日本酒ラボ in OSAKA 「辛口を究める」開催レポ
6/29(土)午後、日本酒ラボ in OSAKAを開催しました。11名様にご参加いただき、お酒とお料理盛りだくさんな会になりました。
会場準備
久しぶりの10名超えでした。開始1時間前から会場をオープンし、参加者さんと一緒にお酒やおつまみのセッティングをしました。みなさまのご協力にとても助けられました。ありがとうございました。
テーブルには各自持ち寄った日本酒とおつまみが隙間なく並びました。集まった日本酒は16銘柄。開始まで時間があったので、急遽日本酒リストを作りました。
リストには銘柄、精米歩合、原料米、造りなどのスペックを記入しました。リストにまとめると、最近のトレンドや参加者さんの嗜好が如実に現れます。とても面白いです。
辛口を究める
今回のテーマは『辛口を究める』でした。
辛口のお酒はどんな香り・味がするのか?
どんなお酒を辛口というのか?
辛口のお酒はどうやって造られるのか?
どんな料理が辛口のお酒に合うのか?
辛いお酒は一言でいうと「甘くないお酒」です。
お酒が辛いかどうかは『糖の含有量』で決まります。どれだけ糖が残っているかで「甘口・辛口」を判断するのです。
それでは、糖の量はどうやって調整するのでしょうか?
お酒を辛口にするポイント
ポイントは「糖化」と「発酵」です。
糖化は、麹菌がデンプンを分解して糖にすること。発酵は、酵母が糖を分解してアルコールと炭酸ガスを生成すること。この糖化と発酵の進み具合によって、糖の量は調整されるのです。
日本酒度
日本酒の甘口・辛口を示す指標として「日本酒度」がありますね。これは日本酒と水の比重を表します。
マイナス(ー)はお酒が水より重い状態です。その理由は、お酒に含まれる糖が多いから。したがって、マイナスにいくほどお酒は甘口になります。
反対にプラス(+)はお酒が水より軽い状態です。お酒に含まれる糖が少ないので、プラスにいくほど辛口になります。
テイスティングでは、日本酒度+15、+20の超辛口のお酒をお出ししました。
参加者さんはほとんど甘味を感じず、酸味や苦みを感じるとおっしゃっていました。いつも飲んでいるお酒と随分異なるので、みなさん驚いた表情をされていました。
私の感覚ですが、普段日本酒度+15以上のお酒はあまり見かけません。店頭に並ぶものは高くても+5,6までのような気がします。
甘い香りがするのに甘くないお酒
今回みなさんに飲んでいただいた辛口酒は
『上喜元 超辛純米吟醸 完全発酵』
日本酒度は+15。完全発酵と記載されている通り、糖がほぼなくなるまで発酵させたお酒です。グラスに注ぐと花や青りんごのような吟醸香が立ち上がり鼻から甘味を感じます。が、口に含むと甘くない。口あたりが滑らかで喉越しがよいスッキリタイプのお酒です。
晩酌でゆっくり飲んでいくと、ほのかな甘味と旨味をジワジワ感じます。お料理の味を引き立たせるので、季節を選ばず様々な料理と合わせやすいと思います。ぜひお試しください。
創作ペアリング
後半は、持ち寄ったお酒とおつまみで創作ペアリング、という名の宴会です!バラエティ豊かなおつまみが勢ぞろい!
旬の果物『桃』を使ったサラダは、にごり酒のトニック割りにピッタリ。桃の香りと甘味、にごり酒のクリーミーな味わいに心がウキウキします。
551の焼売と豚まんは、風味豊かで酸味と旨味を感じる生酛・山廃と相性が良いです。もちろん、辛口酒にもOK。
私が今回ご用意したおつまみは「台湾からすみ」です。ねっちりした食感と濃厚な旨味は、果実や花などの甘い香りがする吟醸酒に意外と良く合います。私はからすみを食べたあと、口あたりが滑らかな「越乃景虎本醸造超辛口」を口に含みました。口に残るからすみの旨味と風味をお酒がきれいに洗い流すので、またからすみに手が伸びてしまいます。からすみとお酒の無限ループの誕生です。危険(笑)
日本酒に惚れた大人たちが集まる「日本酒ラボ」
お酒とおつまみを囲みながら和気あいあいと過ごした2時間半でした。参加者さんのイキイキとした表情にエネルギーをいただき、とても充実した会になりました。日本酒に惚れた大人たちがお猪口を握りしめ、語り合いながら日本酒を探求する日本酒ラボ。これからも日本、海外で開催してまいります。ぜひ、お気軽にご参加ください。
最後に、ともに日本酒ラボを作ってくださった参加者さん、会場のオーナー・スタッフさん、フォトグラファー廣瀬義啓氏、酒屋さん、酒蔵さん、いつも応援しださるお友達のみなさん、レシピを教えてくれた姉、味見をしてくれた母、そして、国内外で日本酒活動をする私を黙って見守ってくれている闘病中の父に深く感謝申しあげます。
いつも応援ありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いいたします!