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協奏交響曲 2024.09.03
リチャード・ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管、ハワード・シェリー (ピアノ)

エドマンド・ラッブラ 協奏交響曲、リチャード・ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管、ハワード・シェリー (ピアノ)。ほぼピアノ協奏曲。ピアノと弦が暗くうねり、緩急をつけながら情熱的に重々しく進む。2楽章は木管の早い3拍子の中欧的な踊りにピアノが絡み金管も入って盛り上がる。3楽章はゆっくりと不安げにフーガで強弱を繰り返し、最後は寂しさの中に終わる。

交響曲1 2024.09.04
リチャード・ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管

ラッブラ 交響曲1番、ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管。冒頭より緊迫の中、高弦が叫び不穏な濃淡が繰り返す。2楽章はOb、Fgで軽やかに始まりイギリス的な雰囲気が大きな3拍子となって盛り上がり早いフーガとなる。3楽章は遅く陰鬱に始まり、宗教的な祈りを挟み、各セクションが多重化して繰り返し悲劇的に盛り上がり、悲痛な叫びで終わる。

交響曲2 2024.09.04
リチャード・ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管

ラッブラ 交響曲2番、ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管。弦のユニゾンを起点に定まらぬ感情のままフーガで起伏が続く。2楽章は刺激的なスケルッツオ、対位法で各楽器が多重化する。3楽章は静かで空虚な嘆きよりTimpを伴い激しさを増す。4楽章はイギリス的な旋律に各楽器が交互に絡み、コーダよりTimpの打ち込みで高まって、最後は和音が完結する。

交響曲3 2024.09.05
リチャード・ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管

ラッブラ 交響曲3番、ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管。シベリウスのようなObから始まり明暗不確のまま旋律的に進む。2楽章は愛らしく哀愁のあるワルツが大きく広がる。3楽章は古典的な弦の嘆きが膨らみ大きな悲しみとなって安らぎで終わる。4楽章は安らぎと苦悩が交差する変奏曲。宗教的で古典的な響きのフーガで完結する。お気に入りです。

交響曲4 2024.09.05
リチャード・ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管

ラッブラ 交響曲4番、ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管。穏やかな出だしより息の長い哀愁を帯びた旋律が、徐々に激しく波のように穏やかになる。2楽章の間奏曲は感傷的なワルツで、優しく終わる。3楽章1部は重々しい低弦の嘆きに金管が加わり盛り上がる。2部は弦と金管がせめぎ合い連携して、激しさを増して輝かしい頂点に至り、堂々と完結する。

交響曲5 2024.09.05
リチャード・ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管

ラッブラ 交響曲5番、ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管。金管の重厚な和音より木管の不安が徐々に力を増す。リズミカルな3拍子が落ち着く。2楽章はHrnより木管が可愛らしく弾み、金管が華やかに絡む。3楽章は重々しさと寂しさが静けさと激しさに交差する。4楽章はリズムを刻みながら可愛く哀愁ある旋律が推進力を維持し、穏やかな和音で終わる。

交響曲6 2024.09.09
リチャード・ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管

ラッブラ 交響曲6番、ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管。爽やかな弦とHarpよりイギリス田園風のワルツが展開する。2楽章は静かに優しく愁いをもってゆったりと進み、一時盛り上がるがすぐに静けさを取り戻す。3楽章はスケルッツオ、どこかニールセンの響きを感じる。4楽章はEHrnの愁いより穏やかに進み、活気が出て取り留めなく展開し最後は金管で完結する。

交響曲7 2024.09.09
リチャード・ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管

ラッブラ 交響曲7番、ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管。3楽章形式。Hrnの不穏な響きより推進力ある3拍子が力強く展開する。2楽章は荒々しいスケルッツオで中間部は明るさとほの暗い哀愁がある。3楽章は重く始まり荘厳に盛り上がる。木管の嘆きが遅いフーガとなって盛り上がるが、頂点を迎えぬままふんわりと終ってしまう。

交響曲8 2024.09.09
リチャード・ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管

ラッブラ 交響曲8番、ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管。あるカトリック司祭へのオマージュ。3楽章形式。神秘的雰囲気で始まる。怪しげな動き、激しく悲痛な盛り上がり、輝かしさなど様々な要素が取り留めもなく進行し静かに終わる。2楽章は軽快にシベリウス的。3楽章は落ち着いた静けさが徐々に広がり不安が高まった後、安らぎの中チェレスタで終わる。

交響曲9「神聖な交響曲」 2024.09.09
リチャード・ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管

ラッブラ 交響曲9番「神聖な交響曲」、ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管。45分全10部より成るオラトリオで、ソプラノ、コントラルト、バリトンに合唱が入る。全体がゆったりとして穏やかで敬虔な讃美歌が歌われるが、明るい輝き、冷たさ、悲劇性も感じる。6部でクライマックスを迎え、7部の短い朗読を挟み、10部でのハレルヤ大合唱からのフィナーレとなる。

交響曲10「室内交響曲」 2024.09.09
リチャード・ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管

ラッブラ 交響曲10番「室内交響曲」、ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管。4楽章15分の短い曲だが、あまり整った感じがせず響きも厚いので、いわゆる室内交響曲という感じではない。ゆったり力強く悲劇的に進む1楽章、少し悲し気で躍動的な3拍子の2楽章、陰鬱で悲劇的な3楽章は、寂しいObソロの4楽章に続き。最後は穏やかな和音で閉じる。

交響曲11 2024.09.09
リチャード・ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管

ラッブラ 交響曲11番、ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管。1楽章15分の短い曲。茫洋としたHrnソロから弦がゆったりと広がり、Timp、金管で盛り上がる。チェレスタと弦で落ち着いた流れから、脈略なく何度か揺れて盛り上がる。タムタムより落ち着いた木管となり、信号のようなリズム、鐘、脈略のないリズムを経た金管のフィナーレも、最後は回想のように終わる。

交響曲 2024.09.13
リチャード・ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管

ラッブラ 交響曲12曲を聴いた。ほの暗さと悲しさ、イギリス的な爽やかさ、空虚さと悲劇性、重厚な響きが同居し、繰り返し聴くうちに親しみが生まれてくる。3拍子が多くセクションの多重化やフーガで盛り上がる。曲の展開はやや取り留めなく煮え切らぬままの時もある。1,2番は暗く、7,8,10,11番は脈略なく感じる。中では協奏,3,4,6,9番がお気に入りです。

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