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動物たちとともに、ここだからできる農業を。【はじめ農園vol.2】

毎日の食卓に南信州から旅するようなワクワクを届ける定期便、「旅する野菜BOX」。こちらのトップバッターで野菜を届けてくれる飯田市のはじめ農園さんをご紹介しています。

前回は、3月下旬にはじめ農園を訪れた際の様子をお届けしました。

今回は、はじめさんこと一英明さんが飯田市で有機農業を始めた経緯と、農業を始めてみて思うことをご紹介します。はじめさんと、農園を訪れた花咲爺さんズの塩谷の対談形式でお楽しみください!


「山暮らし」に憧れ、サラリーマンから農家に転身

今回の訪問では、はじめさんへのお土産として、天王洲のT.Y.HARBORのスモークナッツ「kenka」をお渡ししました。すると、どうやらはじめさんは天王洲にご縁があったようです…

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スモークナッツを手にするはじめさん

はじめさん:
仕事で天王洲にもちょっといたんですよ。あの辺にまだ何もなかった頃。

塩谷:
天王洲にいらしたことがあったんですね!そういえば、農業を始める前は何をされていたんですか?

はじめさん:
外資系のコンピュータ企業でサラリーマンをやっていたんです。

塩谷:
全然違うところから農業の世界に入られたんですね。農業をはじめるきっかけは、どういうものだったんですか?

はじめさん:
なんだろう…農業への憧れはなかったんですけど、山暮らしがやってみたいなと思っていて。影響を受けたのはドラマ『北の国から』と、作家の椎名誠と、カヌーイストの野田知佑。

塩谷:
山暮らしへの憧れというのは、ご自身に原体験的なものがあったんですか?

はじめさん:
原体験はないですけど、野宿とかが好きだったんです。カヌーを持って電車で川の上流の方へ行って、カヌーで川を下って、河原で寝て。そして下った先でまた電車に乗って帰るんです。四万十川や北上川でやりましたね。

塩谷:
すごい、まさに本物のアウトドアですね!
そんな中で、飯田にたどり着いたのはどうしてだったんですか?

はじめさん:
山暮らしがしたいなと思っていた頃、まずは神奈川の有機農家に週一回通って、研修みたいなことをしてました。で、どこかで自分の畑を持てる場所を探そうと思って九州とか色々行ってたんですけど。たまたま飯田の農家でワーキングホリデーを受け入れてたんで参加しました。3泊ぐらいかな、ただ働きでご飯食べさせてもらって。で、そのまま流れで飯田で就農できる場所を探してもらって、という感じです。

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畑の説明をするはじめさん

有機農業の魅力は「自由さ」

塩谷:
今は有機農業というスタイルでやられていると思いますが、もともと有機農業がやりたいと考えていらっしゃったんですか?

はじめさん:
有機農業やってる人って、やりたい放題で勝手な人が多いんですよ。その代わり貧乏やけど、なんか面白そうだなと思ったんです。神奈川で研修してた時も、集まってくるのはそんな人ばっかりでした(笑)。

塩谷:
そうなんですか…!

はじめさん:
会社をやめて農業をやるんだから、もっと勝手にできるほうがいいなと思って。

サラリーマンしてた頃は外資系の会社にいたんで、結構思うようにならないことがあったんですよね。本社の方針が変わると、今までのやり方が全部変わってしまうというのがあった。

農業を始めようと思ったときには農協が支援してくれる制度の説明を聞きに行ったりもしたんですけど。これだけ資金投資したら毎年これぐらい収入ができて、3年目には黒字になるからそれに沿ってやってほしいっていうようにやり方が決められていたんです。それやったら結局サラリーマン時代と同じじゃないですか。そこからなるべく離れたかった。

塩谷:
人柄というか、スタイル自体から有機農業を選ぶという方もいるんですね。環境や健康にいいものを作りたいから有機でやるという話は聞いたことがあったんですが。実際やっていて、自由になったと思いますか?

はじめさん:
自由かな、好きなことできる時間と場所はあるんで。

冬場って農作業が減るんですよ。だから、例えば今年の冬は雑木林を切り開いてキャンプできるような炊事場を作って。そういうときに、得やなぁって感じがしますよね。

あとは、サラリーマンの頃って、比べるしんどさっていうのが結構あったかもしれない。仕事してると、「あいつより」っていうのが出てくるじゃないですか。有機農業はそれぞれのやり方があるから人と比べる要素があんまりないんで、これが楽なんかもしれない。判断のベースが、「自分や家族が生きていけるかどうか」なんです。だから、時間の使い方から、お金の使い方から何まで、他と比べる必要がないというか。それがすごい楽ですね。もし今みたいに色々育てるんじゃなくて、専業で「〇〇農家」になると、「あっちの農家より」って比べることになるから辛い気がするなぁ。

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手作りのかまど


便利ではないけれど、ここだからできる農業を

塩谷:
実際に、有機でやっててよかったなと思える瞬間ってありますか?

はじめさん:
うーん…。確かに化学肥料とか使ってやれればいいんかな、楽なんかなと思うことはありますけどね。でも、動物と一緒にやってるっていうのに、代えがたいものがあるんですよね。例えば養鶏だけやって鶏糞は産業廃棄物として捨てるっていうのは、なんか納得いかんし。鶏もヤギも飼えて、その糞は肥料になる。なんか、無駄がないところがいいかなと。

あとは、この場所があっての有機農業っていうのがあるのかな。ここの農園は山間部にあって、効率から考えてもそんなにいい場所じゃない。だから、肥料も全部自分で賄えて無駄が出ない。このバランスがいい気がしますね。

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ヤギの親子とはじめさん

野菜が届くのが待ち遠しい!

野宿しながらカヌーで川下りをするという趣味や、サラリーマンから全く違うスタイルの生き方へのチャレンジなど、聞いていてとてもワクワクしました。

そんなはじめさんのお野菜が届きますよ。待ちきれませんね!

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何が届くかはお楽しみに!

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