なぜ、林由真氏はRetouchの代表を辞任したのか?
きっかけ
まず最初に、この記事を作成するに至った「きっかけ」から説明する。
「殺処分されてしまう引退馬に生きる道を。肥育場の馬たちを救い出したい」というクラウドファンディングを企画した林由真氏が支援を募っている最中に、自身の所有馬だった「エイシンミコノス」をサラブレッドオークションに出品、売却したことが判明し
「他人の馬を肥育場から買うのに、なぜ自分の馬は売るのか?」という疑問の声が、一部のクラウドファンディング支援者から寄せられた。
僕が公開した記事の中でも触れているが、支援者からの説明を求められた林氏は、自身のTwitterで理由を説明していたが、そのなかでこれは間違えているだろう、と思うことがあった。
僕が何が言いたいか?といえば、林由真氏はエイシンミコノスをサラブレッドオークションに出品した後に、支援者から、「なぜ自身の所有馬をサラブレッドオークションに出品して売却したのか?」という説明を求められ、説明したけれどそれは限りなく「嘘」であろうことを、記事で書いてまとめている。
僕はその記事内で、「自身の所有馬から余生の面倒を見れば良いのではないか?」
そして、このクラウドファンディングでは、肥育場から馬を買い取り、再調教を施したあとに売却することとなっているので、買い取った馬が、再度肥育場へ行く可能性があるか?と、TCC Japan の山本高之代表が林氏に問い、正直、曖昧な答えだったとしているから、僕個人の意見として「最期まで責任を持つことが、本当の引退馬支援なのではないか?」というのを記事の結論としてまとめている。
そんなこんながありつつも、大きな影響はなくクラウドファンディングは継続された。
結果として、目標金額の630万円を上回る1422万2000円が集まり、14頭を肥育場から「救った」と報告し、2022年9月には完結の報告がなされている。
また、クラウドファンディングによって資金調達が終了した直後に、支援者の一部から「継続的な支援をさせて欲しい」という声があったことを受けて、林氏が個人で引退馬支援団体を設立した。それがRetouch(リタッチ)という団体。
その、Retouchの代表を林氏は2023年10月末に「辞任」している。
その理由は何故か?背景には何があったのか?を考える記事になっています。
辞任発表
2023年10月9日に、クラウドファンディング内の活動報告ページにおいて、退任発表の挨拶としての投稿がある。
だが、「退任」というのは予め任期が決まっていた場合に使う言葉であり、自身が立ち上げた団体で、任期が決まっている訳でもないはずの代表職を退任するというのは誤解を生む表現だと思うので、この場合は「辞任」と言うのが正しいと思う。
実際、Retouchの最新情報から確認出来る2023年11月1日付けの投稿「代表者変更のお知らせ」では、林由真代表からRetouch辞任の意向が伝えられた。とあるので、この記事では林氏がRetouchの代表を辞任したものとして扱う。
なぜ、辞任するに至ったか?
Retouch代表退任のご挨拶で理由は書かれている。
この文章を見た上での感想と個人的な意見を後述する。
挨拶文を見た上での感想
率直に言えば、何度読み返しても僕には内容が少しも理解出来なかった。特に子どもの話が出てきたあたりは、なんじゃこりゃ…?と理解をするのに時間を要した。
出来る限り理解するために、これまでの活動報告を読み返して、分からないことや知らないことは検索したりして出来る範囲での把握に努めた。その上での個人的意見を以下にまとめる。
体験ツアーが出来なかった理由
まず、ここ1年はコロナ・炎天下・バジガク移転と様々なことが重なって、会員の触れ合い体験ツアーが出来なかった・情報発信の間隔も空くようになったとの記載があるけれど、コロナは今に始まった話じゃないし、炎天下と言っても夏が暑いのは今に始まった話じゃないので、この場合は「馬事学院の移転」がキーポイントになってくるだろう。
そう結論付けた理由としては、馬事学院の移転、学校に入厩する引退競走馬の受け入れ時期が重なったことから、肥育場からの馬を受け入れられる余裕がなく、受け入れが難しい状態が続いていたという記載がRetouchのHPであること。
2023年の8月に更新されたクラウドファンディング内の活動内容によると、会員の触れ合い体験ツアーが昨年5月から開催出来ていない理由として、夏場の日中に馬を外に出せないと書かれているが、じゃあその時期を外せば良いだけの話なので、理由としては弱いこと。
他の理由として、馬事学院の移転作業で時間が取れないこと・スタッフ不足・移転先の馬房減・既にオーナーが決まっており触れ合いに使えないといった理由が記載されており、このなかで移転に伴う理由(移転作業・馬房減)が2つ書かれていることから、馬事学院の移転が大きな理由になったとこの記事では結論付ける。
なぜ移転したか?
