世界一周雑貨屋さんごっこ
世界一周43日目(8/10)
大好きな雑貨屋さんに「CHARKHA(チャルカ)」というお店がある。
主に東欧の雑貨を買い付けている手作り感のある素敵なお店だ。
僕はこのお店の存在をVillage Vanguardの本で知ったんだけど、英会話の学校でたまたま知り合った2人はアパートの最上階を借りて雑貨屋さんごっこを始めたとその本には書かれていた。
片方の人は同時通訳を目指していたにも関わらず、「チャルカ」という雑貨屋さんを自分の生きる道を選んだ。
なんだか映画のような話に僕には思えた。
本には雑貨と旅の写真がふんだんに盛り込まれ、僕は買い付けの舞台であるチェコに想いを膨らませ、雑貨を買うことや自分のお店をもつ空想に耽った。
僕は二人が羨ましかった。『自分の好きな事を仕事にできるなんていいな』そう思っていた。
この本を読んだ当時、大学生だった僕は仲のいい友達とチャルカの二人以外にも自分の好きなことをやって生きる人たちの本を見つけては「何かやろう!」そう言っていた。
だが、僕らの「何かやろう!」はその場限りのもので、具体性を持たなければ、何かしらのアクションが伴うこともなかった。
僕たちには熱量があった。ただ何をすればいいのかはわからなかった。
お互いの家で酒を飲んでは毎回同じようなテーマを語って前に進んでいる気になっていただけだった。
『「何か」しなければ』
そして僕が選んだのは「漫画」であり、
「旅」であり、
「雑貨」だったのだ。
この旅が始まってから行く先々で雑貨を買ってきた。バックパックにギリギリまで詰め込み、雑貨と移動を共にした。中国の「硬座」でも雑貨と一緒だったのだ。そろそろ、この集めた雑貨を日本に送ってもいいだろう。
僕はこの日中国の郵便局へ向かった。
雑貨の重量は2.5キロもあった。
前日にヤムチャさんの家でバックパックの重さを量ったら27キロもあった。
これにサブバッグも前に掛けて旅をしている自分に驚いた。
『どんだけ荷物あんだよッ!』ってw。
(どっかの旅人はお土産とメインの荷物も含めて50キロの重さで旅してたけど.)..
旅に出てから1ヶ月ちょっと。旅は始まったばかりだ。
『これを買う人にこんなことを思って買って欲しいな...』そう考えながら日本へのお土産を買うのが楽しい。自分へのお土産ならお金をケチってちっとも買わなかっただろう。
だけど自分がこうして「何かをやる!」と決めたことにより、旅先で出会う雑貨を単なるお土産として見るのではなく、「誰かに届けるもの」として見ることができる。
これがどんなことに繋がってるかはわからない。だけど、この雑貨を買うという行為が、かつての自分が繰り返し言っていた「何か」であることは間違いない。
ロシア、モンゴル、中国で仕入れた雑貨を無事郵便局に預けると
僕はサイゼリヤでドリンクバーだけ注文して漫画を描いた。
これもあの時の「何か」だ。
▷中国で買ったオカリナ