
千曲川を眺めつつ 豪雪地帯を行く 飯山線の旅(長野・新潟)【北陸新幹線フリーパスの旅2-1】
WESTERポイントをつぎ込んだ、
北陸新幹線フリーパスを使った3日間の旅。
「雪を見たい!!」ということで、初日は富山地鉄で、それぞれ終点の、立山と宇奈月温泉に行ってきました。
その様子はコチラ
立山駅
宇奈月温泉駅
2日目は、今回の旅で一番楽しみにしていた日でした。
フリーパスの範囲を越えて、雪深き飯山線(長野・新潟)を堪能してきます。
8:52 飯山(長野)発 普通列車で長野へ

飯山駅(長野)
長野県北部の豪雪地帯を走る飯山線と、北陸新幹線の乗換駅です。
朝イチに、北陸新幹線で富山から1時間かけて、飯山までやってきました。
今回は、飯山駅を起点に、一旦、長野駅まで出て、長野駅から終点の越後川口(新潟)まで、飯山線を乗り通そうと、考えていました。

駅前でも除雪されていない所に踏み入ってみると、まだ雪は積もり始めなのか、そこまで深くはありません。
京都に住まう私にしては、このくらいの雪ですら年に一度も見ないもの。
期待通りの、雪の世界が見られると感じつつ、列車に乗りこみました。

飯山線の旅、開始早々に見た風景がこちら。
本数が少ない飯山線だけに計画を練りに練って来たのですが、自然が計画に合わせてくれたかのように想像以上の風景を用意してくれたのです。
霧と雪とで白く染まった世界に、眩しく朝日がさす…
雪の世界を見たいと旅に出たのですが、この時点で、十分元が取れるくらいでした。
霧の中の幻想的な車窓を、長野に着くまでの1時間弱の間、堪能していました。
10:29 長野発 越後川口(新潟)行き


長野駅の辺りは、既に雪はなくなっていました。
飯山線の旅は、長野駅から終点の越後川口(新潟)まで、3時間以上の長い旅になります。
ちょっとした食料などを買い足して、ホームに戻ると珍しい列車が。
観光列車・おいこっと
週末に飯山線を走るおいこっとですが、通常なら9時台に長野駅を出ている列車。
この日は運行しない日だったため、思わぬ出会いに驚いたのです。
列車は地元の人たちを多く乗せて出発しました。

長野市街を抜けると、そこはすぐに雪原になっていました。
所々で広大なリンゴ畑の脇を抜けて行きます。
中には、まだ真っ赤なリンゴをつけたままの木もあり、ほぼ白黒の世界に、生命に満ちた赤は、一段と目を引くものでした。
もう本格的な冬に入る前の一瞬の輝きを見たような気がしました。

飯山線は、新潟へと流れる千曲川(ちくまがわ)に沿って並走しています。
千曲川というのは、「信濃川」の長野県内での呼び方です。
新潟県内では、信濃川と呼んでいます。
進行方向の右側を見ると、この千曲川の名の通り、幾度となく、大きく川が蛇行している風景を見かけます。
のんびりと列車が走っているのもあり、車内からでも見事な風景を捉えやすい路線だと思います。

飯山駅が近づいてきて、朝通ってきた山の正面の辺りに来ました。
霧も晴れ、千曲川の対岸の町もよく見えます。

飯山駅を出ると、列車は千曲川から少し離れて、しばらくは平原の真ん中を列車は走っていきます。
11:26 戸狩野沢温泉(新潟)着

長野駅を出てから、1時間ほどで、戸狩野沢温泉駅に到着です。
向かい側のホームに、おいこっとのもう1両が停まっていました。
ここで乗って来た列車に連結されていた、おいこっとの車両を切り離しするために、10分ほどの停車となります。

駅のホームには、道祖神がいらっしゃいました。
集落に厄災が入るのを防ぎ、旅の安全を見守る神様として知られています。
長野県内でも、安曇野あたりでも見かけます。
ここから先の旅も安全であるよう、見守っていただけると思い、列車に再度乗り込みます。


戸狩野沢温泉を過ぎると、千曲川が間近に見える区間が多くなり、防雪のシェルターの中を所々通ることになります。
山が迫った区間が多く、小規模な集落が点在している区間になります。
実際、戸狩野沢温泉駅から先の、新潟県側へ抜ける区間は、1日7往復と、非常に本数の少ない区間になります。自ずと駅間も距離が長くなります。
心なしか、先ほどまでよりも速度を落として、列車は千曲川沿いをゆっくりと進んでいきます。
12:15 森宮野原(長野)着

今回の旅で、実際に来てみたかった場所の1つ「森宮野原」
この駅が、飯山線での長野県内最後の駅になります。
この駅の前に碑が建っていますが、日本最高積雪記録を記念したもの。
あの碑のてっぺんまで7.85mあり、先の大戦の終戦の年に、あの高さまで雪が積もったとのことです。
旅人としては、願わくば、もっと雪が積もっていればとも思うのですが、雪が降り始めたばかりの時期なのもあって、驚くほどの雪はありませんでした。
それでも、この目で、どのくらいの高さなのか、見てみたかった、と思ってここまでやってきたのです。

10分ほどして、十日町(新潟)方面からの普通列車がやってきました。
あと30分もすれば、十日町。
新潟側の比較的大きな駅に到着です。


千曲川…もとい、信濃川の川幅も広くなり、平地も広くなってきました。
両側の丘陵もなだらかになっています。
天気が良かったのもあって、雪はかなり少なくなってきました。
13:03 十日町(新潟)着


長野から2時間半かけて、十日町駅に到着です。
飯山線を乗ってきて、久しぶりに、大きな駅に出てきた気がします。
飯山線の終点・越後川口駅まであと少しなのですが、ここで30分以上の停車となります。
一旦、列車を下りて、しばし休憩としました。

小腹が空いていたので、十日町駅の西口側にある駅そば屋「雪中庵」に。
濃くて甘みのある、鰹出汁
店内に、13時回っているのに、結構お客さんがいたのですが、それも納得の味でした。
14:06 終点・越後川口(新潟)着

駅そばを食べて、元の列車に乗りこみ、残り30分。終点の越後川口まで向かいます。
長野県側と比べると、明らかに雪が少ない状況。
白くなった田んぼを眺めつつ、進んでいきます。
ここまで来ると、車内はほとんどが地元の方ばかり。
物見遊山で、越後川口まで乗り通す人は、数えるほどでした。

十日町を過ぎてから、あと1度だけ川を渡ります。
この川は、越後湯沢方面から流れてきた魚野川。
今まで下ってきた信濃川と合流して、長岡へと向かいます。
この川を渡ると、ほどなくして終点の越後川口になります。


長野から始まった、3時間半の長い旅もついに終了です。
越後川口駅は、長岡行きや越後湯沢行きの列車との乗換駅になります。
到着後ほどなくそれぞれの方面の列車がやってきて、他の方たちはそれぞれ乗り換えていきました。
雪が見たくて、ワクワクして始まった今回の飯山線の旅ですが、最初から驚きを覚える風景が立て続けで、乗っていて決して飽きないものでした。
「雪景色」と一言で言っても、色々な表情を感じられて、物凄く充実感のある旅でした。
昔に、動画でこの飯山線の風景を見て、ずっと来てみたいと思っていた場所だけに、その思いが成就して何よりでした。
冬の飯山線…動画で見たよりも、格段に見事でした。
足を運んで、心より良かったと思える旅でした。
続く
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