馬事学院が移転に至った経緯は、この記事によると施設の老朽化や生徒数の増加に対応するため移転先を探していたけれど、なかなか代わりの施設を見つけることが出来なかった。
そんなときに、馬事学院の引退馬保護や支援の取り組みに共感した株式会社 SBMplusが、廃校となった学校跡地への移転を共同事業として持ちかけるオファーがあったからだとしている。
情報発信不足
だが、それは前以ての段階で決まっていたことであるはずで、林氏は分かっていたことでもあるはずだ。そして、そのことを支援者へちゃんと伝えていれば良かったと思う。
なぜ、林氏が会員から指摘を受けたか?と言えば、その対応が不十分だったからだろう。本を出版するために執筆活動をする時間や、北海道・養老牧場巡りの旅をしている時間があったならば、その時間を使って会員に向け、これからしばらく見学ツアーの実施・肥育場からの馬を受け入れることは困難である。その理由は~と発信をしていれば、話は違ったのではないかと思う。
全面協力とは?
ただ、疑問に思うところも無くはない。
移転作業に伴い、一時的ではあるものの、馬事学院は肥育場からの馬を受け入れを停止し、支援者の見学ツアーは1年半以上実施されなかった。
そうなると、クラウドファンディング内での説明であった「馬事学院さんのご厚意により、全面的にご協力いただき、受け入れていただくことが決まりました。」という文章に、偽りが生じてくる。
でも、馬を管理するのも会費の管理も馬事学院サイドが行っている。だからこそ、林氏は何も意見することが出来なかったのではないかと僕は想像している。
実際にRetouchのHP上で説明されているが、「移転と学校に入厩する引退競走馬の受け入れ時期が重なったこと」が、新規受け入れを難しくさせた理由として記載されている。
林氏からすれば、協力してくれると言ったのに移転作業が行われて、スタッフが少ないからという理由で見学ツアーを組むことも出来なければ、新たに肥育場から馬を受け入れようと思っても馬房が空いてないから断られた。だがしかし、学校に入厩する他の引退競走馬が居る・居たならば、「全面協力とは果たして何だったのか?」と、林氏は思っても不思議では無い。
期待に応えられない「責任」を取ったか
だからRetouchのHPにおいて、2023年11月には厩舎の増設が完了し、肥育場から馬を受け入れることが出来るとしているけれど、そのタイミングで林氏はRetouchの代表を辞任したのだろう。
「結果として会員からの期待に応えられていない」という記載があることから、肥育場から馬を保護することがなかなか出来なかった状況を受け止めて、代表を辞めたのだと僕は思っている。
そのため、心身ともに立ち直ることが出来たら、個人で保護活動を再開して情報発信をしていく。という記載があるのだと思われる。
というのが、退任のご挨拶を見ての僕が思ったことだ。
結論として、林氏にも落ち度はあるけれど協力がうまく得られなかったことも関係してきていると思った。
ちょっと話は変わって
この記事を書き始め、情報収集をしている時に馬事学院の移転先はどこだ?と気になり、調べてみると千葉県の八街市から山武市に移転したと知った。
そして、Google検索をした際に出てきた「口コミ」に、思わず絶句してしまった。添付する画像がそれだ。
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元生徒を名乗る人が「詐欺グループのような事をしていると感じる」と言っていることを僕は重く受け止めたい。
以前、馬事学院に関する記事を公開したなかで、「問題点ばかり」といった表現を用いたのだが、寄せられた口コミを見ると、問題点が多そうなのは容易に想像出来る。
「校内では、窃盗・暴力・脅迫行為が蔓延」だったり、「クラウドファンディングでお金を募金してくれた方を侮辱しています。無駄金です」という投稿。
誰でも書き込める口コミだからこそ、嘘が書かれている可能性も大いにあるが、こういった口コミが確認出来たことは紛れもない事実だし、何よりも詳細に書かれていることから、ある程度の評価はしないといけない。嘘にしては手が込みすぎている。
「本校では毎年、1歳馬の最後のセリと言われる北海道で行われるオータムセールに参加し…」
— Yu-Ji (@Tachgnpa) May 13, 2022
とするなら、昨年のオータムセールで馬を買わなかった理由を教えて貰いたいですね。学校が嘘を書くと、生徒もそういう目で見られるよ。バジガク。本を出す前に訂正でしょ。https://t.co/RN8qI3Z3a4
