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「インドの奇岩が集まる場所。ハンピ」

世界一周201日目(1/15)

朝7時にホスペットに僕は到着した。
目指すは世界遺産に登録されているハンピ!

迷わず駅の前から出ているハンピ行きのバスに乗り込んだ。フットワークが軽いぜ!っていうか何も考えていないだけだけど(笑)。

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バスは20分そこらでハンピに到着した。

砂っぽいバスターミナルには欧米人やインド人、多くの観光客たちでにぎわっている。一応近くの宿に値段を訊いてみると1000ルピー以上した。ははは。マジウけるね。そのお値段。マップアプリを見るに川を渡った向こう側にいくつか宿があるみたいだけど、ここは滞在する様な場所ではないように思えた。

ハンピってのは奇岩がそこいらじゅうにゴロゴロ転がってる観光地みたいなんだけど、そんな場所に数日滞在して何が面白いんだろう?「ハンピの奇岩制覇!」とか言うのかな?「おれはハンピの奇岩全部見たよ」みたいに?

ここはサクサク一日でまわって次の場所へと進むことにした。

バックパック持って歩きたくはないのでアホ高な宿と交渉して荷物を50ルピー(84yen)で預かってもらった。

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そして僕はハンピの探索へと向かう。

朝からじわじわと暑い。サブバッグだけを背負っていても歩いていると背中にじっとりと汗をかく。そんな中を遺跡に向かってずんずんと進んでいく。あたり一面に自然の造形物とは信じられない様な形の岩が転がっている。

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すげえな。ここは見応えがあるよ。

遺跡内で朝ご飯を食べていたインド人たちにいつものように写真を撮ってくれとせがまれる。冗談めかして「10ルピーね!」と請求したらかなり渋っていたのが可愛かった。たしかにめんどくさい時がほとんどだけど、さすがに写真を撮るくらいでお金はとらないよ。

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写真を撮ってあげたインド人が「岩の上の方にある石窟寺院に行くぞ!」と言って僕を連れて行く。

今日初めて会ったばかりのインド人(男)が「足場が悪いから」と言って僕の手を握る。朝から複雑な心境だ。

インドでは中の良い男性通しが手をつないでいることはこれといって珍しくない光景なのだけど…

実際にインド人に手を握られるとー…
なんかー…、うん、嬉しくはないよね。可愛い女のコの手を握りたかった…。

「歩きずらいから!」と言って手を振りほどき、自分のペースで上へ上へと登っていく。はぁ、はぁ、朝からいい運動させやがって。

頂上から辺りを見渡すとほんとうに一面岩だらけだった。ここだけまるで他の惑星みたいだ。ここから見える全ての奇岩たち会いにいくには時間がかかるだろうな。


プリーで会った日本人の旅行者方が「『ハンピはよかった』って聞きますよ」と教えてくれたけど、わざわざここまで足を運ぶ価値はあるよ。

なんでここいら一帯に変な形の岩が集まっているんだろうか?インド人たちが何百年もかけて岩を運んだり、形を整えたりしたのだろうか?もちろんそんなことはないと思うのだが、そう思わずにはいられないほど面白い形の岩でハンピは溢れていた。

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せっかくなので川の向こう側にも渡ってみることにした。

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ハンピの川は水遊びをしたり体を洗ったりするインド人たちでにぎわっている。世界遺産と言えどもそういうところがインドだよなぁ。乗り場がどこかわからない船着き場。10ルピーの渡し賃。地元の人も足として使うちっぽけなモーターボートが5分で僕を向こう岸まで運ぶ。

向こう岸にいくつか欧米人向けの小綺麗なゲストハウスをいくつか見かけた。宿泊客向けの食堂があったり、Wi-Fiも飛んでいる。あぁ、ハンピに滞在する旅行者はここに泊まるんだな。でも僕はいいや。

ひとつのゲストハウスの前に映画上映会の看板が立っていた

「Today's Show "Lock Stock& Two Smoking Barrels」

それ!僕の大好きな映画じゃないか!
イギリスの映画でマドンナの元旦那のガイ・リッチー監督の作品。音楽もめちゃくちゃセンスがよくてなにより構成が秀逸!み、見たかったぁ~。

まぁ、そんな欧米人パッカーたち向けの宿があるんですね。川の向こう側には。

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それにのんびりとした田園風景も見ることができる。

100%観光地にしてしまうのではなく、ハンピにもともとからあった部分も残しているのはいいことだ。


僕が楽器屋でギターの弦を見ていると「耳掃除屋」のおっちゃんが声をかけてきた。

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肩から耳掃除をする道具の入ったポーチをぶら下げ、僕に「耳掃除はどうか?」と訊いてくる。耳掃除かぁ。

英語や日本語のレビューが書かれた写真入りのノートを僕に見せてくれたが、どうやらものっすごい量の耳クソを取り出してくれるらしい。気になるお値段はー…250ルピー(422yen)!!!高っ!それ宿代に近いぞ!

