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私のなかにあった中心線

好きなこと、楽しいこと、やりたいことを
やっているハズなのに…『気分が晴れない』
みなさんはそんな経験したことありませんか?

私はそれがまさに長年やってきた
芝居でした。

芝居が好きで、夢にまでみた役者として舞台に立てる
現実に辿りついて…それがいつの間にか?
辛い…、苦しい…。逃げ出したい…。
そんな現実に変わってた。


当時、私は『他者と比較』そんな世界で
生きていたのだと思う。

稽古では演出家に怒られ、
どんどん自己肯定感を失い…

それでもって、
ファンがつくメンバーの役者たち。
なんでも器用にこなすメンバーの役者たち。
台詞がなくても存在だけで笑わせる役者。
コンテストに出れば賞を取る私以外の役者。

稽古の段階から…
自己肯定感がない上で他人と私は比較する。
そして自分を否定し続ける。

『私はみんなより劣っている、私はダメだ…』


稽古は本番前の数ヶ月前から、
かなりの時間を費やす。

そのかなりの時間を、
私は『自分はダメだ…』
そんなエネルギーのなかで
過ごしていたんだろうな。

そんなエネルギーで毎日過ごしていると、
いくら好きなことをしてても、
楽しいって思えるはずないよね…。


私は本番の舞台が好きだったし、
メンバーから本番に強い役者だと言われてきた。
稽古と本番では私はまったく違う演技をする役者
だった。


私にとって本番は自由だったから…
本番は何をしても芝居を
演出家に止められることはない。
怒れることがない。やったもん勝ち。
観にきてくれる人から拍手喝采をもらい、
『すごい!』『良かったよ』と…褒めてもらえる。

そのたった数日間の本番後の賞賛が、
私の欠けている部分を埋めてくれる。
それは一種のエクスタシーみたいなもんで、
私は本番中毒だった。


過去に散々苦しめられ辛かった芝居の稽古だけど、
今、私はやっぱり芝居、舞台が好きで、
メンバーともう一度、作品を創りたいって思う。


きっとこの数年で私が変わったのは、
ものを見る角度。


あの頃から好きなことは変わらない。
その時に味わった『気分』が
私を辛く苦しめていただけのハナシ。

比較するのは、
他人ではなく昨日の自分。

戦うのは、
他人ではなく自分自身。

昨日の自分より、
今日できるようになった自分を
すこしづつ積み上げていく。

外側に目を向ければそこには辛さしかない。
内側に目を向ければそこには喜びがある。

そう、これなんだと思う。
鬼は外にいて、福は内にある。

そして私はこれから…
楽しい喜びのエネルギーを放出させて
みんなと笑いながら稽古をし、
本番を迎えたいと思う。

やっと気づいたよ…
私の中心線は決して芝居ではなかったこと。

自分の中心線は自分でつくるもので、
ハート、スピリット…そして思考が
繋がること。

それが私のなかにある、
自分軸という中心線になるんだろうな。



数年前の私に向けて…                                 tacco










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