モンゴル旅行記 day2 ウランバートル散策
ウランバートル市内に入ると膨大な光の列に突入し、シャトルバスという名のミニバンのスピードが1割以下になる。つまるところ渋滞に嵌った。モンゴル、お前は信じていたのに……。
結局空港から2時間以上かけて中心部のスフバートル広場に到着。ミニバンドライバーの急ブレーキかけまくりのドラテクは、ただでさえ車酔いに弱い僕を、まるで陸地に打ち上げられたコイキングのようなグロッキー状態にする。オエッ
幸い宿は降ろされた場所から徒歩圏内だったので荷物を放り込む。なんと予約してたドミトリーがオーバーブッキングだったらしく、金額据え置きでダブルルームにランクアップしてもらった。少し休憩してから晩飯を食べに近くの食堂に入ってみる。メニューも何もないが(あってもキリル文字なので分からないだろうけど)、そこは現地人にヘルプ!ということで横で美味しそうな肉料理を食べてるマダムたちに聞いてみる。
それ美味い??
美味いわよ!!!チキンとポークとビーフがあるけど、アタシのオススメは断然チキンね。チキンイズナイスよ。
はえーー値段はなんぼ??
んー20000トゥグルグくらいだったかしら……。
ちょっとお高めだが、せっかくオススメされたのでチキンのやつを注文。だいぶボリューミーでこれなら疲弊した体力も回復するだろう。
1円も無駄にできないもったいない精神のもとでドリンクも注文せずにチビチビと……、いや、味わいながら食ってると、隣の席の兄ちゃん達がコーラを奢ってくれた。
片言の英語で彼は言う。
貴方は飲まなければならない。なぜなら今日は金曜日だから(直訳)
わーい!華金万歳!
でもなんでアルコールではなくコーラなんだ?、と思っていると、次はマダムの方が声を掛けてくる。
いい?今日は金曜よ。街中に酔い潰れた悪い連中がいっぱいいるから、あなた気を付けるのよ??
あっ、これ完全に子供に思われてるやつだわ。
結局あの料理かモンゴル料理なのかそれともまた別のものなのかは分からずじまいで、なんなら料理の名前すら結局不明だが、とりあえず美味かったのでヨシッ!
腹パンパンで宿に戻る頃にはもう24時。ようやく就寝である。
それにしても長い一日であった。
0800起床…と書いてはいるが、部屋の裏が駐車場のため、なかなか寝付けなかった。許すまじ。でもお湯はちゃんと出るので好き。
今日は丸々ウランバートル市内観光と行くが、どうしても各施設の解説がメインとなってしまうので訪れた順番に箇条書きで列挙してみる。ちなみにこの時期のウランバートルは昼は猛暑、夜は極寒なので服の調整が大変だ。街中ではジャンパー着てるオジサンがいると思いきや、その横にはヘソ出しミニスカートのギャルもいるので不思議な光景。
さてそれではウランバートルの各名所の紹介の時間です。
①スフバートル広場
ウランバートル中心部にある広場。ぶっちゃけアルバニアのスカンデルベグ広場のデカイ版だが、こちらは広場全てを使って大規模なSDGSイベントをやっており、せっかくの広場の目玉たるチンギス・ハーン像が哀れSDGSのテントに隠れてしまっている。これが持続可能な開発目標なんですね泣
②モンゴル国立博物館
あれ?なんか入口のとこに人集りが……。
なんか民族調の軍服に身を包んだ儀仗隊みたいなのがいる。年配の方々が軍の偉い人と白い花を持って並んでたし、たぶんなんかの慰霊祭だろう。
えっ、これ入れませんやん…とのことで撤退。
③ステイトデパートメントストア
通称ノミンデパート。元々国営百貨店だったとのことでワクワクして向かったが、大宮駅のルミネの方が遥かにデカイ。6階のカフェのサンドイッチが美味しかったです。
ここには土日でも営業している唯一の両替所がある(宿のオーナー談)らしいが、当然の如くやってなかった。正確にはブースはあるのだが、いつまで待ってもスタッフは現れなかった。
④ボグド・ハーン宮殿博物館
モンゴル最後の皇帝ボグド・ハーンの宮殿。ただし皇帝といってもモンゴル帝国から代々続いた、というわけではなく、モンゴルが清国から独立した時に、一時的に君主制だった期間があり、その時の皇帝である。
スタッフのおじいちゃんがとても親切に説明してくれたけど悲しいかな、全てモンゴル語なのでさっぱり分からない。なんか展示されてるやたら立派で豪華なゲルが、150頭のヒョウ(でっかいネコみたいなあれ)の革で作られてることだけは分かった。
………そんなことしたから絶滅危惧種になっているのでは???