学校のHPでは、毎年オータムセールに参加し馬を買うとしていたが、2021年・2022年とオータムセールで馬を買わなかったことが事実として残っている。
僕は記事で、救うことが目的でオータムセールに参加すると書いていたのに買わなかった。その理由は何故だ?と書いている。
買うことを救うと言ってるのに買わなかった。それはすなわち救えなかったことになるのに。
そんな分かりやすい嘘を付いていた学校の教育現場は果たしてどうなっているのだろうか。もし、口コミで書かれていることが本当ならば、大問題となりそうだ。それが気になった今日この頃。
まとめ
僕は以前から、殺処分される馬はいないという記事を作ってきている。
実際に、このクラウドファンディングにおいても「肥育場」という言葉が出てくる。なぜ肥育場に馬がいるか?といったら、「肥育されているから」であり、何故肥育されているのか?と言えば、最終的には肉として屠畜されるからである。
だから、屠畜は存在するけれど殺処分は存在しない。肉牛に殺処分なんて言わないからこそ、肉になる馬に対しても殺処分とは言わないはすだ。
それをちゃんと説明した上で、クラウドファンディングをやる分には何も文句はない。
ただ、それが出来ていない取り組みがあまりにも多すぎる。だから僕は問題視している。
今回は、始めに掲げたお題目・クラウドファンディングの実行前にも嘘があり、実行してからも協力体制が嘘だったことで、結局のところ嘘まみれだったと僕は思っている。
馬主を休止して経費を引退馬の保護活動に回す。と言ってた人が、裏で馬を生産しているのはどうなの?と思ったことにも触れておきたい。
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父 フロリダパンサー
母 ラモントルドール
JAIRS より
経費を引退馬に回すという人が生産を行うのは矛盾しているように僕は思う。そして、今年も産駒が生まれている。1頭ならまだしも、同じ血統で2頭目となると訳が分からない。このあたりの説明も、もちろん行われることは無い。
また、活動報告ではYogibo ヴェルサイユリゾートファームを訪ねて、代表の岩崎崇文氏に会った際、「面識がない」けど「会うことが出来た」、「嫌な顔をせずに話を聞いてくれた」とあるけれど、林氏はフロリダパンサーとラモントルドールをYogibo ヴェルサイユリゾートファームに「預託」して生産を行っている。(生産牧場名義はYogibo Versailles Stable株式会社)
そんなオーナーが来たのだから、面識がないと活動報告で書くのはおかしいし、双方共に全く知らない間柄ではないのだから、どんなに忙しかったとて、内地に住んでる人間が自分の牧場まで来たならば話くらいは聞くだろうし、嫌な顔はしないだろう?と思っている。こんな投稿があるくらいだから、少なくとも認知はされているはずだ。
要するに活動報告でも嘘がある。どれだけ嘘を付けば気が済むんだ。
事情があったのは把握したけど、その前にも嘘・やってからも嘘が分かれば、どうしようもないというのが僕の結論。
ここまで長々と書いてきたが、僕が言いたいことは「嘘をつかないで真っ当に訴えて欲しい」という、1点だけだ。
クラウドファンディングの運営会社は、いろんな人に見て貰えるように、ネット広告を打っている。その中で、肥育場から殺処分される馬を助けるという文字を見ると、馬は殺処分されているんだ、可哀想だ。という印象を持たれてしまう。そして、そのページを見て本当は間違っていること・嘘があっても信じ込んでしまう。
それは最終的に、巡りめぐって競馬にも波及する。最近では、海外だと動物愛護団体から直接的な攻撃もある。それをなんとかして防ぎたい。
だからこそ、嘘を付かず本当のことを伝えませんか?ということをお願いしたい。
僕は、今回の林氏が辞任した理由を嘘があった故に上手く回らなかったのだと思っている。活動は継続されているけれど、HPが一向に更新されていない様子を見ると、本腰を入れて活動しているようには見えないが、果たしてどうやら…。嘘を付くと最終的には、全部に嘘を付かないといけないから、それに林氏は疲れてしまったのではないか?と僕は思った。だからこその辞任だとこの記事では結論付ける。
ここまで目を通して頂けたなら幸いです。
ありがとうございました。
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