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醸し人九平次 久野九平治社長のトークショーで学んだ

2018年10月24日から29日まで日本橋高島屋(東京)にて『日本酒まつり』が開催されました。

日本酒まつり詳細はこちら↓
https://www.takashimaya.co.jp/nihombashi/departmentstore/nihonshu/index.html

2018年10月28日 16時のトークショーで醸し人九平次などを手掛けている『萬乗醸造 久野九平治 社長』のお話を聞くことができました。

http://kuheiji.co.jp/

久野社長の話から学んだことを以下に書いてみます。

- 飲み手の趣向 -

多くの方はブランド(酒蔵・銘柄)で日本酒を飲まれているのではないでしょうか?

日本には1400以上の酒蔵がありますし、銘柄はなんと1万種以上。

日本酒において酒蔵の位置はどこか。
久野社長はこう仰ってました。

お米(年度)

品種、地区

精米

酒造

酒造は最後、一番下です。
ブランドではなく、この上からの流れで見てもらえると各自の趣向が変わるのでは?

お米にはドラマがあります。

例えば、
2010年は気温が高く、お米が高温障害で取れ高が少なかった年だと。
返って2014年は物凄くお米の育ちが良い年だったとのことです。

このお米のバックグラウンドなども見てもらえると日本酒の趣向も変わるのではないかと。

- 飲み比べのコツ -

端的に言うと、軸を揃えること。

〜例1〜
 ①お米(年度) → 2017年
 ②品種、地区 → 山田錦
 ③精米 → 50%
のように「2017年 山田錦 50%」と軸を揃えます。
この軸をもって、各酒造の飲み比べを行います。
こうすることで、各酒造の個性がわかります。

また、酒造の個性をより感じるためには、冷蔵庫で冷やしたものではなく、一度室温に戻して飲むことをおすすめされていました。
冷やして飲むと個性が全部出てこないとおっしゃってました。(人間も寒いと服を何枚も着込んでしまう。日本酒も同じ状態になると。)

〜例2〜
 ①お米(年度) → 2017年
 ②精米 → 50%
 ③酒造 → 酒造A
のように「2017年 50% 酒造A」と軸を揃えます。
この軸をもって、品種、地区(山田錦、雄町、美山錦など)の飲み比べを行います。
これはお米の違いがわかります。

- お米造りのバックグラウンド。 -

品種の壁はどんなに技術をぶち込んでも超えられない。
輸入牛が和牛になることはあり得ない。

なるほど、どんなに米づくり、酒づくりの技術が高くても、Cランクの酒米がAランクの酒米になることはないのか。

『1俵(ピョウ)』 って 何kgかご存知ですか?

 『1俵 = 60kg』 です。

『1反(タン)』 って 何坪かご存知ですか?

 『1反 = 300坪』です。

『1反』に ×10 をすると、『1町(チョウ)』となります。
ちなみに『1町(チョウ) = 1ヘクタール』です。

意外に知らなかった。
(みなさん知ってました?)


以上を前置きに、
お米の収穫量とどれくらいのお酒が製造できるのかのお話へ。


『1反』でどれくらいのお米が収穫できると思いますか?

 『6俵 = 360kg』くらいです。

この『6俵』はどれくらいのお酒になると思いますか?

 結論 『一升瓶 200本』です。

 (計算式)
  → 6俵 = 360kg
  → 精米 50%にする
  → 180kg
  → これに ×2 をします。
   (※1 以降に参照POINTがあります。)
  → 360になり、単位をリットルにします。
  → 360リットル
  → 360 ÷ 1.8(一升)= 200本

お米づくり 6ヶ月。
日本酒製造 3ヶ月。
9ヶ月かけて、1反の田んぼで、一升瓶200本の日本酒がつくられます。

なお、前出している年度の特徴と、収穫した米から作れる日本酒の量を換算する計算式の『×2』の部分に該当する『n倍』の値です。
 2010年 暑くて高温障害 → 1.8倍 
 2014年 素晴らしい年 → 2.3倍

なので、先ほどの計算式に上記の倍数をかけると、結果が変わってきます。

2010年 → 324リットル ÷ 1.8(一升)= 180本

2014年 → 414リットル ÷ 1.8(一升)= 230本

収穫量が減れば作れる日本酒の量が減りますし、良い年は増えますね。
台風など天災を受けることもしばしば。
田んぼに起きた被害を人的に防ぐことは不可能とおっしゃってました。

ワインは水を与えたりできない(法律で禁止されている)。
ワインも自然に任せている。

日本酒も自然と共にあります。
日本酒を飲むとき、選ぶとき、こういう背景も視野に入るようにしていきたいですね。

『作り手は一粒を見つめることからが仕事』


- メモ -

お米の品種『雄町』
日本の米のルーツとされている。
雄町だけルーツ(お父さん、お母さん)がわからない。

萬乗醸造
11月〜5月に酒造りをし、そのあと兵庫に引っ越して米づくりをしている。
田んぼの横に引っ越して付きっきりで米づくりをされているようです。


- 感想 -

貴重なお話を聞くことができました。

本当はもっとお話をメモってたのですが、iPhoneを新しくしたタイミングで復元したら消えちゃいました。。。

日本酒もいろんな方面から見ることができるんですね。

日本酒、奥が深い。

日本酒、面白い。

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