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初めての職場、初めての転職…動き出す人生⑥

新しく出来たホテル直営のお店
そこに1人のアルバイトの子が入ってきた

後に彼女になるSである

Sは見た目ちょっとギャル?っぽい感じだったが
素直で真面目な、ちゃんとした女性だった

歳も近く、仲良くなるのに時間はかからなかった

聞けば家(Sは実家だった)も車で10分もかからないくらい近かったので、自然とアパートにも来るようになり同期の皆んなと仲良くなった

そう、この時よく集まって過ごしていたのがYの部屋だった
妙にYとS、そして俺の3人の気が合い、自然と3人で集まることが多くなっていった

その時は特になんの感情もなく、ただ3人で飯食べたり遊んだり、話すのが楽しかった

しばらくして、俺はYに話があると呼び出された

「なんだろう?」

そう思いながらYの部屋に行くとYが…

「Sのことなんやけど…」

「え?まさかSと…!?」

そう思っていると…続けてYが

「俺くんのことが気になるってゆっとるぞ」

「え?ちょっと待って、どうゆうこと?」

「多分好きなんやろうから、とりあえず付き合う付き合わないは別として、仲良くしてあげな」

まさに衝撃…である

まさかYにSがそんなことを相談していたとは
夢にも思わなかったし、3人でいることが楽しかったし自然だったから尚更だ

Yは本当にいいヤツである…

「だから、しばらく2人で遊びに行きなー」
「俺くん、頑張りやー」

もしYが自分だったら、こんなセリフ言える自信はない
いとも簡単にYは言うのである
ホントいい友人を持ったものである


それから俺はSとちょくちょく…ほぼ毎日のように会った
Sは歳も近いのに車を持っていたこともあり、
2人で色んな所に行った
更に毎日会社への送り迎えまでしてくれた
もう毎日ドキドキしながら待ってたな
帰りはそのままドライブからの夕ご飯が
毎日のお決まりだった

こんなこと非常に恥ずかしいのだが、
ご飯の分け合いっこや1つのパフェを一緒に食べるとか…初めての経験で変にニヤニヤして嬉しかったのを覚えている

こんなに毎日あからさまにしていれば、周りから当然のように言われる

「俺くんSさんと付き合ってる?」

そう見えて当たり前だと思う

「いやぁ、まだ…」

そう言うと、もう怒涛のごとく口撃される

「Sちゃんが可哀想だよ、なんで?」

どうやらSがこの人に相談していたらしく
延々と俺は言われ続けた
今となっては、ただ自分から告白する勇気がなかっただけだったと思う

「うーん、そうだよな…」

そう思っていたが、もう既にこの時心はしっかりと決まっていた

⑥はここまで…           ⑦に続く…


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