終活のはなし
終活をしている。
親が夢を諦めそうなこと。
人生に希望が見いだせないこと。
誰かを幸せにできる自分の姿がイメージできないこと。
たくさんの人生の絶望が忘れられないこと。
悲しみがとまらないこと。
許せなかった人のことを考えては、死んだら全部終わると思うこと。
たくさん、たくさん、生きづらさが重なって、どうしたら楽に消えられるのか、ふと考えてしまう。
私の考え方が変わればいいと何度も願っては変われなくて。
自分のために生きてあげることの意味が見いだせなくて。
いま、ここ、この瞬間を全力で生きたいと。
眼の前のことを淡々と積み上げたいと考えても次の瞬間には絶望的な気持ちがやってくる。
前を見る彼の姿を見ていたときには、たくさんやりたいことがあった。
どこに立っていて、どこから歩んでて、私の手には何を持っているのかあのときには見えていた。
感情に重さがあるかはわからないけれど、体重6キロ分、精神薬3ヶ月ぶん、涙何リットルかぶん。
この感情が捨てられないし、持っていることもつらいし、時間は全然解決してくれない。
簡単な感情ではなかったらしい。
気持ちが捨てられないなら身体を捨てるほうが早い気がしている。
あと、何ヶ月、何年、どれぐらい、この中にいるんだろう。
大切な人を幸せにできなかった絶望感、悲しみ、私が関わることが相手を不幸にするという現実。
もうやめたい。
服を捨てて、本を捨てて、大切なものは人に譲って、大切なものは作らないようにして。
たくさん、たくさん、手放していく。
解放されたい。