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103.愛と正義[プロローグ]

母の記憶は本当に生まれる前のものなのか自分でも定かではない。

ただ映像が目の前に映し出されていて、映画を見る様にそれを視聴しているのである。

人が夜寝ている時に、夢を観ているのと同じ感覚である。

母が映像として見ているのが、弘世の母と弘世の姿である。

弘世は幕府の要人と話をつける為に早朝、館の入り口で母と話をしている。

「京を守護するお役目、本当に断るの」と弘世の母はいう。

弘世は「わしは山口の人間、京都で歌舞いているだけ、何処がわしに必要な居場所が心得ている」

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