしてくれた。
まず、デスクを選ぶ時点から楽しくて仕方がない。
ベッドは夫とおそろいにするためにダークブラウンを選んだけど、本当は明るいブラウンが好き。
木目調の明るい色のデスクを買い、それに合わせてゴールドの土台のモニターを買った。
買い物しながら気づいたのだが、学生の時には絶対に選ばなかった、アイアン調が入ったデスクを選び、好きだった丸みのある家具は可愛すぎると感じるようになった。
ゴールドも、昔なら「派手すぎる」と言っただろう。
自分が好きなものを買う、というより、選びながら自分の好きなものを再確認できることにワクワクする。
そして、最近好きなのはお茶。
整理整頓されたデスクで、自分の好きなマグカップだけを置いて飲む。
頂き物の趣味じゃないマグカップは、リビングのテーブルに置いても、私のデスクでは使わない。
それが当たり前にできるようになったら、自然とお茶にも興味が湧いてきた。
自分だけのスペースを作りながら、自分の好きなものが増えていることにワクワクする。
そしてもちろん、このスペースは作業にもプラスに働いている。
作業をしたいときに、すぐ始められる。
これだけでタスクに取り掛かることがとても楽になった。
さらに、作業場所がリビングから寝室に移ったことで、夫がゲームをしたり音楽を聴いていても、イライラすることがなくなった。
そのおかげで、平日夜に作業をする日が増え、この1ヶ月でやりたいことがたくさんできた。
noteを始める、仕事関連のブログを書く、読みたかった本を読む、コピーの賞に応募する...このデスクの上で出来たことだ。
私にとって、自分だけのスペースはただの作業場所以上になりつつある。
作業だけならリビングでもカフェでもできる。
でも、自分が好きなもの、興味があること、頑張りたいことを詰め込めるのはここだけだ。
今、デスクの上には最近お気に入りのカモミールティーと、料理関連の雑誌やマーケティングの専門書が置いてある。
なぜなら、ここにはいま「カモミールティーがマイブームで、料理関連のアプリを作りたくてマーケティングの勉強も始めた私」が座っているからだ。
私だけのスペースは、今の自分を映し、今日も頑張る自分を応援してくれる。
自分のために整えられた、自分だけのスペースは、頑張る大人みんなに必要な場所だ。