暴力で全てを解決するホラー映画『戦慄怪奇ファイルコワすぎ!』感想

2023年9月2日 17:34

口裂け女や河童、トイレの花子さんなど、有名な怪談話を元にしたドキュメンタリー風映画『戦慄怪奇ファイルコワすぎ!』の感想です。

結論「けっこう面白い！マジで。」

なんとなくホラー系の映画って、安っぽいイメージがあるじゃないですか。

海外のはなんかミステリアスな感じがしますが、日本のホラー映画は撮影場所も身近だし、話してる言葉もわかるので、いまいち入り込めないんですよね。

そんな勝手なイメージで避けていましたが、いざ見てみると、これが意外と面白い。

特に『戦慄怪奇ファイルコワすぎ!』は、難しいストーリーで怖がらせるのではなく、主に見た目や音で驚かせてくるので、いい感じに「怖いもの見たい欲」を満たしてくれます。

あと、ギャグシーンが多いのも嬉しい。

どうしてもホラー作品って、見てて笑っちゃうときがあります。全力で怖がらせようとしてくるのが面白いというか、単純に首が曲がった人とか、緑色の怪物は、奇妙で笑える見た目ですからね。

あとホラー映画は、全体的に安っぽい感じなので、「明らかに合成じゃん！」「めっちゃCG使ってるじゃん！」ってなります。

映画の宣伝とかで、そうしたちょっと安っぽいシーンを「史上最恐！」というテロップとともに、女性の叫び声も流して、いかにもホラーっぽく演出されると、もうダメですね。冷めてしまって、怖がるどころではなくなってしまいます。

その点この映画は、ギャグシーンと言っていいのかはわかりませんが、ときどき笑わせようとしてくるので、安心して面白がることができます。

ホラー映画にありがちな安っぽさを、うまいこと武器にしていることに、思わず感心しました。

具体的には、口裂け女の足の速さを確かめるために、女性スタッフ（市川さん）が現場を全力疾走したり、依頼者である2人の男性が妙に仲良しだったり、代々伝わる呪術の継承者になぜかメールがつながることなどです。

「真剣に走る必要ある？」
「なんで一緒の場所で寝泊まりしてるの？」
「呪術師もメールやってるんだ」

みたいな感じで、細かな突っ込みどころがとても多いです。

最も突っ込みどころが多い人物は、なんといってもディレクターの工藤さん。

ちょっといかつい見た目のおじさんで、ドキュメンタリー番組を監督しているのですが、行動がイカれています。

簡単にいうと、「暴力and脳筋パワハラ野郎」です。

彼の暴力はとどまるところを知らず、女性スタッフや、依頼人に対しても本気のビンタをかまします。

依頼人が幽霊に取りつかれた際、そのビンタで幽霊を追い払ったので、「除霊ビンタ」とネットで名付けられていました。

パワハラも相当なもので、危ない場所に市川さんを先にいかせ、幽霊が出るまで戻るなと脅したり、実験と称して依頼人の首に呪物をかけたりしています。

依頼人がなかなか話し出さないなど、ちょっとしたことでもキレて大声を出したり、机をたたいたりするため、幽霊ではなく、工藤さんがいつ怒るのかにおびえながら、映画を見ていました。

「売れるぞ～、これは売れるぞ～」や「実験だよ実験！」などの名セリフも数多く生み出しており、いろんな意味で魅力的な人物です。

このように笑えるシーンが豊富なのですが、肝心なホラーの部分も充実しています。

手持ちカメラによる臨場感のある映像や、幽霊が映り込んだシーンをスローでREPLAYするなど、演出にもこだわっています。

CGや特殊メイクもよくできているので、出てくる幽霊も普通に怖いです。

数字や意味不明な言葉が書きなぐられた紙や、食い荒らされた動物の死骸、事故に巻き込まれる人など、幽霊以外の部分で怖がらせようとしているのも、評価できるポイントです。

「めっちゃ怖い！」というほどではありませんが、ホラー映画としては十分にドキドキできる緊張感があります。

それに加えて、友情や感動シーンもあるので、総合的な満足度も高いです。

そんな『戦慄怪奇ファイルコワすぎ!』は、Amazonプライムで見ることができます（宣伝じゃないです）。

まだまだ暑い残暑のおともに、ぜひチェックしてみてください。

余談になりますが、もともとこの映画を見始めた理由は、私の推しである「名取さな」さんが同時視聴配信をしていたからです。

同時視聴配信というのは、別のチャンネルやプラットフォームで配信されている動画や生放送を、一緒に見る配信のことです。

配信者やコメントと一緒に見ると、より面白さが増すのでオススメです。

現在Amazonプライムで公開されているコワすぎ！作品のすべてで同時視聴を行っており、なおかつめちゃくちゃ面白いので、ぜひ2窓して楽しんでください！

暴力で全てを解決するホラー映画『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』感想