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トゥルビョン・イヴァン・ルンドクヴィスト (1920 2000 80)


交響曲 2023.08.11

ルンドクヴィスト 交響曲1-9番(6番は未完で欠番)。スウェーデンの新古典主義派の作曲家。各曲演奏者が異なる全集。曲ごとに表題がついているが、曲の内容との関連はそれほど密接でないように感じる。色々な要素、断片が繰り返され頻繁に場面転換されるが、ストーリーとしてまとまりなく感じる。リズミカルでPercが効いている。中では4番、7番が面白い。

交響曲1「室内交響曲」 2023.08.02
トミー・アンダーソン/ウメオー響

ルンドクヴィスト 交響曲1番「室内交響曲」、アンダーソン/ウメオー響。低弦、高弦、管のやり取りが軽快にリズミカルに展開。落ち着いて弦のワルツより、再び推進力を得てリズミカルな掛け合いが続く。2楽章は弦と木管主体に進み金管が入って盛り上がった後、最後は静まって終わる。力強さ、軽快さはあるが、断片的な印象で曲全体としてまとまりなく感じる。

交響曲2「自由のために」 2023.08.02
スティグ・ヴェステルベリ/ストックホルム・フィル

ルンドクヴィスト 交響曲2番「自由のために」、ヴェステルベリ/ストックホルム・フィル。重暗い出だし、小刻みなリズムに乗り推進力を得て緊迫、不安なまま速度を落とし静まる。2楽章も緊迫して始まりリズミカルに進む。3楽章は少し切なげな旋律がフーガ的に繰り返し静まる。4楽章は激しく尖った後、寂しげな中間部を経て激しさが戻り、余韻を残して終わる。

交響曲3「シンフォニア・ドロローサ」 2023.08.02
トゥルビョン・イヴァン・ルンドクヴィスト/エーテボリ響

ルンドクヴィスト 交響曲3番「シンフォニア・ドロローサ」、ルンドクヴィスト/エーテボリ響。1楽章形式。厳しさと不安な安らぎが交差する。Timp、金管の激しい打ち込みと、Harp、木管、Vnの神秘的なソロの対比となる。後半ではピアノやTrpにジャズっぽいところもあって面白いが、断片的でまとまりがない印象は変わらない。

交響曲4「シンフォニア・エコロジカ」 2023.08.07
シクステン・エールリンク/エーテボリ響

ルンドクヴィスト 交響曲4番「シンフォニア・エコロジカ」、エールリンク/エーテボリ響。Timpと鐘の打撃より劇的に始まる。弦と木管の爽やかなひと時から、劇的な盛り上がりと不安な静けさ、安らぎ、軽快さを繰り返す。シロホンが入り緊迫感が増し、突然、優しく馴染みやすい旋律が大らかに展開した後、吹奏楽オリジナル曲のように派手に盛り上がる。

交響曲5「ウィーン風」 2023.08.07
トゥルビョン・イヴァン・ルンドクヴィスト/ヘルシンボリ響

ルンドクヴィスト 交響曲5番「ウィーン風」、ルンドクヴィスト/ヘルシンボリ響。1楽章は、ちょっと風変わりで落ち着いた気取った感じのワルツ。2楽章はFg,Hrnより気だるいような調子が続き、Timpも入り勢いがついて目覚める。3楽章は短く、軽妙なリズム、細かな動きで可愛らしく閉じる。ワルツがベースになっているところがウィーン風の所以なのか。

交響曲7「人間性」 2023.08.08
シクステン・エールリンク/スウェーデン放送響

ルンドクヴィスト 交響曲7番「人間性」、シクステン・エールリンク/スウェーデン放送響。(6番は未完のため欠番)7番は国連事務総長だったダグ・ハマーショルドの飛行機事故への追悼曲で、60分5楽章の大作。1楽章は派手に始まりテナーホルンソロからPercも交えて落ち着かないざわめき、強弱が続く。追悼のCorソロより、シロホンも交えジャズっぽいリズムになる。

交響曲7「人間性」 2023.08.08
シクステン・エールリンク/スウェーデン放送響

2楽章は合唱、ソプラノ、バリトン独唱も入りレクイエムの様相。追悼の哀歌は独唱がけん引して盛り上がって3楽章につながり、穏やかに4楽章のバリトン独唱になる。合唱交えてミュージカル調になって一気にジャズっぽくなる。不安な感じで5楽章につながり、ソプラノ独唱に金管アンサンブルが雰囲気を変え、明るく盛り上がってから消え入る。

交響曲8「クロウマタ」 2023.08.09
クロウマタ・パーカッション・アンサンブル、B・トミー・アンデション/マルメ響

ルンドクヴィスト 交響曲8番「クロウマタ」、クロウマタ・パーカッション・アンサンブル、アンデション/マルメ響。Percアンサンブルとオケのための30分強の曲。金管の重い響きにPercが絡む。リズムが変わりAsaxとシロホンが加わりポップス調になる。中間部は無調の静かな部分が続く。金管との激しい打ち込みにシロホンが緊迫、ポップス調を経て最後は残像を残して終わる。

交響曲9「サバイバル」 2023.08.09
ロイ・グッドマン/ウメオー響

ルンドクヴィスト 交響曲9番「サバイバル」、ロイ・グッドマン/ウメオー響。重い深刻な出だし、Timpの打ち込みによる推進力とAsaxやFlソロによる情緒的な部分が交互に現れてリズミカルに盛り上がる。後半は各種木管が順に情緒的にリードし、落ち着きを取り戻して、Timpの打撃も徐々に静まって終わる。

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