Tabistoryだより 2020年12月20日
昨夜からTabistory.jpで「ハノイのきもち」という新たな連載が始まった。
先月、出発点にて、絵本『アリペン』の出版記念イベントをしてくださった物語の作者・藤田あおさんの若き日のベトナム旅行の顛末記である。
友達付き合いが苦手で少し堅物な文学少女の片鱗を見せながらも、特技はラップですという、ホンモノのラッパーを敵に回しそうなウィットをマイペースに放つ彼女。だがその根っこには誰からも愛される人柄のよさが表れている。
そんな彼女がTabistory.jpに興味を示してくれた。そして在廊中にふと、ベトナム旅行のときの話を聞かせてくれたのだった。
「これは面白そうだ」
わたしがそう感じた瞬間に、たぶん、端折っても話したくてしょうがない衝動が彼女を襲った。そしてわたしは彼女を制した。
「そんな面白い話、ここでの雑談で終わらせられるか!」
という思いでスタートすることになった連載である。
数日後、届いた原稿に書かれていた、
「――わたしはアジアに強い大腸菌をもう手に入れてるけど……」
「――あだ名はゴルバチョフ。ゴルって呼んで」
というくだりを読み、わたしの嗅覚は正しかったと、ひとしきりしたり顔をしたのである。
およそ20年前の彼女の体験が、今の彼女にどのように影響を及ぼしてきたのか。そして、絵本作家の肥やしとなっているのか。続きが楽しみである。
「Level.1」|ハノイのきもち|藤田あお
自分をさまよい、世界を彷徨う、コアジャーニーマガジン「Tabistory.jp」