BLACKPINK(ROSE).part6
妹の高校生活の最後の夏休みが終わる頃、僕はウダウダとバイト生活に精を出していた。
妹が彼氏を部屋に連れ込んでお医者様ごっこや着せ替えごっこに励んでいるのを見ると、親父が俺に一言いったれよという顔を向けてくる理由も分からないではない。僕は岐波の海如何だったと男に聞くと、男はお前の妹不細工で恥ずかしかったわと言ってきたので喧嘩になりそうになった。僕は妹にそんな男とは早く別れた方がいいぞと話しかけたけど、彼氏にハートマークで男のことしか目に入らない様だった。親父は僕にもういいからと言い、中学生の頃は成績も良くて将来期待していたんだけどなと話した。
9月になると言うのに残暑は厳しく、僕の疲労は蓄積されていた。彼女からLINEが来るが無視していた。先輩のお盆のライブかっこよかったなと思い出しながら、午後からなつとカラオケにいく予定をしていた。彼女が最近なつと仲良くしているのが気に入らないのだ、僕もこの間余りうるさいと別れるぞと言ってやったのだ。昨日先輩からメールが来ていて、福岡に出てこいよと話す。僕は先輩に返事が出来ないでいた、今はお金を貯めることに精を出したいからだ。
仏様の後ろに隠してある預金通帳には今現在、200万のお金がある。
このお金は僕が中学の頃から貯めてきたお金だ、僕には目標がある。英国に留学することだ、音楽の勉強が出来なくて良い、1年間位放浪したいと思っている。来年の春頃までに300万貯めて渡英する予定だ。ヨーロッパの各地のシェアハウスで生活を送りながら音楽生活をする予定である。
その相棒になつになって欲しいと思っている。
如何して僕がなつにそんなに入れ込んでいるかと言うと先日、友達とカラオケに行った時になつの歌声に鳥肌がたった。今まで聴いてきた歌声の中でも抜群にうまかった。音楽センスもある感じだ、宇多田ヒカルと椎名林檎にaikoの良い所を足した感じである。ヒカルの歌声、林檎の演出、aikoのかわいらしさである。
午後からのカラオケでなつにそのこと、英国に行かないかと誘おうと思っている。しかし彼女からの通知がさっきから凄いな、最近手を抜きすぎたかなと思っている。そう言えば彼女も如何しても英国についてくると言うので、お金はあるのか?お前の面倒は見切れんぞと話している。彼女は私の仕事は世界の何処でも出来るからと話す。彼女は5歳年上で通販サイトの経営をしている、彼女が仕入れた服をサイトで販売しているのだ。雑誌とも連携してやり手のキャリアである。
彼女がうるさいので、なつを紹介することにした。これが3人が初めて出会った瞬間だった。残暑が厳しく、蒸し暑くて午後から雷雨になると、TVの天気予報で言っていた。9月に入り、上空には冷たい空気が入り込んでいるのだ。秋が駆け足で近づいていた。