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交響曲2「賛歌」 2023.05.19
ウォルフガング・サバリッシュ/ベルリン・フィル

メンデルスゾーン 交響曲2番「賛歌」、サバリッシュ/ベルリン・フィル。早めのテンポできびきびと力強くぐんぐん進むが、淡々として一本調子と感じるところもあって、宗教的な敬虔さをもう少しじっくり味わいたい。アバドの演奏を基準に考えてしまうので、どうしても直線的に感じてしまう。オケの音はやや即物的。ソリストの歌唱は上手い。

交響曲、弦楽のための交響曲 2021.06.27

 メンデルスゾーンの交響曲がずっと気になっていて、改めて色々聴き始めている。アバド、カラヤン、ネゼ=セガン、トーマス・ファイ、アンドリュー・マンゼ、クルト・マズアの全集に、クレンペラー、セル、バーンスタイン、ミュンシュあたり。さらに今回は弦楽のための交響曲13曲も合わせて聴こう。

交響曲1 2021.06.27
アバド/ロンドン響
カラヤン/ベルリンフィル
ネゼ=セガン/ヨーロッパ室内管
トーマス・ファイ/ハイデルベルク響
アンドルー・マンゼ/北ドイツ放送フィル
クルト・マズア/ライプツィヒ・ゲバントハウス管

メンデルスゾーン 交響曲1番、アバド/ロンドン響、カラヤン/ベルリンフィル、ネゼ=セガン/ヨーロッパ室内管、トーマス・ファイ/ハイデルベルク響、アンドルー・マンゼ/北ドイツ放送フィル、クルト・マズア/ライプツィヒ・ゲバントハウス管の各演奏。
アバドは活気のある演奏で第一選択肢の定番。

交響曲1 2021.06.27
アバド/ロンドン響
カラヤン/ベルリンフィル
ネゼ=セガン/ヨーロッパ室内管
トーマス・ファイ/ハイデルベルク響
アンドルー・マンゼ/北ドイツ放送フィル
クルト・マズア/ライプツィヒ・ゲバントハウス管

メンデルスゾーン 交響曲1番、アバド以外ではマンゼ、マズアの演奏が良かった。マンゼは爽やかでメリハリ、スピード感があり、かっちりと統制が取れた演奏。マズアはゲヴァントハウスの弦と木管が上手い。カラヤン、ネゼ=セガン、ファイに共通してTimpが強打で主導するが、古典的で好きではない。

交響曲3「スコットランド」 2021.06.27 
アバド/ロンドン響
カラヤン/ベルリンフィル

メンデルスゾーン 交響曲3番「スコットランド」、アバド/ロンドン響とカラヤン/ベルリンフィル。アバドの演奏はとても柔らかで優しい印象。他の演奏に比べ、ソフトすぎるかもしれない。一方のカラヤンは、躍動感にあふれた力強い演奏で、起伏もありエネルギーを感じる。どちらもとてもお気に入り。

交響曲3「スコットランド」 2021.06.28
ネゼ=セガン/ヨーロッパ室内管
トーマス・ファイ/ハイデルベルク響

メンデルスゾーン 交響曲3番「スコットランド」、ネゼ=セガン/ヨーロッパ室内管は編成が小さいこともあり響きはクリアだけど厚みがない。普段聞こえないところが聞こえたりTimpの乾いた音が特徴。トーマス・ファイ/ハイデルベルク響は突っ走る感じで粗い。1番でもそうだったがアンサンブルも今一つ

交響曲3「スコットランド」 2021.06.28
アンドルー・マンゼ/北ドイツ放送フィル
クルト・マズア/ライプツィヒ・ゲバントハウス管

メンデルスゾーン 交響曲3番「スコットランド」、アンドルー・マンゼ/北ドイツ放送フィルの演奏は1番同様細かな所まで良く統制が取れている。テンポはやや速めであっさりしている。クルト・マズア/ライプツィヒ・ゲバントハウス管は弦と木管の響きが爽やかで深みもありいい感じ。起伏はなくおだやか。

交響曲3「スコットランド」 2021.06.28
オットー・クレンペラー/フィルハーモニア管
レナード・バーンスタイン/イスラエル響
レナード・バーンスタイン/ニューヨークフィル

