プロダクトマネージャーに求められる6つの素養
こんにちは、Tablyの小城(@ozyozyo) です。
※ この記事の要約: プロダクトマネージャー全員に求められる素養は以下の6つであるとTablyは考えています。
1. 未来を描き、ビジョンを持つこと
2. 自分ごととして突き詰めて考えること
3. 強い心で、なんとかすること
4. 知らないことを積極的に学ぶ
5. 議論を恐れず、プロダクトを良くするために自分の意見を伝える
6. 広い視野を持つバランス感覚(顧客価値、事業、チームのバランス)
アンケートにご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。
プロダクトマネージャーに必要な素養について、これまで2回noteを書いてきました。
今回の記事では、アンケート結果を踏まえて以下の3点について記載します。
・ そもそも素養とは何か
・ 「常に求められる素養」と「強みを作り出す素養」
・ プロダクトマネージャー全員に求められる6つの素養
これまでのnote
■ 第一回: プロダクトマネージャーに必要な素養って何だと思いますか?
https://note.com/tably/n/n1f5fee14b469
■ 第二回: [結果]プロダクトマネージャーに必要な素養アンケート
https://note.com/tably/n/n2caff5e00c12
▶ そもそも、素養とは何か
まずは「素養」という言葉を、どのような意味で使っているのかを整理したいと思います。素養は、良いプロダクトマネージャーになるための基盤であり、人のソフトスキルの一部です。人の素養を変えることは可能ですが、スキルのように経験すればすぐに追加できる類のものではなく、じっくり時間をかけなければ変えることができないものです。
一方、「スキル」は知識と経験を積むことで、素養に比べて伸ばしやすいものであり、プロダクトマネージャーに求められるスキルについてはこちらのnoteもご確認ください。
▼▼▼ プロダクトマネージャーのスキルの話はこちらをご参考ください ▼▼▼
https://note.com/tably/n/n2f0d286ae3b6
▶ 「常に求められる素養」と「強みを作り出す素養」
プロダクトマネージャーにタイプがあるのは必然であり、強みを伸ばして尖ったプロダクトマネージャーになるべきです。しかし、役割の特性上、プロダクトマネージャーはビジネス領域だけをするだとか、ゼロイチだけをするのではなく1つのプロダクトをバランス良い視点で育て続けていかなければいけません。
そして、例えば0→1での立ち上げフェーズでは、ビジョンを持ってチームを牽引し、素早い仮説検証を繰り返しながらプロダクトマーケットフィットを探すことが求められます。そして、10→100のフェーズでは、プロダクトだけではなく市場全体の成長を見据えたビジネスの視点を持ち、多くのユーザーに使われる責任を果たすような堅牢なプロダクトに保つ技術的な視点も求められます。
つまり、プロダクトのフェーズによってプロダクトマネージャーに求められる視野の広さや視点が異なるため、フェーズ毎に求められている素養も異なります。他にも、チームの他のメンバーの強みや弱みによってもプロダクトマネージャーに求められる素養は異なるでしょう。
そのため、プロダクトマネージャー全員に求められる基礎的な素養と、プロダクトマネージャーの個性を作り出す素養を切り分けて考え、今回のnoteでは「全員に求められる基礎的な素養」について述べています。
(PMの木の形を変える)
▶ プロダクトマネージャー全員に求められる6つの素養
前置きが長くなりました。Tablyは、プロダクトマネージャー全員に必要な素養は以下の6点であると考えています。
1. 未来を描き、ビジョンを持つこと
2. 自分ごととして突き詰めて考えること
3. 強い心で、なんとかすること
4. 知らないことを積極的に学ぶ
5. 議論を恐れず、プロダクトを良くするために自分の意見を伝える
6. 広い視野を持つバランス感覚(顧客価値、事業、チームのバランス)
1. 未来を描き、ビジョンを持つこと
プロダクトはビジョンを実現するための手段です。ミニCEOとして、そのプロダクトがある状態でどんな世界を作り出すことができるのか、市場全体の未来を見据えなければなりません。
目の前の仕事だけを淡々とこなすのではなく、プロダクトチームの一歩先を見て、チームをビジョンに率いていく姿勢を持つことがプロダクトマネージャーには求められています。
2. 自分ごととして突き詰めて考えること
