「路上(オン・ザ・ロード) in モンゴル」
世界一周15日目(7/13)
フィンランド人のニコとニコラ(どっちも同じ様な名前で同じヘアスタイルをしていた)と一緒に国境の町、キャフタに向かっていた。
周りは自然に囲まれ、雲が大きくうねり、どこからが空なのか全くわからない。
運転手は、しきりにエアコンやカーテンの位置を調整している。神経質なヤツなのだろう。
僕は最初遠慮して、写真が撮れなかった。
「あ〜〜〜っっ!!!勝手に触ってんじゃねえようっ!」とか怒られちゃいそうで。(ま、彼はロシア語しか喋れなかったから何言ってるのかさっぱりだったんだけどさ)
僕は過剰に気を遣ってしまう男なのだ。
途中、国境前の小さなレストランで遅めの朝食を食べた。
ここで初めてモンゴルを感じさせる料理を食べた。
ボーズ(って聞こえるんだもん)35rub(115yen)という名前だ。
肉まんみたいなヤツなんだけど、肉汁がつまって、かぶりつくと中から肉汁が「じゅわぁ〜〜〜っ...」とこぼれてくる。
ニコとニコラと僕はキリル文字が全く読めなかったので三人ともボーズを頼んだのだが、完食したのは僕だけだった。ニコに至っては半分かじって「おいしくない。もういらない」と言う。
運転手もチャーハンみたいなものと、スープとデザートのパンケーキを頼んでいたのだが「ニエット。フクスナ」とかそんな感じのことを言ってほとんど残していた。グルメなんだか贅沢なんだか。
僕は思わず"Do you know "MOTTAINAI"?って訊いちゃったくらいだ。
もちろん三人が日本語を知ってるわけがなかった。
2時間以上経った頃。
ようやく辿りモンゴルの国境に到着した。
ドライバーは色々書類を書かなくちゃいけないみたいだったが、僕が書いたのはモンゴルの入国カードくらいだった。それと、似た様なの2枚書いたかな?
一人一人チェックするのでモンゴルに入国するのに時間がかかった。
そして、再びドライブが始まった。
僕たちが向かうのは首都ウランバートルだ。
車窓からはロシアとはまた違った景気が見えた。
こんな景色をそれまでの人生で見たことがなかった。
どこまで続いているのかわからない草原。
古びた家々。
牛や羊、馬の群れ...
(ごめん、撮り忘れた…)
大学生の時に読んだジャック・ケルアックの「On the Road」を思い出さずにはいられなかった。
このボコボコした道路も、かすかに香る獣の臭いも、車内をジリジリ焦がす日差し。
なぜかモンゴルにいながらアメリカの青春小説を思い出した。
5〜6時間のドライブの末、僕はようやくウランバトールのセントラルに到着した。
駅前には多くのセダンが停まり、みなが忙しそうに荷物を持ってせかせかと歩き回っている。
ここまで一緒にやって来たフィンランド人二人は早々にタクシーを捕まえてどこかへ消えて行った。
僕は慣れない土地で重たいバックパックを背負い、頼りにならないGoogleマップを片手に途中何度も人に尋ねて予約していたホステルを探した。
やっとの思いでホステルがあるらしい建物へとたどり着いたのだが、扉が開かない。
ロシアでもそうだったが、暗証番号を入力しないと中に入れないのだ。
僕は偶然出てきた旅行者と入れ替わりに中へ入り、目当てのホステルとは違うホステルに入った。
幸い、ベッドは空いていて香港出身のウィッキーとジャッキーにスイカをごちそうになった。それが僕の夕食だった。
今、僕は旅をしている。
スイカかぁ...