私は罪深い
私は夫と結婚して22年目、今年で40になる。18の時に一緒になった、激しくて熱くて夏の恋の様な恋愛だった。私は40の今でも主人の事を愛していた。主人のあの言葉を聴くまでは、夫は保険の代理店を経営している。仕事の電話を家でかける時もある、気にも留めない話題、妻が更年期みたいなんだ。
夫の言葉が、頭の隅に残っている。更年期、私が随分と年をとったみたいで嫌な気持ちになった。友人に話してみると、ちょっと早くない?友人達はバリバリで年齢を感じたことはないわ。雑誌でみる同じ世代の女性達もエネルギッシュで私の様な悩みは抱いていない、夫は家族で恋の相手としては不満だった。
夫が私の事もう好きじゃないから、更年期って言葉が出たと思う。私は夫に恋したいと思っているけど、相手に振られた気持ちだ、でも私は他人を愛したい。その事を友人に素直に伝えると、違う相手紹介しようか?と言われた。友人は旦那の他に恋愛感情を抱く人がいるらしい。私にはそこまでの勇気がない。
夫との間に子供はいない、私も意識して作らなかったわけじゃない。夫婦間の会話にもあがらなかった。私は今の生活に満足していた、夫に私のことを見ていて欲しかった。でも主人の気持ちは違っていた、私より大切なものがあるみたい。このままだと私は他の人を好きになっちゃうよと夫に伝えようと思う。
先日、友人とランチを食べた。新宿のホテルのランチバイキング、男性を紹介された。外資系の営業マンでスマートな男性だった、家族の話になった。彼にも奥さんがいる、でも最近上手くいっていないと言う。友人から私の話を聴いて気が合うかもと思ったよ。私はそう言う関係になるのは暫く待って欲しい。
夫に夕食の時、明日何の日だか覚えてる?結婚記念日だろ、何かしてくれるの?仕事が夕方で終わるから、外出しよう。私は、最近冷たくない?僕も話したい事があるんだ。何の話?今は話さない方が良いと思う、私は良い話じゃないんだと分かる。主人も2人の間が冷めていると気づいているのかも知れない。
夫が予約していた店は、結婚する前からデートで2人が良く利用した店でした。主人は美味しい食事で、記念日を祝ってくれました。私は何の話なの?と尋ねました。夫は、今の仕事から転職しようと考えていると話しました。どうしてと聞くと、妻の事が気になっていると答えました。私はいつも上の空です。
友人に紹介された男性と逢うことにしました。ホテルのラウンジで待ち合わせをしました。主人には、高校の同級生と食事会に行くと伝えました。ラウンジで部屋のキーを渡されました、私は緊張していませんでした。夫が、最近上の空だよと言った言葉が気になりました、男性に女として認めて欲しいのです。
部屋に入ると、罪悪感が襲いました。主人を裏切っていいのかと思いました。夫は、結婚記念日に私とやり直したいと言いました。気になっているという言葉をその様に受けとりました。でも、私は元の居場所に戻ることが出来ませんでした。女として愛して欲しい、幸せになりたかった。男性と一夜を過ごす。
夫は転職の準備をしていて、理由を私に話してくれました。退屈そうに見えて、妻が人生を楽しんでくれる様に僕も今の生活を見直した。今までは代理店をしていて、顧客へのサービスの管理業務が中心です。僕の尊敬する人の紹介でフランス料理店のオーナーをする。生活スタイルが食文化の提案で刺激的だ。
主人は、ますます忙しくなる。夫婦でパーティーにも出席するなど、表舞台に出る事も多くなる、人生を一緒に楽しもうと話してくれました。夫のテンションの高さとは逆に、私の気持ちはますます孤独になり、夫に対する違和感は収まりません。私は5つ年下の男性と密会を重ねました。夫は私を信じている。
男性には、子供もいて家庭では良きパパです。私は何故奥さんに冷めてしまったの?と聞きました。男性は私と同じ理由だと思う、とても孤独なんですよ。奥さんは男性の事愛しているの?と尋ねると、いつも声をかけてくれて、男性と居て嬉しそうだ。私達は間違っているのかな、でも男性といると救われる。
私は、夫と別れると男性に伝えました。男性は私を愛している、僕のものになって欲しい。主人には好きな人が出来たと伝えました、突然の事でびっくりしています。夫は、僕の元を離れても良い事はないよ、僕ほど妻を愛している人はいない。考え直した方が良い、戻ってきてくれ。不倫していた事は許すよ。
もう何年も前から愛していないの、夫は若い男性に目が眩んでいるだけだ、妻の事を1番知っている。私は、ごめんなさいと話す、幸せを願うなら別れて欲しい。私は、愛人になりました。1つの家庭を不幸にしています、でも正直に自分の心と向き合うと本当に自由になれました。主人の拘束から離れました。
別れてから自分を愛する事が出来ます、男性と初めての旅行に来ています。信州の温泉です、自然が豊かで美しいですね。男性が何度も愛しているよと呟きます、朝起きると鳥のさえずりが聴こえるね、君の寝息の様だ。朝食を食べながら、君の料理美味しんだろうね、愛の言葉にくらくらします。私は罪深い。
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