「え~!そりゃ高過ぎでしょ。いくらなんでも。せいぜい50ルピーじゃない?」
「いやいや!見てくれこのレビューを!」
「う~ん…」

耳掃除なんてやろうと思えば持って来た綿棒でできるんだけど、この耳掃除屋がどれほどのものかちょっと気になる。

僕が渋っていると耳掃除屋のおっちゃんは「仕方ない。50ルピーで掃除してやる」と折れた。

耳の穴の中が見れるくらいの自然光が届く場所で
ミニバイクの足を置く部分に座らされる。

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「うっ!これはひどい!
何年も掃除していないレベルだ!」

えっ?そんなにひどいの僕の耳の穴!まぁまぁ。だいたい大げさに言うんだよ。彼らは。編みかき棒のような金属の棒を「クリクリ」っとまわして掃除をする。そんなんで耳クソとれんのかよ?

「ほれ!」

出てきた耳クソを僕に見せる。そして出て来た耳クソを親指の付け根につける。

「う、うそだっっっ…!!!」

日本では決して見ることのないであろう、「ハリー・ポッター」に出てくるようなトロールのハナクソ並のねばねばした物体が僕の耳の中から摘出された。

「埃や髪を洗った時に汚れが蓄積されていくのだよ…うっ!これはひどい!石が中に詰まっている!」

い、石!!!?とってとって!

「それには薬品を使うんだ。250ルピー。」
「なんだよ!50ルピーの約束だろ!」

ピンセットを耳の穴に入れられ摘出されたトロールのハナクソの中にBB弾よりさらに小さな黒い固まりがあった。

ひえぇ、怖すぎる!こんなのが耳の穴に入っていただなんて!その衝撃的な光景に僕は値下げをしたのにもかかわらず50ルピーを追加で払ってしまった。


だが、耳を掃除してもらった後、信じられないくらいの衝撃的な光景に僕はおっちゃんがトリックかなにかを使っているのではないかと疑った。

自分が隠し持っているハナクソ的な物を金属棒にくっつけて「ほれ!」と見せているのではと。

おっちゃんがインド人の耳掃除をしているのを発見してその真偽を確かめるべく、おっちゃんの仕事ぶりを見学した。

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中には耳の穴の綺麗なインド人もいたが、僕の見学した3人中2人の耳の穴からは僕のより酷くないまでも、トロールのハナクソが出てきていた。もちろんトリックなど一切なし!いろいろな意味でヤバいぞ!インドの耳掃除屋!(ちなみにインド人は20ルピーという激安価格だ)

衝撃的耳掃除を体験し、僕はハンピを後にした。



バスで再びホスペットまで戻り、 バスターミナルの近くにあった100ルピー(169yen)のドミトリーにチェックインした。

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明日の朝イチの列車のジェネラルチケットでゴアのヴァスコ・ダ・ガマ駅まで行ってみようじゃないか。

早く寝過ぎた僕は夜中に目を覚ました。

iPhoneの電波の影響を気にしてポケットに入れずに体の脇に置いておいたんだけど、それが見当たらないのだ。

焦った!!!寝ている間に盗られた!!?

インド人が周りで寝ている中、とりあえずかけ布をひっぺがし、枕元を探し、サブバッグをどかして、なんならベッドの下も見たがiPhoneの姿は見当たらない。や、ヤバいぞ…。

遅くまでテレビを見ている宿のスタッフに「iPhone知らないか?」と尋ねると、彼はおもむろに引き出しから僕のiPhoneを取り出して僕に渡した。

お礼の言いにくい複雑な心境。

体の横(壁際)に置いていた僕のiPhone。ベッドから落ちるような場所にはなかった。寝返りを打った時にとられたのか?

バッテリーは60%以上あったのが5%にまで減っていた。きっと中のデータを見ていたんだろう。人のプライバシー侵害するの大好きだからなインド人は。

だけど、ここで一度考え直す。
本気で盗もうと思えば、僕が尋ねても知らん顔をすればiPhoneを盗めたはずだ。だけど、僕が尋ねたらあっさりと返してくれた。まぁ夜中の1時過ぎに「iPhoneがない!」って騒ぐヤツがいたら迷惑な話なんだけどさ。

最後の最後でそんな怖い体験をした。

iPhoneが戻って来てくれてなによりだ。あと3時間ちょっとしか寝れない。

高ぶった神経は僕をすぐには寝かしつけてくれなかった。

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旅する漫画家Shimi43
現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。