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シンフォニエッタ1,2 2021.09.12
ガブリエル・チュムラ、ポーランド国立放送響
アンナ・ドゥチマル・ムローズ/ポーランド放送アマデウス室内管

ヴァインベルク シンフォニエッタ第1番、ガブリエル・チュムラ、ポーランド国立放送響と、第2番、アンナ・ドゥチマル・ムローズ/ポーランド放送アマデウス室内管。どちらもショスタコーヴィチに似ているが1番の方がより民族的で中央アジア色もある。2番は古典的な趣もあり、全体的に静かで不安な感じ。

交響曲 2021.02.07

 次は、ヴァインベルク。交響曲は22曲あり、内容的にも手ごわい。何曲か聞いた限りでは、ショスタコーヴィッチの中間楽章、特に緩徐楽章を聴いているよう。弦楽合奏が主体で、木管やPerc.の使い方、そこから来るサウンドはよく似ている。悲劇性、悲壮感、金管の爆発的な咆哮はなく、クールな印象

交響曲1「赤軍に捧ぐ」 2021.02.10
トルド・スヴェードルンド/エーテボリ響
アレクサンドル・ティトフ/サンクトペテルブルク国立アカデミック・カペッラ響

ヴァインベルク 交響曲1番「赤軍に捧ぐ」、スヴェードルンド/エーテボリ響とティトフ/サンクトペテルブルク国立アカデミック・カペッラ響。流れるような出だし、弦主体で木管、Picc.、スネアが加わり金管が盛り上げるところなどショスタコーヴィッチ風。エーテボリの方がオケ、録音ともにいい感じ。

交響曲2 2021.02.10
アン・ドゥチマル=ムロツ/ポーランド放送アマデウス室内管
ミルガ・グラジニーテ=ティーラ/クレメラータ・バルティカ

ヴァインベルク 交響曲2番、ドゥチマル=ムロツ/ポーランド放送アマデウス室内管とグラジニーテ=ティーラ/クレメラータ・バルティカ。3楽章形式の弦楽合奏曲。1楽章冒頭コントラバス協奏曲かと思わせ印象的で美しい。2楽章は静かで冷たく、3楽章は快速に盛り上がり最後は静かに終わる。お気に入りです

交響曲3 2021.02.11
トルド・スヴェードルンド/エーテボリ響

ヴァインベルク 交響曲3番、スヴェードルンド/エーテボリ響。1楽章の流れるような旋律は爽やかだけど冷たい。2楽章は軽妙で、一転3楽章の静けさはこれ以降の交響曲の方向性を思わせるものがある。曲全体はショスタコーヴィッチ的だけど盛り上がりは抑制的。まだ旋律的で聴きやすく、お気に入りです。

交響曲4 2021.02.11
ガブリエル・フムーラ/ポーランド国立放送響
キリル・コンドラシン/モスクワ放送響

ヴァインベルク 交響曲4番、ガブリエル・フムーラ/ポーランド国立放送響とキリル・コンドラシン/モスクワ放送響。一連の交響曲の中では熱量は大きい。全体的に新古典的で風変わりなところもあって面白い。やはりショスタコーヴィッチ的で、コンドラシンの演奏はよりその方向でロシア的。

交響曲5 2021.02.11
ガブリエル・フムーラ/ポーランド国立放送響

ヴァインベルク 交響曲5番、ガブリエル・フムーラ/ポーランド国立放送響。弦楽合奏に木管、Timp.など、楽器の使いかたやサウンドは、相変わらずショスタコーヴィッチの影が見えるが、一歩、現代音楽に近づき難易度が増してきた感じ。この5番あたりから、ちょっと作風が変わってきたように思う。

交響曲6 2021.02.11
ウラディーミル・ランデ/サンクトペテルブルク響
キリル・コンドラシン/モスクワ・フィルハーモニー管

ヴァインベルク 交響曲6番、ランデ/サンクトペテルブルク響とコンドラシン/モスクワ・フィルハーモニー管。少年合唱が入る5楽章形式。全体的に風変わりで冷たい音作りだが、ショスタコービッチの影響は減り、現代音楽に近寄った作風に変わった。コンドラシンの演奏はロシアっぽく、ランデの方が好き

交響曲7 2021.02.12
アン・ドゥチマル=ムロツ/ポーランド放送アマデウス室内管
ルドルフ・バルシャイ/モスクワ室内管

ヴァインベルク 交響曲7番、ドゥチマル=ムロツ/ポーランド放送アマデウス室内管とバルシャイ/モスクワ室内管。5楽章形式。落ち着いたチェンバロソロより始まり3楽章とおして弦楽器との静かで冷たい旋律。4楽章の弦楽合奏の強い響きと5楽章の電子音楽的な響きは面白い。バルシャイの方は録音が悪い。

交響曲8「ポーランドの花々」 2021.02.12
アントニ・ヴィト/ワルシャワ・フィル

ヴァインベルク 交響曲8番「ポーランドの花々」 アントニ・ヴォト/ワルシャワフィル。ある叙事詩をもとにした10楽章の曲で、それぞれ表題付き。各楽章にソプラノ、アルト、テノール、合唱が入る。明るく可憐な花のイメージはなく、戦争の悲劇や不安を描いたとされる。交響曲と言えるのかどうか。

交響曲10 2021.02.13
アン・ドゥチマル=ムロツ/ポーランド放送アマデウス室内管
クレメラータ・バルティカ
ルドルフ・バルシャイ/モスクワ室内管

ヴァインベルク 交響曲10番、ドゥチマル=ムロツ/ポーランド放送アマデウス室内管、クレメラータ・バルティカ、バルシャイ/モスクワ室内管の3つで。5楽章の弦楽合奏曲でVn、Vc、Cbのソロが入る。分厚い弦の響きは心地よいが難解。ドゥチマル=ムロツと比較してクレメラータ・バルティカは力強い演奏。

