「もしもし、奈良さんの展覧会はできませんか?」内覧会
2022.9/16(金)
9/17から始まる「もしもし、奈良さんの展覧会はできませんか?」内覧会に行ってきました。
日が早く落ちるようになってきたと感じるこの頃、れんが倉庫前の吉野町緑地は明日からこの公園で行われるイベントの準備で少しカラフルになっている感じ。今はれんが倉庫の中で最初にゲストを迎えるワンコが外のこの公園にいたときの、なんともゆるいほわっとした空間を思い出させます。
いつもの入口から入ろうとしたらガラス戸の向こうにはオープニングイベントの司会と思しき方が見え、そして入れない!え〜どこから入るのぉ?と???のまま先に進んで建物伝いに回り込むと受付のテントが。
そっか、いつもより人も多いし、何より奈良さんのワンコの前でセレモニーが出来るようにセッティングしたのかなと勝手に納得。さっきは「入れないのかい!」と突っ込んでたくせに笑。
椅子席にまだ若干空きがあり、誘導の方が「前とか空いてますよ」と教えてくれたので、目の悪い私は遠慮なく1列目の端っこに座らせてもらいました。
そしてほどなくセレモニー開始。
奈良さんと高校の同級生の市長さん、れんが倉庫の館長さん、写真家の永野雅子さん、細川葉子さんに続いて奈良さんが挨拶。
奈良さんも、このれんが倉庫で開催した展覧会の取り組みがどんなに面白かったかをお話してましたし、この場にいた多くの方が、
2002「I DON'T MIND, IF YOU FORGET ME.」
05「From the Depth of My Drawer」
06「YOSHITOMO NARA+graf Ato Z」
を思い出しながら、それぞれの想いの中で奈良さんのコメントを聞いていたのではないかなぁ。
最初の展示室では3つの展覧会の軌跡が描かれているのだけれど、そこに足を止め、留まって隅々までゆっくり見ている人が多かったです。
奈良さんが言っていた「美術とは関係ない、土地に根ざしたコミュニティが美術によってつながっていくという、ひとつの理想的な関係」がほんとにあったと感じます。
3つの展覧会ごとに、当時関わった人々話やポスター、アイデアスケッチ、販売されたグッズなどを展示。今でも着ているボランティアスタッフTシャツ(私のはだいぶボロボロですけど)が展示されてるのを見てテンション上がりました。
弘前の街全体とコラボした感じ、当時はありましたよね。
そしていよいよ展示室2、3。
そこには昔の展覧会を彷彿とさせる大空間が!
そして1階から吹き抜けの大空間を味わえる2階は奈良さんの若き弘前時代を感じさせる展示。
そして2階からの見下ろしの大空間。
「もしもし、奈良さんの展覧会はできませんか?」と、(当時の)吉井酒造煉瓦倉庫で展覧会をしようと考えてくださった吉井千代子さんには感謝しかありませんね。
というわけで、当時のスライドや写真など、一回の内覧会では見切れなかったです。また行こうと思います。
今回の展覧会で、れんが倉庫美術館がさらに地元の方に愛されるものになっていくのでしょうね。展示室で写真家の永野さんとお話したとき、彼女は埼玉出身だそうで、「こんなに素敵な美術館がある弘前が羨ましい」とおっしゃってました。ほんと、凄い財産ですよね。
明治期、福島藤助さんが作った福島酒造の建物が、「自分の財産ではなく、弘前の財産となっていってほしい」という藤助さんの思いそのままにこうして継承され、時代時代の弘前の街の人々の寄るところになっていく。
なんとも贅沢で素敵な空間と展覧会です。
『もしもし、奈良さんの展覧会はできませんか?』
奈良美智展弘前 2002-2006 ドキュメント展
会期は2023年3月21日まで。
https://www.hirosaki-moca.jp/exhibitions/narahiro-document/
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