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東欧旅行記 day2 コソボ入国

イスタンブールの地にて7時間弱のトランジットをする羽目になった。これだけの時間があれば普通に観光でもできそうだが、ここイスタンブールではそうはいかない。

2018年に開港し、今や世界最大の空港となったここイスタンブール空港には、肝心の市街地からめちゃくちゃ遠いという明らかな欠点がある。

例を挙げると観光のメインとなるバヤジット広場まで片道約80分

ちなみに空港連絡鉄道はなく自動車でしか辿り着けないので、ただでさえ長い時間に更に渋滞リスクを織り込む必要がある

関空?梅田から遠いやん無能!
成田?東京から遠いやん無能!
中部?名古屋から遠いやん無能!

という甘えた日本の皆さん、その発言は暗にイスタンブールをディスってますよ。鉄道が通じている、それだけで良いじゃないですか。

アクセスポンコツならターミナルでネットサーフィンするしかないよな、と普通は思うわけだが、生憎このイスタンブール空港のWi-Fiの使いにくさは異常。海外周遊用のSIMカードを用意しておかないと下手すりゃネット接続すらできない。事実横のベンチにふんぞり返っていたフランス人達はひとしきり悪態をついた後、諦めて睡魔に身を任せてしまった。

見かけは立派だが、ハード面もソフト面も重大な欠点を抱えているのがこの空港、おまけにレストランやショップもイミグレを抜けないと基本的に姿を現さない。時間潰しにフードコートに入るわけだが、店舗もハンバーガーとかホットドッグとかピザとかそれ系統ばかり。天下のトルコ料理は何処や。様々な料理が食える日本の空港の偉大さが身に沁みるというものだ。

そんな殆ど選択肢などないような状況で無理矢理に選んで食べたパスタ&スープは予想通り美味しくない。それこそ池袋らへんのやっすい居酒屋で出てくるレベルの味のくせに、そのお値段びっくり12ユーロ。この輪ゴムみたいな食感のパスタが都内のランチより圧倒的に高いとはキラキラ銀座港区女子も露にも思うまい。

まっずい!

なおチェックイン時に日本留学していたアゼルバイジャン人に話しかけられる。東京外大にいたらしい。ぐっ、国公立のエリートめ……。

往路最後となる第4便は19時にイスタンブールを発つ。飛行時間は2時間弱とこれまでで最弱だが、それでも機内食を出してくれるあたり流石は天下ターキッシュエアラインズ様々。そしてようやく目的地であるプリシュティナ国際空港に到着する。

イエローモンキーなんて当然自分だけの状況の中、ウェルカムトゥコソーーボ!!の掛け声で押される入国スタンプ。シェンゲンの面白みのないデザインと違ってちゃんと独自性があるのが素晴らしい。なおこれでセルビアに入るとめんどくさい事態になる模様。

てなわけで56カ国目、コソボ入国!

コソボ入国スタンプ。これでセルビアには入れなくなるらしい。

旧社会主義圏の例に漏れずコンパクトだけど想像以上に綺麗なターミナルで荷物を受取って外に出る。調べたところ市街地行きの20時のバスがあるらしい。今の時刻は………20時3分……。えっ、まさか出発した??ちゃんと定刻に出て行ったの??

どうも定刻ピッタシに行ったらしい。

こんな時に時間厳守しなくてもいいのに。

そして次の便は………22時!?

市街地へのバスがニ時間おきというのはいかがなものか。

プリシュティナ空港からのシャトルバス

流石にここまでの超ロング行程で疲労困憊の身、2時間待ちはもうイヤよー、イヤイヤ、とゴネる僕がタクシーの誘惑に呆気なく負けてしまうのは仕方ないことなのかもしれない。

主要都市までの料金表がきちんと貼り出されているのでぼったくりの心配はないが、元々のお値段が問題。プリシュティナの中心部までなんとまぁ25ユーロ。たっか!!!

