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涙と笑い

タンゴの練習の見学に行ったのが2022年の初夏。そこから2年近くが経過しようとしている。その後、譜面が次々に送られてきて、練習にも参加、2023年1月にはなんともう初ステージ。その後も夏と秋に舞台に出て、今年ももう1回目の発表会を終えた。

ドンドコ送られてきた楽譜のなかで、ステージですでに弾いた曲や、だいたい弾けるといってもよかろうと思える曲の数を数えてみたら、なんともう17曲もあった。いくら1曲が3分程度と短いとはいえ、ひとりでちまちまとやっていたらこうはいかない。

バンドでピアノを弾くというのも初めてで、馴染みがなくはなかったが実践したことはなかったタンゴというジャンルに取り組んでみて、期待していた以上に学びや発見が多い。記録のためにも書いておきたいと思いながら時間が経ってしまったが、今からでも振り返って少しずつ書いてみようと思う。

見学に行ったつもりの練習で、ちょっと合わせてみたらといわれて、初見でいきなりやってみたのが『涙と笑い』という曲。親しみやすいメロディがワルツのリズムにのっていて、タイトルのとおり、マイナーの哀しげな部分と、メジャーの愉しげな部分とか交互に登場する。哀しげな部分は、サブタイトルに「感傷的なワルツ」とあるようにセンチメンタルな感じ、そして愉しげな部分には「ワッハッハ」という笑い声のようなメロディもあってたのしい。フレーズの終わりごとに装飾的な音型があって、これを軽やかに弾いて次のフレーズにつなげたい…

バンドのみなさんにとっては慣れ親しんだ曲、テンポも一定だし、無事にちゃんと合わせられた。これなら、ちょっと細かい音の部分を練習してきれいに弾けるようにすれば、いま持っている自分の技術だけで充分にイケる、問題ないと思ったのであった。

実はこの曲、ロドルフォ・ビアジというピアニストが終盤にメロディを三連符で速弾きした名人芸で有名ということを後から知った。自分に与えられた楽譜には、幸い超絶技巧を求められる箇所はなかったのだが。『涙と笑い』は、今のところ練習でしか弾いたことがないが、いつかステージで弾くとなれば挑戦してみてもいいかも?練習してもしてもなかなか弾けなくて、涙を流すことになるか…


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