日本一の逆翻訳ニスト「バイヤー高橋」
「クリエイタードリームフェス」というイベントを知っているだろうか。
字面だけ見ると、なんだかすごそうな人たちが集まるイベントのように思える。
しかし実際は、カスみたいなYouTuberが出演するだけのしょうもないイベントだ。主催が「コムドット」というだけで、いろいろ察せると思う。
このように、クリエイターという言葉がなんとなく誤用されている場面は多い。こうしたものを見るたびに、私は「商品紹介や身内ネタ、ゲーム実況をしている人は本当にクリエイターなのか?」とつい疑問に感じてしまう。
そんな素人のクリエイター論はさておき、今回は私が「エンタメ系の最高峰」と評価している、YouTuberを紹介しようと思う。
関係ない話だが、「YouTube」の"T"を大文字にするのが、地味にめんどくさい。
「バイヤー高橋」とは?
「バイヤー高橋」は、登録者40万人を超える人気YouTuberだ。
メインコンテンツである「逆翻訳動画」を中心に、さまざまなバリエーションの動画を投稿している。
彼の動画は創造性に富んでおり、面白いのはもちろんだが、アイデアとそれを実現する器用さに感心させられる。
まずは、彼を語る上で欠かせない「逆翻訳動画」について話していこうと思う。
逆翻訳について
逆翻訳というのは、Google翻訳を使って、日本語を英語などの別の言語に翻訳し、再び日本語に戻すというものだ。
「日本語→英語→韓国語→中国語→日本語」のように、多数の言語を介することで、元の言葉の意味が変化することがある。
彼のチャンネルに上がっている動画から、いくつか例を挙げよう。
「へいらっしゃい!」→「出ていけ!」
「ここのスシ屋は日本一!」→「日本の国勢調査」
「やるせないじゃない 恋はのり巻き」→「ニックネーム 土着の藻」
このように、全く意味が変わってしまったり、意味不明な言葉が出てきたりする。
これを楽しむのが、逆翻訳というコンテンツだ。
こうした動画は他の人もやっているが、彼の特徴的なところは、その言葉をもとにした再現動画を、わざわざ作るところにある。
ガムテープ工作
彼は再現動画を作るために、衣装や小物を自作している。
驚くことに、それらは全てガムテープ製だ。サムネイルの寿司職人の衣装も、よく見るとガムテープで作られている。
彼はガムテープ一本で、服や髪型などなんでも作ってしまう。さながらガムテープ職人といったところだ。
逆翻訳の内容だけでなく、それをどのように表現するのかというのも、動画の魅力の1つとなっている。
逆翻訳動画のバリエーション
基本的には、曲の歌詞を逆翻訳した動画をあげているが、ときどきそれ以外の逆翻訳も行っている。
個人的には、「逆翻訳クッキング」がおすすめだ。
その名のとおり、材料からレシピまで逆翻訳するのだが、なんとそれを元に実際に料理を行う。当然だが、材料やレシピはめちゃくちゃになる。
この動画は、チーズケーキを逆翻訳して作るという内容の動画だ。
普通のレシピに従えば、チーズケーキしかできないが、逆翻訳レシピでは7個もの料理ができあがっている。以下に示すのが、その料理名だ。
「鳥ビスケット麺」「揚げ牛乳ビスケット」「クリームチー寿司」「レモン・オン・コーン」「海鮮バームロール」「刻み焼きマリネ」「あまあまおう」
料理名だけ見ても、えげつないものができあがっていることがわかるだろう。
さらにこれらの料理を、彼は全て動画内で食べている。たとえ、それがどんなゲテモノであったとしてもだ。体を張った過酷な企画だが、その様子も含めて楽しめる、とても面白い動画となっている。
それ以外にも、逆翻訳ニュースや童話の逆翻訳など、多彩なコンテンツの逆翻訳を行っている。これらも面白いので、気になる人は全てチェックするべきだ。
高度な企画力
彼の魅力は、逆翻訳だけではない。
今回は彼のアイデアに富んだ企画の中から、個人的に気に入っているものを紹介する。
まず最初は、「排水溝全米オープン」だ。
これはゴルフクラブを使い、排水溝に洗浄薬をカップインさせるという内容の動画である。
家具や障害物を上手く使っており、ゴルフとしての完成度も高い。
なにより、排水溝に薬を入れるという行為を、ゴルフにしてしまうというアイデアが斬新だ。
「排水口きれいにする薬でゴルフ選手権2023」では、友達と対戦しており、よりゴルフらしくなっている。
しょうもない企画だが、見ているうちについ応援してしまう。ガムテープ工作もそうだが、日常にあるものを上手く使って動画にするのが、彼の魅力である。
もうひとつ、私が好きな動画を紹介する。
それがこの、「麻雀牌でしか喋ることができない学園ドラマ」だ。
登場人物全員が、麻雀に出てくる言葉しか喋れないという、なんとも奇妙な設定のドラマだ。
さすがに話が成立しないだろうと思ったが、
何→南(なん)
うそ→5索(うーそー)
すまん→四萬(すーまん)
のように、巧みに言葉を生み出している。
登場人物の名前も、
丹 矢男(たん やお)→タンヤオ
伊井 平康(いい ぺいこう)→イーペーコー
紅 銅鑼(あか どら)→赤ドラ
といった感じで、多少無理はあるものの、しっかりと麻雀の言葉だけで表現されている。
この設定の意味不明さと、それを成り立たせるユニークな手法に、彼のクリエイターとしての真髄が詰まっていると思う。
ちなみに単発動画ではなく、東1局から東4局まで、計4本の動画があがっている(別に麻雀をしているわけではない)。
少ない材料でストーリーを作るという、彼の器用さを感じられる良いシリーズだ。
今すぐ「バイヤー高橋チャンネル」に登録しよう!
彼のアイデア・企画力・動画の面白さは、YouTuberの中でもずば抜けている。
チャンネル運営もクリーンで、炎上したという話は聞いたことがない。
シュールなネタが好きな人は、今すぐ登録して彼の動画を見るべきだ。
今後もこういった形で、おすすめのYouTuberを紹介していきたいと思う。
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