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アガサ・クリスティー関連図書4

アガサ・クリスティー生誕100年記念ブック

1990年に、クリスティーの生誕100年を記念して出された本。
オールカラーで100ページ、写真も豊富に載っています。

アガサのプライベートな面での出来事や作品を通してのクリスティー、孫のマシューの「祖母ニーマの思い出」など、様々な視点からクリスティーが語られている。


少女時代のアガサ。少し大人びた表情で内気ではあったけれど、内面の想像世界はとてもとても広くて深かった。


第二次世界大戦中、薬剤師として働いていた頃。50歳前後の頃です。これより遡って第一次世界大戦時に、看護師そして薬局に配属され、ロンドンの薬剤師試験に見事合格。この薬剤の知識が数々の「毒殺」による殺人事件の作品を生み出した。


一人娘のロザリンドとの写真。
愛してはいても、子供の個性を損なうような盲目的な愛情をかけることはなかったという。


また、すぐに廃刊になった『ザ・ノヴェル』という雑誌に1923年に発表された、比較的知られていない初期短編作「罠にご用心」はこの本で初めて公表されましたが、なぜ今までの短編に入らなかったのかわからないけれど、とても面白い作品です。

印象的なのは、アガサとマックス・マローワン(二度目の夫)がそれぞれの自伝で、お互いの出会いの時を語っており、とても運命的な唯一無二の2人のご縁を感じて泣けました。

アガサは、マックスの発掘にも毎年のように同行し、ただついていくだけではなく、得意の写真撮影で仕事を手伝っていたという。
その様子は、クリスティーの旅行記「さぁ、あなたの暮らしぶりを話して」でたっぷりと語られてます。

日本語版特別ページというものがあって、
石川県加賀市に「アガサ・ハウス」が建設されるという情報が載っているが、事情は知らないけれど建設はされなかったのでしょう。調べてみたけれど、全然出てきませんでした。

イギリスのアガサ・クリスティー協会が初めて正式に認めたプロジェクトとして、アガサの日本での別荘が誕生するというわけだ。

計画倒れか、契約がうまくいかなかったのか…とても残念です。

定価1,500円という割には、とても充実した内容だと思います。


1990年11月初版 早川書房
(メルカリで購入)


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