【トマム/北海道】白い海に浮かんだ話
「あ、やっちゃった...」と思う瞬間が人生には何回かある。考えなしにとった行動について、後悔とまではいかないけれど、自分が愚かだった絶望するのだ。
この時もちょうどそんな気持ち。
トマムの雲海テラスに向かうゴンドラの中。高い所が苦手な私はゴンドラも好きではない。「片道13分の空の旅をお楽しみください!」と言われても「早く到着してくれ!」としか思えないのが私。
進行方向を背中にして座るともろに高さを痛感してしまうから、この日も上にしか目が行かないように進行方向に向かって座っていた。それでも怖い。支柱を通過する度に揺れるあのガタガタが一番怖い。落ちたりしないよね?笑
ちなみに私が一番恐怖だったゴンドラはオーストラリアのキュランダに向かうスカイレール。絶景だったのも覚えているけれど、それ以上に恐怖過ぎた記憶しかない。
13分。山頂駅が見えてきた。
「はぁ、今回も無事にたどり着けた...」と当たり前のことを奇跡的なように感じたその瞬間、私は後ろを振り返った。
どれくらい登ってきたのかな、とか、自分の道のりを振り返りたかったのか、その時何を思ってそんな行動をとったのかは自分でも謎だ。がしかし、その行動を瞬時に私は激しく後悔をする。
眼下には真っ白な雲海の世界。
だれもがきっと一瞬言葉を失うと思う絶景が広がっていた。
そんな景色を私は山頂でもルックポイントでもなく、何気なく振り向いてしまったことで、中途半端な高さからゴンドラのガラス越しという、なんとも残念な初対面をすることになってしまったのだ。自分の浅はかさを呪いたくなる...笑。
そんなトマムの雲海との残念なはじめましてを迎えたわけだけれど、それでもゴンドラの中で声をあげてしまう絶景だったことは間違いない。あまりの美しさに声をあげて、そのあと見なきゃ良かったという自責の念に駆られる、そんな絶景だった。
私が訪れた日、この日の雲海は年間14%しか発生しないという素晴らしいものだった。ガイドブックでは当たり前の様に毎日現れているように見える写真が並ぶ雲海だけれど、実は年間40%しか発生しないらしい。50%を切っているのだから、これは見れたらだいぶラッキーというレベルだし、その中でもこのレベルの雲海というのは神様ありがとうございますレベルだと思う。
「今日の雲海はすごいですよ!今年一です!初めて来た方でこのレベルの雲海を見れる方は相当運がいい方ですよ!」
興奮気味にアナウンスしてくれたトマムのスタッフの方。私も興奮しました。
視界に広がる白い雲はまさに海のようで、風によって動くとまるで波立っているようだった。私は今白い海の上に浮かんでいる。そんな幻想的な不思議な世界が広がっていたトマム山頂。
それでは写真で雲海の旅をお楽しみ下さい!
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