マッキーが、その気持ちは「恋」だと教えくれた
みなさん、「槇原敬之」を知っていますか?
「どんなときも。」「世界に一つだけの花」を作った人だと言えば分かりやすいでしょうか。
小学校で「世界に一つだけの花」を歌った20代の私には、今年50歳のマッキーは父親ほど年の離れたアーティスト。
でも9年前、当時18歳の私に好きな人ができたとき、その気持ちを受け止めてくれたのは、
当時流行のAKBでもなく、クラスの同級生でもなく、マッキーの歌でした。
高校3年生のわたしにはとてもとても好きな人がいました。
誰かに嫌われるのが怖くて、つい良い人になってしまう私に怒ってくれた。
わたしの悪いところも、良いところも、丁寧な言葉で伝えてくれた。
その人のことをもっと知りたくて、勧められた小説を読んで、日本史の授業中にこっそり感想の手紙を書いた。
手紙を渡すとき、私よりも小さな手に触れたくて、わざと小さく手紙を折った。
わたしも、その人も、女の子でした。
そんな18歳の私の悩みは
「この『好き』は、友達としての『好き』なのか?恋愛の『好き』なのか?」
毎日大きくなる大切な気持ち。この気持ちが何なのか、答え合わせをしたかった。
流行りのドラマも、人気の少女漫画も、男女の恋愛しかおしえてくれない。
友達にも親にも相談できない。だってみんなは男女の恋愛をしている。
そんな時、受験勉強の合間にふと聴いた曲。
振り返らないことを願うけど
一度も振り返ったことなんてない
君の後ろ姿を見送っている
どうしようもないくらい片思いだ
まるで立てかけたほうきみたいに
壁にもたれかかりながら ただ
君の後ろ姿を見送るときだけ
嘘をついていない僕でいられる
「君の後ろ姿」より
作詞・作曲・唄 槇原敬之
曲を聴きながら思い浮かぶのは、駅で別れるときのあの人の姿。
「バイバイ」と手を振ったあと、そっと振り返って、ホームへの階段を上がる姿を見ていました。
もし、見送っていることがバレたら変に思われるかな。なんて言おうかな。
普通の友達なら、こんなことはしないかな。
そんな私の気持ちを、マッキーが代わりに歌ってくれたかのようでした。
「片思い」という名前をつけて。
マッキーが教えてくれた。
私が「恋だったらいいな」と思い続けた気持ちは、恋でした。
大切な気持ちに、すばらしい名前をつけてくれた。
わたしもみんなと同じように「恋」ができると教えくれた。
勘違いだとか思い込みだとか、そんな言葉でぞんざいに扱わなくてよかった。
マッキーの歌に、18歳の私と、私の初恋は助けられました。
そして、初恋が破れた今も、私の恋は、勉強は、仕事は、マッキーにたくさん力をもらっています。
マッキー、30周年おめでとうございます。
18歳のあの日から今まで、たくさん力をくれたマッキーが大好きです。