ある書店員さんに贈りたい一枚の写真
県立図書館と小郡図書館の本を司書の人に渡すと今回も期限内に映画を2本とれて返却に間に合って誇らしかった。今思うと誇らしいというのは誇張しているなと思う。
小郡図書館の本の検索コーナーのパソコンがうまく動作しないので係の人に尋ねると再起動してくれるらしい。僕は椅子に行儀よく座って画面の動きをじっと見つめながらベーブ・ルースの伝記ってあるのかな?と考えていると小学生の男の子が左向こうのパソコンに座って検索を始めた。僕はさっき利用して検索できないことを知っていたので何も言わないで黙っているのはひどいなと感じていた。僕が無言でいると男の子はあきらめて向こうに離れた。僕はベーブ・ルースの検索をしていて24件ヒットしていた。若い女性が同じパソコンに座って検索できないのを確認するとパソコンを再起動させた。僕は一冊の本を見つけて検索情報をプリントアウトした。男の子に気がつくと今度は検索ができるようで安心した。それでもさっきは無視して申し訳ないと思ったので画面を覗くとちゃんと動作していた。
僕は雑誌コーナーでキネマ旬報の5月号を探していた。濱口竜介の映画講義を再読したかったからだ。明屋書店で立ち読みした時はしっかり読めずにどんな事が書かれているんだろう?と斜め読みしかできなかった。僕は立ち読みでまともに感想を書けたことがない。
図書館のソファーには誰も座っていない。僕の特等席だ。ゆっくり呼吸をしながら1行ずつ丁寧に読みふけった。僕は5月号も買えばよかったなと思うくらいおもしろかった。MEMOにまとめようとテーブルに移動して自分の頭の中を講義を読みながら確認しているとさっきの小学生が左斜め後ろでダンスを踊り出した。でも僕は男の子の行動が全く気にならなかった。濱口竜介のタバコの話を聞いて僕も学生時代タバコをニコチン中毒になるくらい吸ったなと思った。監督の言うタバコの話しがあまりに綺麗だったので僕がMEMOを書き終わるのをまっていたように目の前を歩く親子がとてもスマートで綺麗に映った。気づくと男の子はいなくなっていた。
僕はさっき検索した情報を握ってM6の棚を探した。スポーツの棚でイチローや松井、ノムさん、星野監督などそうそうたるメンバーの書籍が紹介されていた。僕はまだ下だなって思って書籍番号を目に入れながら順番に本を追っていくと意外と薄い伝記が目の前に現れた。最初の印象は面白そうだなと思ってページを開いた。目に飛び込んできたのはベーブは子供好き、日本に来日、ヤンキースに移籍、食事の取りすぎと遊びすぎという情報。僕は100年前のスポーツ選手に今も夢見る理由が知りたくて映画を撮ろうと決めていた。
小郡図書館の駐車スペースは表に8台、裏に4台分しかないので僕は人の空く昼休みを狙って訪れる。来た時には表の駐車場には3台の空きがあったけど帰りには表も裏もいっぱいになっていた。時計を見ると14:00になろうとしていた。僕は自動貸出機でベーブ・ルースを借りるとトイレにいき手を洗って図書館を後にした。
自動車で大通りに出ようとすると早歩きで歩道を進む女性が見えたさっき図書館にいた女性だった。僕はnoteに投稿しだしてクリエイターという肩書きをいただいた。とても嬉しいし励みになる。歩道を真剣に歩く女性が以前の自分のように見えた。今少し心が落ち着いている本人がいた。目の前の交差点を強めの姿勢で歩く女性の姿があった。
嘉川に30年振りにできたドラッグストアをすぎてコンビニが右手に見えた時に前の車が歩行者を先に行かせた。4~5人の小学生がコンビニに向かってかけて行った。僕の頭の中にはベーブ・ルースの子供好きの話しと僕の横でダンスを踊った男の子がループしていた。
今、僕の日常を書いていて頭を休めようとエムオンのカラオケTOP20を聴いていて図書館の話を書こうと思った。幻聴があいみょんのパクリよとつぶやいた。僕は中学生の時に頭上にあった希望を感じながらあの頃の自分に生きてよと話しかけた。ベーブ世界もとりたいなと思った。