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交響曲1-8 2022.12.10
マルコ・イヴァノヴィチ/プラハ放送響

ミロスラフ・カベラーチ 交響曲1番ー8番、マルコ・イヴァノヴィチ/プラハ放送響。各曲に「~のための」と副題がつけられている。全体的に新古典主義派の暗く硬質の緊張感を持った曲想だが、それほど深刻な感じではない。Percを随所に多用。3番あたりから、面白味が増してくるように思う。


交響曲1「弦と打楽器のための交響曲」 2022.12.7
マルコ・イヴァノヴィチ/プラハ放送響

カベラーチ 交響曲1番「弦と打楽器のための交響曲」、イヴァノヴィチ/プラハ放送響。タイトル通り弦が主役だが、弦楽合奏の重厚感は感じられない。Percがリズムを刻み緊張感を高める。2楽章はPercの打ち込みを伴い暗くうねりながら盛り上がり静かに終わる。3楽章は歯切れ良く、リズミカルにクライマックスとなる。

交響曲2「大オーケストラのための交響曲」 2022.12.7
マルコ・イヴァノヴィチ/プラハ放送響

カベラーチ 交響曲2番「大オーケストラのための交響曲」、イヴァノヴィチ/プラハ放送響。緊張感はあるがタイトルにある大オーケストラという壮大な感じではない。2楽章はSaxソロで始まり陰鬱に緩急増減を繰り返す。3楽章はPercと弦主体に始まりTrpで頂点を迎えるが、曲自体とオケの機能性の問題で響きが薄くスケール感は乏しい。

交響曲3「オルガン、ブラス、ティンパニのための交響曲」 2022.12.7
マルコ・イヴァノヴィチ/プラハ放送響

カベラーチ 交響曲3番「オルガン、ブラス、ティンパニのための交響曲」、イヴァノヴィチ/プラハ放送響。TimpとHrnにTrpミュートとオルガンが静かに加わり、勇壮に盛り上がる。2楽章はTimpとオルガンの暗い響き、3楽章はオルガン独奏にHrnとの掛け合いから他の金管も入り激しい打ち込みとなる。4楽章はオルガンとTrp、Hrnが悲痛な響きを繰り返す。

交響曲4「室内交響曲 カメラータ」 2022.12.8
マルコ・イヴァノヴィチ/プラハ放送響

カベラーチ 交響曲4番「室内交響曲 カメラータ」、イヴァノヴィチ/プラハ放送響。信号のような繰り返し後、弦の寂しい旋律となる。2楽章は弦、Timp、Trpの軽快なリズム。3楽章は遅く、弦と木管が陰鬱で寂しい。4楽章はスピーディーに進み、木管が緊張感を煽りTrpと掛け合いになってショスタコーヴィッチのような展開となる。

交響曲5「歌詞のないソプラノとオーケストラのための交響曲 ドラマティカ」 2022.12.8
マルコ・イヴァノヴィチ/プラハ放送響
カレル・アンチェル/チェコ・フィル

カベラーチ 交響曲5番「歌詞のないソプラノとオーケストラのための交響曲 ドラマティカ」、イヴァノヴィチ/プラハ放送響とアンチェル/チェコ・フィルのライブ。ソプラノの絶叫と金管の咆哮で劇的な1楽章、2楽章は速いテンポでソプラノが絶叫、3楽章はゆったりHarpも入る。4楽章も悲痛な弦とTimpにソプラノが加わりオケが緊張感を高める。ソプラノがフルオーケストラを凌駕する。

交響曲6「クラリネットとオーケストラのための交響曲 コンチェルタンテ」 2022.12.8
マルコ・イヴァノヴィチ/プラハ放送響

カベラーチ 交響曲6番「クラリネットとオーケストラのための交響曲 コンチェルタンテ」、イヴァノヴィチ/プラハ放送響。緊迫した出だしにClaの少し中近東っぽい旋律に多彩なPerc、ピアノが加わりTrpが緊迫感を煽り盛り上がる。2楽章は不穏な雰囲気のオケとピアノにClaが気だるい旋律を奏でる。3楽章はCla協奏曲風、軽快なテンポで盛り上がる。

交響曲7「オーケストラと聖書にちなんだ作曲者の詩の語り手のための交響曲」 2022.12.8
マルコ・イヴァノヴィチ/プラハ放送響

カベラーチ 交響曲7番「オーケストラと聖書にちなんだ作曲者の詩の語り手のための交響曲」、イヴァノヴィチ/プラハ放送響。武満徹「系図」のようなオケ伴奏での詩の朗読の形式。3楽章形式で22分程度の曲。歌詞が分からず情報もなく、これを聴いただけでは何とも言い難い。陰鬱な雰囲気は同じ。

交響曲8「聖書の言葉よりソプラノ、混声合唱、打楽器、オルガンのための交響曲 アンチフォニー」 2022.12.8
マルコ・イヴァノヴィチ/プラハ放送響 カベラーチ 

交響曲8番「聖書の言葉よりソプラノ、混声合唱、打楽器、オルガンのための交響曲 アンチフォニー」、イヴァノヴィチ/プラハ放送響。5楽章と各楽章間の4つの間奏曲より構成され、それぞれ1-5分程度。通常の交響曲の概念を逸脱しており、より一層、現代音楽の様相。ソプラノと合唱が主役で、Percがアクセント。

交響曲1-8 2022.12.11
マルコ・イヴァノヴィチ/プラハ放送響

ミロスラフ・カベラーチ 交響曲1番ー8番、マルコ・イヴァノヴィチ/プラハ放送響。いずれの曲も暗い雰囲気は同じで不安な曲想。時に激しく緊張感が増す。様々なPercが用いられていること、各曲にタイトルが付与され協奏曲のように楽器が指定されており、実験的な要素も感じられる。面白い部分もあるけれど、お気に入りではない。

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