見出し画像

交響曲 2021.02.19

 ヨアヒム・ラフ 交響曲1-11番を一通り聴いた。ヴァインベルクの後だけになおさらポジティブで軽やか、明るい印象が強い。シューベルト、メンデルスゾーンとブルックナー、ブラームスの間の年代だけど、様式は古風、しっかりした構成と技術、内容は豊富で、沢山言いたいことがあったのだろうと思える。

交響曲1「祖国に寄す」 2021.02.19
ハンス・シュタットルマイアー/バンベルク響
サムエル・フリードマン/ライン・フィルハーモニー管

ヨアヒム・ラフ 交響曲1番、シュタットルマイアー/バンベルク響とフリードマン/ライン・フィルハーモニー管。1時間超え、5楽章。明るく軽快、シューベルトや後のハンス・ロットに似た部分もある。大曲すぎだけどいい曲。バンベルクの方はちょっと間延びする。ラインフィルは好演だがオケがもう一歩。

交響曲2 2021.02.20
ハンス・シュタットルマイアー/バンベルク響
ウルス・シュナイダー/スロバキア国立コシツェ・フィル
ネーメ・ヤルヴィ/スイス・ロマンド管

ラフ 交響曲2番、シュタットルマイアー/バンベルク響、シュナイダー/スロバキア国立コシツェフィル、N.ヤルヴィ/スイス・ロマンド管。1番同様、輝かしい曲で演奏時間も35分程度となりより引き締まった感じ。スロバキアの演奏が一番溌剌としておりお気に入り。3楽章はドヴォルザークを思わせる。

交響曲3「森にて」 2021.02.20
ハンス・シュタットルマイアー/バンベルク響
ウルス・シュナイダー/スロバキア国立コシツェ・フィル

ラフ 交響曲3番「森にて」、シュタットルマイアー/バンベルク響、シュナイダー/スロバキア国立コシツェフィル。各楽章に表題あり、2番までと比べやさしく柔らかな感じ。3楽章は同様面白い。4楽章はザ・グレートのよう。なぜかスロバキアの演奏は途中省略されている様子。バンベルクの方が好きだな。

交響曲4 2021.02.21
ハンス・シュタットルマイアー/バンベルク響
ウルス・シュナイダー/スロバキア国立コシツェ・フィル

ラフ 交響曲4番、シュタットルマイアー/バンベルク響、シュナイダー/スロバキア国立コシツェフィル。これまでの曲とは違い、メンデルスゾーンのような出だしで、ドヴォルザークのように感じるところもある。2楽章は軽快、3楽章はゆったりと美しく少し哀愁を帯びている。構成はしっかり安定している。

交響曲5「レノーレ」 2021.02.21
ハンス・シュタットルマイアー/バンベルク響
ウルス・シュナイダー/スロバキア国立コシツェ・フィル

ラフ 交響曲5番「レノーレ」、シュタットルマイアー/バンベルク響、シュナイダー/スロバキア国立コシツェフィル。ラフ一番の成功作品、男女の愛と離別、死の再会を描いている。明るく歯切れ良い立ち上がりからゆったりとした盛り上がり、マーチによる離別、死の再会は疾走と安らかで落ち着いたコラール

交響曲 2021.02.21
ハンス・シュタットルマイアー/バンベルク響
ウルス・シュナイダー/スロバキア国立コシツェ・フィル

ここまではシュタットルマイアー/バンベルク響、シュナイダー/スロバキア国立コシツェフィルを中心に聞いてきた。スロバキアの方はTimp、Trp、Hrnが強調された躍動的な演奏だが録音は少し粗い。バンベルクは中低音がしっかりした安定感のある厚みのある演奏。ただもう少し上手いオケでも聴きたい

交響曲6 2021.02.22
ハンス・シュタットルマイアー/バンベルク響
ウルス・シュナイダー/スロバキア国立コシツェ・フィル

ラフ 交響曲6番、シュタットルマイアー/バンベルク響、シュナイダー/スロバキア国立コシツェフィル。ちょっと重たい曲想がバンベルクの力強く活力のある響きとマッチしている。1楽章は雄弁、2楽章は軽快、3楽章は落ち着いた感じ、終楽章で完結する運びは、他の曲とほぼ同じような構成となっている。

交響曲7「アルプスにて」 2021.02.22
ハンス・シュタットルマイアー/バンベルク響
ウルス・シュナイダー/スロバキア国立コシツェ・フィル

ラフ 交響曲7番「アルプスにて」、シュタットルマイアー/バンベルク響、シュナイダー/スロバキア国立コシツェフィル。楽章ごとにハイキング、 ホステル、湖、フェスティバルの情景が描かれR.シュトラウスの「アルプス交響曲」のように大自然の壮大さを描いたものではなく身近な風景や感情が描かれる

交響曲8「春の響き」 2021.02.22
ハンス・シュタットルマイアー/バンベルク響
ウルス・シュナイダー/スロバキア国立コシツェ・フィル

ラフ 交響曲8番「春の響き」、シュタットルマイアー/バンベルク響、シュナイダー/スロバキア国立コシツェフィル。楽章の表題をつなげてみると、春になってワルプルギスの夜の祭りが行われ、花束をもってどこかに行きたい、といったところかな。ラフの一連の曲に当てはまる明るい健康的な響きがする

交響曲9「夏に」 2021.02.22
ハンス・シュタットルマイアー/バンベルク響
ウルス・シュナイダー/スロバキア国立コシツェ・フィル

ラフ 交響曲9番「夏に」、シュタットルマイアー/バンベルク響、シュナイダー/スロバキア国立コシツェフィル。密やかに3拍子で始まり、2楽章は細やかな動きと息の長いフレーズが上手さを感じさせる。終楽章では開放感あふれるメロディーがとても快適で、非常に爽やかな夏の印象がとても快適でいいね。

交響曲10「秋の時に」、交響曲11番「冬」  2021.02.23
ハンス・シュタットルマイアー/バンベルク響
ウルス・シュナイダー/スロバキア国立コシツェ・フィル

ラフ 交響曲10番「秋の時に」、交響曲11番「冬」(エルトマンスデルファーによる補完)、シュタットルマイアー/バンベルク響、シュナイダー/スロバキア国立コシツェフィル。楽章の表題を見ながら季節の情景を想像するのは楽しい。哀愁を帯びた繊細な旋律が特徴。10番はチャイコフスキーにも似ている

交響曲 2021.02.23

 ラフの交響曲を聴いて、しっかりした構成と技量の高さをベースに、明るく爽やかに自然とその物語を豊かに語る音楽づくりがお気に入りです。色々な作曲家を思い起こさせるのも特徴。3拍子の楽章が特に素晴らしい。中では5番と8-11番の春夏秋冬が印象的、上手いオケで聴いてみたい。お気に入りです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?