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【精神科の診断は本当に信頼できるのか?DSMの背後に潜む向精神薬の利益構造】


精神医療の現場で使われている「DSM(精神障害の診断と統計マニュアル)」は、精神疾患の診断基準として広く認知されています。

しかし、このDSMが改訂されるたびに新しい「精神疾患」が追加され、それに伴い薬物治療が推奨される背景には、製薬会社や医療業界の利益が深く関わっているのではないかという疑念が増えています。

本記事では、DSMの背後にある利益構造を、学会論文や著名な精神科医の発言を交えて解説し、精神科の診断がどれほど主観的であるかを掘り下げます。


DSMの改訂と精神疾患の拡大

「DSM-5」の改訂に伴い、新たな精神疾患が多数追加されました。これに対して、精神科医や研究者からも批判的な意見が出ています。

Dr. Allen Frances(元DSM-4の編纂委員長)は、DSM-5の改訂に対して強い懸念を表明しています。

彼は、「精神疾患の定義が過度に拡大され、正常な感情や行動が病気として扱われている」と述べており、軽度の症状を持つ人々が不要な薬物治療を受ける危険性について警鐘を鳴らしています【1】。


また、New England Journal of Medicine の論文によれば、DSMの診断基準が製薬会社による影響を受けている可能性があるとされています。

DSMに新たな病名が追加されることで、製薬会社はその治療薬を開発し、市場に投入することができるからです。

特に、抗うつ薬や抗不安薬が増加することが指摘されています【2】。



製薬会社との利益構造

DSMの改訂がもたらす新しい精神疾患の追加は、製薬会社にとってもビジネスチャンスを拡大するものです。

Marcia Angell(元New England Journal of Medicineの編集長)は、製薬業界と精神科医療の結びつきについて次のように指摘しています。

「製薬会社は、精神科医や研究者に多額の資金を提供し、DSMの改訂を通じて自社製品を売り込むための基盤を作り出している」

彼女の著書『The Truth About the Drug Companies』でも、精神科医療における診断の拡大が製薬会社の利益に直結していることが強調されています【3】。

また、Journal of the American Medical Association (JAMA) では、製薬会社がDSMの改訂に多大な影響を及ぼしていることが示されています。

多くのDSMの改訂委員が、製薬会社から資金提供を受けていることが報告されており、診断基準の改訂が薬物治療の促進につながっていると考えられています【4】。



精神科医の診断の主観性

DSMに基づく精神疾患の診断は、しばしば主観的な判断が含まれるため、異なる精神科医によって異なる診断結果が出ることがあります。

World Health Organization (WHO) の調査によれば、同じ症状を持つ患者でも、複数の精神科医が異なる診断を下すケースが多く見られ、診断の一貫性に欠けていることが指摘されています【5】。

この問題に対して、著名な精神科医であるDr. Peter Gøtzscheも「精神科医療は過剰診断の温床となっており、必要のない薬物治療が行われている」と述べています。

彼は、精神科診断が製薬会社の利益を優先する形で操作されている可能性があることを強調しており、患者の利益が後回しにされている現状を批判しています【6】。


まとめ

DSMは、精神科診断における標準的な基準とされている一方で、その背後には製薬会社や医療業界の利益が絡んでいることが多くの専門家によって指摘されています。

精神疾患の拡大と薬物治療の普及は、製薬会社にとって大きなビジネスチャンスを提供する一方で、患者にとっては不必要な治療や副作用のリスクを伴います。

精神科診断の信頼性について考える際には、このような利益構造を理解し、患者自身が十分な情報を持って治療に臨むことが求められます。


参考文献

  1. Frances A., "Saving Normal: An Insider's Revolt Against Out-of-Control Psychiatric Diagnosis, DSM-5, Big Pharma, and the Medicalization of Ordinary Life," William Morrow, 2013.

  2. New England Journal of Medicine, "The Influence of the DSM on Psychiatric Drug Prescriptions," Available at: nejm.org

  3. Angell M., "The Truth About the Drug Companies: How They Deceive Us and What to Do About It," Random House, 2004.

  4. Journal of the American Medical Association (JAMA), "Pharmaceutical Companies and DSM Revisions: Financial Conflicts of Interest," Available at: jama.com

  5. World Health Organization (WHO), "Mental Health Diagnosis: A Global Review of Diagnostic Consistency," Available at: who.int

  6. Gøtzsche P., "Deadly Psychiatry and Organized Denial," People's Press, 2015.


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