交響曲9,11,15 2021.02.13

 ヴァインベルク 交響曲、9,11,15番は、今のところ音源が見当たらない。今回はスキップしよう

交響曲12「ショスタコーヴィッチの想い出に」 2021.02.13
ウラディーミル・ランデ/サンクトペテルブルク響

ヴァインベルク 交響曲12番「ショスタコーヴィッチの想い出に」、ウラディーミル・ランデ/サンクトペテルブルク響。徐々に難解になってくる。冒頭の不協和音のギザギザ音形は印象的だけど、以降は弦楽合奏を主体として比較的静か。表題とは違い、初期の曲のようにショスタコーヴィッチの影響は感じない

交響曲13,14 2021.02.14
ウラディーミル・ランデ/シベリア国立響
ガブリエル・フムーラ/ポーランド国立放送響

ヴァインベルク 交響曲13番、ランデ/シベリア国立響。1楽章形式。全編暗くて不安。静かに始まり中間部で金管も交えて力強く悲観的に盛り上がるが最後は又静かに終わる。14番 フムーラ/ポーランド国立放送響。2楽章は非常に重く盛り上がり3楽章は木管、4楽章は金管主体。両曲ともに現代音楽に接近した

交響曲16 2021.02.14
ガブリエル・フムーラ/ポーランド国立放送響

ヴァインベルク 交響曲16番 フムーラ/ポーランド国立放送響。6楽章形式。Timp.と弦楽合奏の印象的な出だしは力強い2楽章につながる。3楽章からピアノも入ってスピード感のある4楽章を経て、最後は落ち着いた感じで静かに終わる。13,14番よりは聴きやすく力強いが、お気に入りとは言えない。

交響曲17「記憶」 2021.02.14
ウラディーミル・ランデ/シベリア国立響

ヴァインベルク 交響曲17番「記憶」、ランデ/シベリア国立響。1楽章は陰気で重たい弦楽合奏。2楽章ではTuba,Hrnが活躍しフルオーケストラの迫力で盛り上がる。3楽章は3拍子で推進力があり、4楽章はTimp.を交えて繰り返し、念押しのように終わる。各楽章は作曲家の特徴がそのまま出てよく似ている。

交響曲18「戦争、これより惨い言葉はない」 2021.02.15
ウラディーミル・ランデ/サンクトペテルブルク響

ヴァインベルク 交響曲18番「戦争、これより惨い言葉はない」 ランデ/サンクトペテルブルク響。合唱と4声の独唱も入る。全体的に落ち着いた静かな美しい曲。歌詞が分からず、純粋に器楽的に聞く限りは、表題から連想するような悲痛さはさほど感じない。弦楽と合唱のスタイルはこの作曲家の一つの特徴。

交響曲19「輝かしき5月」 2021.02.15
ウラディーミル・ランデ/サンクトペテルブルク響

ヴァインベルク 交響曲19番「輝かしき5月」 ランデ/サンクトペテルブルク響。3楽章形式。冒頭は久々のショスタコーヴィッチを思い起こす。全体的に、弦楽主体の静かで落ち着いた曲で、1楽章は自然を感じる。2楽章も爽やかでオルガン?も加わる。3楽章は途中マーラー9番を思わせる部分もあり良い感じ。

交響曲20 2021.02.15
トルド・スヴェードルンド/エーテボリ響

ヴァインベルク 交響曲20番 スヴェードルンド/エーテボリ響。5楽章形式。例によって静かな出だしは不安を誘い、風変わりな2,3楽章を経て、Timp.とHrnによる珍しく威勢の良い4楽章はショスタコーヴィッチ的。5楽章はまた弦楽主体となって、最期はベルも入って盛り上がる。4楽章が特徴的で面白い。

交響曲21「カディッシュ」 2021.02.15
ミルガ・グラジニーテ=ティーラ/バーミンガム市響、クレメラータ・バルティカ

ヴァインベルク 交響曲21番「カディッシュ」、ミルガ・グラジニーテ=ティーラ/バーミンガム市響、クレメラータ・バルティカ。6楽章、1時間の大作、ワルシャワ・ゲットー犠牲者に捧げられた曲。1時間近く、全編暗く現代音楽に近いこともあり気が滅入る。6楽章でソプラノ独唱(指揮者本人らしい)が入る

交響曲22 2021.02.15
ドミートリー・ヴァシリエフ/シベリア響

ヴァインベルク 交響曲22番(未完。キリル・ウマンスキー補完による3楽章形式)、ヴァシリエフ/シベリア響。1番と同じく赤軍に捧げられた曲。全編、暗くて不安な雰囲気は変わらない。時に清らかな部分もあるけど終始陰鬱、最後はベルも入って荘厳に盛り上がり最後はピチカートで終わる。難しい。

交響曲 2021.02.15 

ヴァインベルクの曲は弦楽合奏曲、通常オケ曲、独唱や合唱も交えた3曲のパターンあり。初期から中期のものはショスタコーヴィッチの影響があるが、後半は現代音楽化してなかなか聴きづらくなってくる。
中では、1-3番、7番、18,19番が好きだな。静かで冷たい弦楽合奏が、特に2番1楽章がお気に入り。

交響曲 2021.02.15 

この2週間ほど、ヴァインベルクの22曲の交響曲(一部音源なし)をそれぞれ数回繰り返し聴いてきた。まだ室内交響曲4曲と舞踏交響曲というのがあるようだけど、もう肉体・精神的に疲れたので、今回はこれでおしまい。
次は100年ほど時代をさかのぼって、ラフを聴いてみよう。

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