いやこれ破産やろ、と冷静に言う心をよそに、既に身体はタクシーに向かってしまっていたのだ。空港から市内までは直線距離自体は短いものの、意外と時間はかかり30分かけて中心部のスカンデルベグ像近辺に到着し、目星付けてた宿に入る。

ふー疲れた。

え、晩御飯??タクシーで散財しといて何言うてるねん。そこらへんのスーパーで売ってたクロワッサン1つで我慢せい。


8時に起床してプリシュティナ観光に繰り出すが、そもそもこの街に名所なんてあるのか問題。とりあえずグーグル先生に聞いてみると幾つかピックアップしてくれたので行ってみることに。

マザーテレサ通り……プリシュティナ中心部を貫く歩行者天国。北端にはアルバニアでも見たスカンデルベグ増が設置してあるが、こちらのほうが小さい。レストラン等はあるが絶対数が少ないのが残念なところ。ひたすら南下すると後述の各スポットに近づくことになる。

スカンデルベグ像。アルバニアにもあった。
プリシュティナの歩行者天国「マザーテレサ」通り

旧市街……なにもなかった。え?まさかあのオンボロの建物が集まってるエリアのこと……?なんかこう、イオンに負けて衰退した田舎の商店街を、いやここ旧市街ですけど?と言い張るのと似たようなものを感じる。わざわざ行く価値はないだろう。

旧市街とやらにあった八百屋

コソボ国立大学図書館……外観デザインがやばい。一部ではインスタ映え!らしいがどう見ても中で殺人ゲームが行われている装いである。国立大学図書館と大々的に書いているが、外壁には落書きされまくりのうえチェーンと南京錠で入口がガッチガチにロックされていた。コソボの教育の未来が心配だ。

大学図書館。

NEW BORNモニュメント……コソボ独立を記念したモニュメントらしいが、ぶっちゃけ神戸のポートアイランドにあるBE KOBEのモニュメントと何も変わらない。なんならこちらは背景がただの建物なので全然映えない。聞けば毎年文字列が変わるらしく、今年は「NONEWBR」だった。ちなみにBRはbroken republicのことらしい。ちょっと当て字に無理がないかなあ。

NEWBORNならぬNONEWBRモニュメント

ビル・クリントン像……コソボ独立の恩人らしい。ただの銅像である。これを名所として取り上げないといけないとはプリシュティナはマジでどうなっているんだ。

団地の前にあるクリントン像

マザーテレサ大聖堂……その名の通りマザーテレサを記念して建てられた。めちゃくちゃデカいし、ステンドグラスは綺麗なのに一応イスラム教の国故か朝9時の段階では誰もいない。なおマザーテレサの生誕地はここではなくお隣マケドニアである。

マザーテレサ大聖堂
マザーテレサ大聖堂

以上のラインナップの通りなんとも微妙、というか明らかに無理して宣伝しているスポットばかりなので早々にプリシュティナを離脱することに。ただこんな日本とは無縁そうな場所でも探せばあるのがジャパニーズレストラン。偶然見つけた日本食レストランの店名はSUSHICOであった。イデコかな?怖くて入ってないのを今更になって少し後悔。NEWBORNモニュメント隣のスタジアムの裏にあるぞ。

SUSHICOの看板

中心部から徒歩30分程かけてバスターミナルへ向かい、プリズレンに行きたいと伝えると6番乗り場に来ることだけ教えられる。時刻表は貼られていないが、電光掲示板には直近の出発するバスの案内は書いてある。旅人に優しいのか優しくないのかどっちだ…?

1145プリシュティナ発のバスは、てっきりミニバスかと思いきや普通の大型バス。
それもそのはずで目的地のプリズレンはコソボ第二の都市、つまり日本なら東京-大阪間のバスと同じ。ここで客を取らないでどうするというのだ。

コソボ分かってるやん!と上から目線で思うも、出発しても一向にエアコンが入らない。かといって日光はガンガン入ってくるので一気に灼熱地獄に。なぜ窓開けてくれないのか、いやそもそも開かない構造にしたのか。

プリシュティナのバスターミナル

運賃は片道5€と随分良心的と最初は思ったものだが、正直あと3€出すからエアコンを起動してほしかった。

でもまぁタクシー25€と比べたらまぁ、、、。安かろう悪かろう??

半分茹で蛸になりながら2時間弱でコソボ南部の街プリズレンのバスターミナルに到着
昨日のターキッシュエアラインズで隣になったコソボ人に「プリズレンは良いとこだ!プリズレンに行け!」と口酸っぱく言われた街、どんなところだろうか。

なおそのコソボ人は一言たりともプリシュティナは良いとこだ、とは口にしなかった。

プリシュティナの街並み

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