メンデルスゾーン 交響曲3番「スコットランド」、クレンペラー/フィルハーモニア管はゆったりと一音ずつ積み上げ構築する感じで活気はない。バーンスタイン/イスラエル響は遅めで乗り切れずオケも魅力を感じない。一方ニューヨークフィルの方は若々しく溌剌として情感も豊か、高密度でお気に入りです。

交響曲3「スコットランド」 2021.06.28
シャルル・ミュンシュ/ボストン響

メンデルスゾーン 交響曲3番「スコットランド」、最後はミュンシュ/ボストン響。ゆっくり密やかに始まり、ぐんぐんと迫り情熱的な盛り上がりと柔らかな部分の対比が素晴らしい。緩徐部分も遅くならず流れるよう、最後は堂々と仕切り直して完結。すべてが計算されており力強い演奏でお気に入りです。

交響曲3「スコットランド」 2021.06.28
アバド/ロンドン響
カラヤン/ベルリンフィル
クルト・マズア/ライプツィヒ・ゲバントハウス管
レナード・バーンスタイン/ニューヨークフィル
シャルル・ミュンシュ/ボストン響

メンデルスゾーン 交響曲3番「スコットランド」。今回聴いた10の演奏の中では、安定のアバド、重厚で力強いカラヤン、滑らかなサウンドのマズア、活気あふれるバーンスタイン(ニューヨーク)、そして迫る迫力と情熱のミュンシュの演奏がとても印象的で気に入りました。次は4番「イタリア」。

交響曲4「イタリア」 2021.06.30
アバド/ロンドン響
カラヤン/ベルリンフィル

メンデルスゾーン 交響曲4番「イタリア」、アバド/ロンドン響とカラヤン/ベルリンフィル。アバドの演奏は細部まで行き届いた繊細で滑らかな演奏。他の曲も含めマイルドな印象。カラヤンは柔らかさと激しさが自在、歌があって丁寧かつオケが上手い。録音の豪華絢爛さは、良くも悪くもカラヤンかな。

交響曲4「イタリア」 2021.06.30
ネゼ=セガン/ヨーロッパ室内管
フランス・ブリュッヘン/18世紀オーケストラ

メンデルスゾーン 交響曲4番「イタリア」、ネゼ=セガン/ヨーロッパ室内管とフランス・ブリュッヘン/18世紀オーケストラ。ネゼ=セガンの演奏は軽くキビキビしたきめ細かな印象、厚みはない。一方、ブリュッヘンは古楽器独特の素朴な音が楽しめる。堅実でストレートな解釈、オケの技術力は非常に高い。

交響曲4「イタリア」 2021.06.30
アンドルー・マンゼ/北ドイツ放送フィル
クルト・マズア/ライプツィヒ・ゲバントハウス管

メンデルスゾーン 交響曲4番「イタリア」、アンドルー・マンゼ/北ドイツ放送フィルの演奏は、遅めのテンポで落ち着いた深みのある演奏。表現も抑えめで安定。クルト・マズア/ライプツィヒ・ゲバントハウス管は、何といっても弦と木管、Hrnの響きが素晴らしい。3楽章は流れるようで気持ちいい演奏。

交響曲4「イタリア」 2021.06.30
ジョージ・セル/クリーブランド管
レナード・バーンスタイン/ニューヨークフィル

メンデルスゾーン 交響曲4番「イタリア」、ジョージ・セル/クリーブランド管とレナード・バーンスタイン/ニューヨークフィル。セルの演奏は予想・期待どおり、整然としたアンサンブルだが情感には乏しい。バーンスタインの演奏は、かなり粗削りな印象で歌もない。録音も同様でデッドな響き。

交響曲4「イタリア」 2021.06.30
オットー・クレンペラー/フィルハーモニア管
シャルル・ミュンシュ/ボストン響

メンデルスゾーン 交響曲4番「イタリア」、クレンペラー/フィルハーモニア管は、冒頭より遅いテンポで重厚だが、安定感というより少し古めかしさを感じる。録音も人工的な分離。ミュンシュ/ボストン響は、予想したような怒涛の演奏ではなくしっかり落ち着いた演奏で、オケもそつがなく上手い。

交響曲4「イタリア」 2021.06.30
アバド/ロンドン響
カラヤン/ベルリンフィル
フランス・ブリュッヘン/18世紀オーケストラ
クルト・マズア/ライプツィヒ・ゲバントハウス管

