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フィリピン旅行記 day9 カジノで旅費を取り戻せ!

オカダマニラ、数あるフィリピンのカジノリゾートの中でも頂点に位置するこの狂乱の都に、僕が乗ったタクシーが乗り付けたのは19時半を少し回った頃であった。なおわざわざこのために宿もカジノ近くに急遽変更してある。気合十分。え、宿もオカダマニラにしろ?うるせえ!

これから待ち受ける激しい戦いを想い、脳内ではあの名作ドキュメンタリー、「プロジェクトX〜挑戦者たち〜」のBGMが鳴り響いている。そう、ここが地上の星なのだ。
もっともここでの星とはきらめくマネーのことである。

地上の星ことオカダマニラ

エントランスを潜ると、本当にここはマニラか?と言わんばかりの超ゴージャスな空間。先日のセブのリゾートホテルが竪穴式住居のように思えてくる圧倒的な面構えである
高級料理店やブランドショップが延々と続くアーケード街を通り抜けると、見えてくるのはこれまたバカでかいカジノエリア。

もはや一つの小さな街としても成り立つレベルのデカさだが、パンデミックの影響が大きいのか客数はこの施設規模を考えるとかなり少なめで、なんならスタッフの方が多い説もある。実際に営業規模もかなり縮小してるらしく、以前ならベガスやマカオも超えるレベルの噴水ショーも見れたらしい。本調子なら一体どうなっちゃうの……?

館内フロアマップ
ブランドショップが並ぶアーケード街。惜しむらくはコロナで殆どやってないことか。
カジノの入口。圧倒的な「金」の匂いを感じる。

なお、入場料自体は「無料」である。これはカジノ全般に言えることだが、ギャンブルで金を落としてくれることが前提だかららしい。おうおう、俺は金をお前らから吸い取る側の人間になるぞ。なぜ負けることがあるだろうか、いやない(反語)

早速ATMで10000ペソを引き出し、チップや専用キャッシュカードに交換する。とはいえバカラもポーカーもブラックジャックも詳しく知らない身となれば、できるゲームは限られてくる。すなわちクラップとルーレットだ。クラップ系はソウルのカジノで痛い目にあった記憶があるので今回はルーレットをメインに攻めていくことにする。

ルーレットの色、つまり赤or黒だけを掛けるというクソせこいやり方で、負けると倍額で掛け直す戦法で地道に賞金を獲得していく僕。

うおおおおお!!!これぞ必勝法!俺は無敵!いける!絶対勝利!早期退職!!不労所得!!

だが古今東西自分のキャパシティを超えたギャンブラーがどうなるかは分かりきっている。地道に4000のプラスを築き上げたものの調子に乗ってダブルベッドぶっ込んだのが運の尽き。僅か5分で一気に8000のマイナスに転落。くおおおお援軍!援軍の現金は!!?

これ以上、失うと、帰れなくなるよ。

更に挑戦するのか?しないのか?どっちなんだい?

ウゥゥ………………し…ない…

これは敗北ではないのだ。誘惑に耐え、更なる損失を防いだという意味で、勝利なのだ。そう思わないとやってられないわ。

俺から金を毟り取っていった恐るべきアトラクション。本当は写真撮影禁止
日系なので家系ラーメンも食える(味はふつう)

勝ちに浮かれ騒ぐブルジョワな人々を横目にそっと席を立ち、いそいそと出口に向かう僕。この瞬間の屈辱感と羞恥心はきっと僕を強くするだろう。

もちろん宿への帰りは徒歩だ。勝者は有り余った金でタクれるが、哀れな敗者はそんな金さえも出せないのだ。暗闇の中、ホテルに戻る僕の背中を憎たらしいくらい明るいオカダマニラのネオンが照らしていた。

トホホ…

マイホテルに到着すると、タクではなく徒歩なことに何かを察したのか、戦果はどうだった?と聴いてくる警備員。I’m LOSER…と言うとオゥゥゥ……と慰めてくれた。グスン。


0430起床
オカダマニラからの徒歩帰還が2330だったので4時間弱くらいしか寝れていないそんな土曜の朝である。
今日は実質的なフィリピン最終日になるが、もうマニラは観光地三軍まで制したのでいよいよ暇。だがこうなることは目に見えていたので、きちんと数日前に手を打っていたのだ。

そうだ、ダイビングをしよう。

マニラから日帰りでも潜れるスポットはあるというではないか。

まだ太陽が上がりきらない5時半に僕をピックアップしたダイビングショップの送迎車は一路マニラから南下し、2時間強でバタンガスの南西部にあるアニラオに到着する。メインストリートすらなく、マニラからの直通バスもないような小さな街だが、ここは知る人ぞ知るダイビングスポットで水中写真家とかはここを好んで使うらしい。

セブみたいなリゾートホテルが並ぶといった感じではまるでなく、ジャングルに覆われた小さな半島の海岸線沿いにポツポツと海に面した小さなホテルやコテージがあるといった趣きで、海上から見たらアドリア海の沿岸地方にも見えないこともない。実はマニラからセブへ向かうフェリーの中から遠目にではあるが見えていた景色でもある。
陸地から見る海は朝陽を浴びてキラキラ輝いており、マニラから近距離ということで正直あまり期待はしてなかったがめちゃくちゃ綺麗な海だ。

なんちゅー綺麗な海じゃ
バンカーボートもセブより品質が良い気がする。

準備を整えていざダイブ。今回は3本潜るが、明日の帰国便の離陸時間を考えると減圧症的には割とギリギリ。

※ダイビングの潜水程度によって、その後時間毎の上がれる標高というのが変わってくる。飛行機の場合は潜水後18-24時間以内の搭乗はあまり推奨されない。すぐ乗ると最悪死ぬ。

残念ながら透明度自体は二日前にあったという嵐?のせいで微妙で水流も強め。インストラクターも今日はかなりコンディション悪い部類に入るとのこと。今回諸々ハズレ引き過ぎでは?

だがそれでも明らかにセブ近郊の海よりも魚の数も種類も多い。

ハナヒゲウツボがニョキっと海底から顔を出しており、昼寝中のウミガメの甲羅にはタッチすることができ、枝サンゴに隠れるようにトロピカルな熱帯魚達がゆらゆら泳ぎ、その上を何百という大型魚の大群が泳いでいる。

透明度が悪くてこれである。たぶん通常通りなら素晴らしい光景が広がっていただろう。そして凄いのがこんなスポットが各ホテルやコテージから船で5分もすれば行ける点。なんていう贅沢だ。

今回は3度目の正直ということで遂に水中カメラでの撮影を試みたが、あいにく渡されたのはGoPro…に似た何か。もちろん正規品ではないので画像も粗く、かつあっという間に電池が切れてしまう。自前のGoProを買うときがきたのか。

ダイビングを三本ぶっ続けて昼食。デザートの超絶美味いパイナップルを貪りながらこの輝く海を見てると、同じキラキラでも昨夜のネオンやマネーとは全然違うなぁ、としみじみ。どちらが幸せなんやろうなぁ。。

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