旅にでも出よっか。
これを書いているのは朝の通勤列車。
今日、私は旅に出る。
旅とは、本当の自分なるものを見つけるためではなく、自分が変わっていけることに気づくためになされる試行錯誤のことらしい。
新幹線には片手に収まるくらいしか乗ったことがない。
駅弁は食べたことがない。
改札にはきっぷを2枚同時に入れないといけないことも昨日知った。
1人で新幹線に乗れるようになる。
1人で新幹線がないといけない距離に旅に出る。
それだけで私にとっては大冒険だ。
お気に入りの本を持って、
お気に入りのピアスをつけて、
お気に入りの香水をちょっとつけて。
不安と期待の入り混じったドキドキが心地よくて。
通勤列車もいつもと変わらないはずなのに、何だか少し空いている気がしたりして。
あ、お気に入りの指輪を忘れたな。
お気に入りのグミも机の上に置いたままだ。
まぁ。いいか。
いつも通り、最寄りまで走らないといけない時間にお家を出て。背中にじんわり汗をかいているのに。
いつもとは違う場所に向かう。
今日の私は少しだけ大胆で少しだけ寛容だ。
あぁ、もうすぐ新幹線の時間だ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?