メンデルスゾーン 交響曲4番「イタリア」。結局、アバド、カラヤン、ブリュッヘン、マズアの演奏がお気に入りです。マイルドなアバド、多彩で聴かせるカラヤン、古楽器の響きが新鮮なブリュッヘン、オケの深みのある響きが特色のマズア。一方、バーンスタイン、ミュンシュは3番の方がよかったな。

交響曲5「宗教改革」 2021.07.01
アバド/ロンドン響
カラヤン/ベルリンフィル

メンデルスゾーン 交響曲5番「宗教改革」、アバド/ロンドン響とカラヤン/ベルリンフィルの本命2つより聴く。他の曲と同じく、アバドの演奏は丁寧なアンサンブルをベースに柔らかで晴れやか。冒頭の金管ユニゾンが上手い。カラヤンの方は、より劇的で情熱的な演奏。ただ録音が少し作為的なのが気になる

交響曲5「宗教改革」 2021.07.01
ネゼ=セガン/ヨーロッパ室内管
フランス・ブリュッヘン/18世紀オーケストラ

メンデルスゾーン 交響曲5番「宗教改革」、ネゼ=セガン/ヨーロッパ室内管の演奏は、ストレートで素朴な響きで、すっきり軽快、シンプルで格調高い。ブリュッヘン/18世紀オーケストラの方は、古楽器の響きに特徴あり、室内楽的、古典的な雰囲気が出ている。アンサンブルも完璧。どちらも上質な演奏。

交響曲5「宗教改革」 2021.07.01
クルト・マズア/ライプツィヒ・ゲバントハウス管
レナード・バーンスタイン/ニューヨークフィル

メンデルスゾーン 交響曲5番「宗教改革」、マズア/ライプツィヒ・ゲバントハウス管の響きは極上、特に弦と木管。全集としての完成度が高く終始美しく温かみと深みがあり躍動的。バーンスタイン/ニューヨークフィルは、全体に劇的、情熱的でシンフォニックだけど、他と比較するとちょっとやりすぎかな。

交響曲5「宗教改革」 2021.07.01
シャルル・ミュンシュ/ボストン響 

メンデルスゾーン 交響曲5番「宗教改革」、ミュンシュ/ボストンの演奏は、期待どおりオケも上手く充実の完成度。
5番は7つの演奏を聴いたがいい演奏ばかり、アバドとマズアはオケの上手さに裏付けされた敬虔さ、カラヤンとミュンシュの情熱と完成度、ブリュッヘンとネゼ=セガンの本来的なシンプルさ。

交響曲2「賛歌」 2021.07.03
アバド/ロンドン響
カラヤン/ベルリンフィル
ネゼ=セガン/ヨーロッパ室内管
クルト・マズア/ライプツィヒ・ゲバントハウス管
リッカルド・シャイー/ロンドンフィル

メンデルスゾーン 交響曲2番「賛歌」、5曲の中で最も長大で独唱および合唱を要する1時間の曲。アバド/ロンドン響、カラヤン/ベルリンフィル、ネゼ=セガン/ヨーロッパ室内管、マズア/ライプツィヒ・ゲバントハウス管、シャイー/ライプツィヒ・ゲバントハウス管とロンドンフィルの各演奏を聴く。

交響曲2「賛歌」 2021.07.03
アバド/ロンドン響

メンデルスゾーン 交響曲2番「賛歌」、基準となるのは穏やかで敬虔な雰囲気のアバド/ロンドン響。聴いた中では一番テンポが遅くじっくり入念に仕上げられている。第1曲のTrbユニゾンは最高、第2曲の運びは密やか、2部の独唱、合唱は崇高。劇的な表現はないが感動的な演奏。お気に入りです。

交響曲2「賛歌」 2021.07.03
カラヤン/ベルリンフィル
ネゼ=セガン/ヨーロッパ室内管

メンデルスゾーン 交響曲2番「賛歌」、カラヤン/ベルリンフィルは、全体にメリハリをつけた力強い推進力のある演奏。明快な表現でオケのパワーを活かしてかなり劇的。ネゼ=セガン/ヨーロッパ室内管は、小編成で早めのテンポに乗って軽快な演奏。全体的に軽い印象。シンプル、クリアで技術力は高い。

交響曲2「賛歌」 2021.07.04
クルト・マズア/ライプツィヒ・ゲバントハウス管
リッカルド・シャイー/ライプツィヒ・ゲバントハウス管
リッカルド・シャイー/ロンドンフィル