ユーザーのペインやゲイン、バグの一つ一つについてまで、すべて自分ごととして考え、解決しようとするこだわりが重要です。また、自分ごととして考えることで、プロダクトについての視野が広がりアンテナが高くなり、次に繋がる着想を得ることができるようになります。
そして、プロダクトマネージャーにはビジネス、UX、技術と幅広い領域の視点が求められますが、例えば自分のバックグラウンドがUXであるからといってUXだけの視点で考えるのではなく、すべての領域の物事を自分ごととして考えることも求められます。
3. 強い心で、なんとかすること
プロダクトマネージャーは多くの場合、ステークホルダーとプロダクトチームの板挟みとなります。他の職種との間に挟まって、孤独感を感じることも多いでしょう。
しかし、難しい状況であればあるほど、チームの心が折れそうになればなるときであるほど、プロダクトマネージャーが強い心でプロダクトを前に進めていく姿勢が求められます。この素養を持つには、強い原体験を持つことや、プロダクトへの愛、2で述べた「自分ごととして突き詰めて考えること」があるとよいでしょう。
4. 知らないことを積極的に学ぶ
プロダクトマネージャーはプロダクトの成長とともに常に新しいことを学び続けなければなりません。プロダクトを取り巻く環境は常に変化し続け、ビジネス、UX、技術などの知識も新しい考えや手法が登場します。幅広い技術を知っておかなければプロダクトの意志決定が難しいでしょう。
プロダクトを育てるために必要になった知識を勉強すること、そして好奇心と興味を持って新たな知識を吸収することがプロダクトマネージャーに求められています。
5. 議論を恐れず、プロダクトを良くするために自分の意見を伝える
心理的安全性の高いプロダクトチームを作ることもプロダクトマネージャーの仕事です。そして、心理的安全性の高いチームとはただの仲良しなチームではなく、必要な議論ができるチームです。プロダクトマネージャーは時にチームにとって難しい問いを投げかけて、議論を通してプロダクトを成功に導かなければなりません。
6. 広い視野を持つバランス感覚
プロダクトマネージャー自身が幅広い知識を持ち、その知識をつかって幅広いメンバーとコミュニケーションを取る必要があります。そして、多くのメンバーからのインプットを元に意志決定をしなければなりません。
そのためには、時々刻々と変わる状況を把握して、その時時に最適な意志決定を実施する柔軟性が求められます。1つのアイデアに固執するのではなく、幅広い意見をもとに最適な意志決定をするバランス感覚と、まずは相手の意見を受け入れて検証してみる素早さがプロダクトマネージャーには求められています。
▶ 最後に
素養と習慣には因果関係があるという議論になりました。
例えば、素養の候補を考えるときに「プロダクトへの愛」が必要だと考えました。そして、愛を持つための1つの方法として「自分ごととして考え続ける」があると考えました。また、愛があることで「折れない心」が生まれます。しかし、どうすれば、自分ごととして考え続けられるかというと、やはり愛や強い興味が必要になります。
このような因果関係の中で、今回は「習慣によって身につけられるところ」をポイントとして6つ切り出しました。例えば、素養を「知らないことを積極的に学ぶのが好き」ではなくて、「知らないことを積極的に学ぶ」としてあります。素養は一朝一夕に身につけられるものではありませんが、習慣によって身につけられるもの、としています。
この記事では、多くの「プロダクトマネージャーはXXでなければならない」という表現をしました。しかし、この記事を読んでプロダクトマネージャーは高尚な武士道のようなものだとは思ってほしくありません。「プロダクトマネージャーに必要な素養が自分には足りないので向いていない」と思うのではなく、習慣によって良いプロダクトマネージャーになっていくことができるとポジティブに捉えてもらえたら、とてもうれしく思います。
強いプロダクトマネージャーになれるように、頑張っていきましょう💪
(※ 補足) アンケート結果にない素養について
前回のアンケートでは、 「常に求められる素養」と「強みを作り出す素養」を切り分ける目的で多くの素養の中から本当に必要だと感じるものを選択いただくという手法を取りました。
設問数の関係上、必ず「常に求められる素養」であると考えていた素養は設問からあらかじめ抜いておりました。そのため、前回のアンケート結果の記事にはない素養が本記事には登場しています。
▼▼▼ アンケートについてとその結果はこちら ▼▼▼
https://note.com/tably/n/n2caff5e00c12