2024 サマーセール 振り返り
日本で行われるサラブレッド市場で、上場数では他の競りを寄せ付けないほどの規模を誇る、日高軽種馬農業協同組合北海道市場のサマーセールが8月19日(月)~8月24日(土)まで行われた。
そのことについて振り返りたい。
6日間開催は「成功」か?
まず今年のサマーセールを振り返るなら、昨年は5日間開催だったが、上場頭数が多かったことと購買が活発に行われたことから競りの進行に遅れが出て、競りの終了時刻が20時を回るケースがあった。
その為に今年は、1日の上場頭数に制限を設けて販売希望が上回れば6日間開催にするというのが決まっていて、実際に今年のサマーセールは連続6日間開催となり、結果として土曜日のJRAで開催されている競馬と被る形になった。
そのことから「売上が落ちるのではないか?」と心配する声もあったが、蓋を開けてみれば最終日が一番買いづらいほど市場は熱気を帯びていた。これだけを見れば「6日間開催は成功した!」と思うのだが、別の視点から見てみたい。
上場順の妙
添付したのは、2024年度における北海道市場開催日程詳細。この中で書かれている通り、今年のサマーセールにおける上場順は生産牧場名の「ア行・オ」から「逆五十音順」に日割りを行った。
これは、不公平感を無くすための策であるから何も文句を言うところではないが、最終日に最高値の馬が出たということは、それだけの馬を繋養する牧場が最終日に回っていたということでもある。
すなわち、6日間開催になっても売れた。のではなく、6日目に上場された馬に魅力があったから売れたのではないか?という見立てを僕はしている。
3日間開催のセレクションセール
今年はセレクションセールを3日間行ったが、正直に言えば3日目は会場の空気が冷めていたように思う。
セレクションセールで主取りになった馬(購買希望者がいなかった馬)は、以前ならオータムセール2日目にしか回れなかったが、今年からセプテンバーセールの方に回ることが出来るようになった。
もっと言えば、セレクションセールなら最低落札価格があってそれより下で買うことは出来ないけれど、サマーセールならばそんな決まりはないからこそとりあえず声をかけることが出来る。
「他人が競ってたら自分も欲しくなる」という負けず嫌い精神が活発な購買を呼ぶ原因だろうと僕は考えているけれど、それがセレクションセールには欠けていて、サマーセールにはそれがあるように思う。
確かに、セレクションセールはセレクションされた馬を集めている訳だし、最低落札価格を決めて主取となった時の手数料を販売申込者に払わせることで、責任を持たせようとしているのは分かるが、そこでもう少しフレキシブルな対応を取れたならセレクションセールに人が集まるだろうし、などと考える。
この段階で結論は出ない
今の段階で、6日間開催は成功でしたね!という結論を出すことは出来ない。来年どうなるか、この先はどうかるか。天候にも左右されることがあるかもしれない。
だから、早急な結論は出ないし出せないけれど、公明正大の市場なはずなんだからちゃんと市場側は販売者側にも情報公開の徹底を迫り、30頭に1頭は抜き打ちでチェックして明らかな差が見付かった場合には上場停止というペナルティを設けたりしないと、買うほうは情報公開していることを真実だと思って買ってしまうこともあると思う。それなのに、移動したら数字がかなり違うとなれば、それは結果的に馬に対する信頼の低下につながり、馬主としてのモチベーション低下に繋がると思う。だからこそ、市場側にはしっかりと販売者側の手綱を握ることを望むし購買者にもしっかりとサービスをしていかなければならないように考える。
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