メンデルスゾーン 交響曲2番「賛歌」、マズア/ゲバントハウス管は速いテンポで淡々と進みあっさりしている。全体の響きはよく、オケも上手い。シャイー/ゲバントハウス管は初版で聴きなれぬ部分あり。演奏は落ち着いてとても柔らか。ロンドンフィルの方も柔らかな印象だが、オケの比較として若干非力。

交響曲3「スコットランド」 2021.07.05
リッカルド・シャイー/ライプツィヒ・ゲバントハウス管
フランス・ブリュッヘン/18世紀オーケストラ

メンデルスゾーン 交響曲3番「スコットランド」、聴き逃していた2つ、シャイー/ライプツィヒ・ゲバントハウス管の初版での演奏は美しいオケの響きと激しく力強い演奏がすばらしい。ブリュッヘン/18世紀オケの古楽器での演奏はシンプルな響き非常に滑らか、躍動感も併せ持ち、こちらも素晴らしい演奏。

交響曲 2021.07.05

 メンデルスゾーンの交響曲、全集としてはアバド/ロンドン響のマイルドな演奏が一番お気に入り。カラヤン/ベルリンフィルの力強い演奏もいいね。クルト・マズア/ライプツィヒ・ゲバントハウス管はオケの響きが美しく、ネゼ=セガン/ヨーロッパ室内管は小編成のクリアさが特徴。

交響曲 2021.07.05

 メンデルスゾーンの交響曲、その他個別の演奏で特徴的なものは、ブリュッヘン/18世紀オケの古楽器でのシンプルで古風な響きとミュンシュ/ボストン響の完璧なアンサンブルを軸に推進力にあふれ充実した演奏がいい。3番に名演が多くシャイー/ゲバントハウスの初版による力強い演奏も素晴らしくお気に入り

交響曲 2021.07.05

 メンデルスゾーンの交響曲、この2週間余りで様々な演奏を繰り返し延べ100曲程度聴いたと思うが、ちっとも飽きることなく楽しめた。古典からロマン派への移り変わりの時代の天才の仕事を堪能した。メンデルスゾーンはこれで一段落、弦楽のための交響曲をいくつか聴いて序曲集でも楽しんで終わりにしよう

交響曲3「スコットランド」 2020.05.07
クレンペラー/フィルハーモニア管

メンデルスゾーン 交響曲3番「スコットランド」。クレンペラー/フィルハーモニアの演奏がべた褒めなので、改めて該当サイトと手持ち音源を聴いてみたが、同じもののよう。ゆったり、しっかり構築された素晴らしい演奏だけど、スピード感や切れ味が不足しているようで古さが漂うように感じてしまう。

交響曲3「スコットランド」 2020.05.07
ミュンシュ/ボストン響
バーンスタイン/ニューヨークフィル

比較して、ミュンシュ/ボストン響、バーンスタイン/ニューヨークフィルを聴く。想像通り、ミュンシュの演奏はエネルギッシュでテンポも速い。時に破綻しそうになることもあるがオケが上手い。
バーンスタインの方は、こちらも期待通りの情感のこもった演奏で、お気に入りです。

交響曲3「スコットランド」 2020.04.17
ネルソンス/ゲバントハウス管 

メンデルスゾーン 交響曲3番「スコットランド」、ネルソンス/ゲバントハウス管のライブを、ゲバントハウスのHPより。
これはいい演奏、ネルソンスの指揮は明るい生気があり、オケも上手い。特に木管。来日時に聞いた印象通り。メンデルスゾーンの雰囲気もよく出ています。

交響曲 2019.06.04
アバド/ロンドン響 

次は、さらに数十年遡って、ゲバントハウスつながりで、メンデルスゾーン。アバド/ロンドンの演奏。
1800年というと、ナポレオンの時代かー。歴史弱いので、この辺りで時代感を整理したいな

交響曲 2019.06.04
アバド/ロンドン響
サバリッシュ/フィルハーモニア管
クレンペラー/フィルハーモニア管

メンデルスゾーンの交響曲を、アバド/ロンドン、サバリッシュ/フィルハーモニアで聴いてる。どちらも躍動感があっていいけど、アバドの方が温かみがあっていいかな。5曲の中では、大掛かりな2番が好きです。でもこれは交響曲と言えるのかな?
クレンペラーの3番は、もうちょっと古くさい感じ。

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