⑤ザイサイ・トルゴイ
スフバートルから南に5キロのとこにある丘。麓から全て徒歩での登山(登丘?)だと結構きついが、実は丘の中腹にかけて埋め込まれているザイサン・ヒル・コンプレックスなるウランバートル屈指のショッピングモール(なんとゲーセンには頭文字Dもあった)のエレベーターを使えば半分くらい短縮できる。そのエレベーターを上がりきった先の通路から外に出て、さらに急な階段を登った先には市内を一望できる展望台がある。
その展望台には社会主義臭マシマシなレリーフがあるわけだが、その内容とは簡単に書くと、社会主義のズッ友なソ連とモンゴルは最強なので、一緒に協力して軟弱ファシスト日本とドイツをボコボコにしましたイェーイ!!というものである。
うーん、なんちゅうブツを置いとるんじゃい。
⑥ガンダン・テクチェンリン寺
モンゴルにおける仏教の最高府で、建立したのは大清帝国全盛期の雍正帝。チベット様式の濃い寺の本堂には東大寺の大仏よりも遥かにデカい超BIGな大仏立像が鎮座している。ただしこっちは立っている状態なので、座っている東大寺からしたら、いやワシがちゃんと起立したらモンゴルのお前なんかチビやぞ?という気持ちだろう。どちらかというと吹き抜け構造になってる大仏殿の方がロボットアニメに出てきそうで興味深かった。何はともあれめちゃくちゃデカいが、問答無用でデカいは正義なのでここはおススメ。
⑦モンゴル恐竜博物館
規模は小さいもののそこは恐竜大国モンゴル、オビラプトルやプロトケラトプスやサウロロフスやタルボサウルス等の骨格があり、それを補うように鉱石や昆虫標本が展示されている。男の子にとっては天国のような所であり、テンションアゲアゲの脳汁ダバダバミュージアムである。入場料は9000トゥグルグだが、写真を撮りたいそこの君は別途入場料を上回る驚愕の10000トゥグルグを課金しなければいけないぞ。
⑧北朝鮮大使館
なんか適当に歩いてたら見つけた。偉大なる北の首領様こと金正恩の似顔絵写真が掲示板に所狭しと貼られているが、どこかヒッソリしている。聞けば北朝鮮レストランも市内にあるらしい。とりあえずミサイル発射するのは危ないからやめよう。ちなみに書くとここは観光地ではない。
⑨モンゴル国立博物館リベンジ
モンゴルの歴史が学べるありがたい博物館。夕方に行ったら入れた。モンゴル帝国が世界を席巻した黄金時代をメインに据えるかと思いきや、それに関する展示は殆どない。元寇で日本にボコられた展示を見たかったのだが、あったのは第二次大戦でズッ友ソ連と日本をボコった展示だった。
どちらかというと民俗学がメインらしく、華美な民族衣装がたくさん並んでいる。あまりイメージは付きにくいのだが、モンゴルは多民族国家(多部族のほうが近いかも)であり、それぞれ異なる衣装があるとのこと。
入場料は10000トゥグルグ、もちろん写真撮りたいなら追加で10000トゥグルグだぞっ。
ふぅ疲れた。朝からぶっ通しで回り続け、最後の国立博物館を退館したときは18時前である。昼間は暑い暑いと半袖1枚で余裕だったが、太陽が隠れてしまうと一気に気温は急降下し、一桁台になってしまう。
だが高橋は予めリサーチ済。技術大国ジャパンが生み出した最強兵器を持ってきているのだ。
見せてやるよ、テクノロジーの化身をよ。
こい、ウルトラライトダウン