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大沼公園に噴火湾 秋の自然を満喫する 函館本線小旅行(函館~森) 【2024秋 どうなん遠征記2-2】

はこだて旅するパスポート」で巡る、2日間の函館・道南満喫旅行

このフリーきっぷを握りしめて、真っ先に向かったのは、道南いさりび鉄道の終着駅・木古内
津軽海峡の風景を満喫する小旅行でした。

詳しくはコチラ

それでは、昼からは、函館から北へと向かっていきます。


12:35 函館発

函館駅に到着すると、長万部行きの普通列車が既にホームで待っていました。

車内の座席は8割方埋まっていました。

はこだて旅するパスポートが使えるのは、函館本線の森駅まで。
昼からは、森駅まで行って、帰ってこよう…と思っていました。

前日に通ってきた場所ではあるのですが、天気のいい今日であれば、噴火湾ももっと綺麗に見えるだろうと。

ただ、この普通列車、要注意の列車なのです。

…というのは、
新幹線駅である、新函館北斗には停まらない普通列車なのです。


普通列車の癖(失礼)に、新幹線の終着駅に停まらないとは何事かと、思う人もいるかも知れませんが、物理的に停まりようがないのです。

上の写真は途中の七飯駅(ななえ)を過ぎたあたり。この列車の次の停車駅は、大沼駅。

下に見えるのは、七飯駅から新函館北斗に向かう線路。
この乗っている列車は、新函館北斗に向かわず、短絡線を通って、そのまま大沼駅に向かっていくのです。

この短絡線のことを、藤城支線と呼ばれていますが、1日3本だけ森方面の列車が新函館北斗に寄らず、このルートを通って行きます。

そのため、函館駅から「この列車は新函館北斗には参りません。」と何度もアナウンスがありました。

もっとも、北海道新幹線に短い時間で乗り継げる、新函館北斗行きの「はこだてライナー」があるので、わざわざこの列車に乗ることはないかとは思いますが。


13:14 大沼公園で下車 緊急事態発生

前日の特急北斗の中で、印象に残っていた、大沼公園。
ここで降りて歩いて見たら、きっと綺麗な景色に心が揺さぶられるだろう…と感じていました。

列車の中で、後続の特急に乗れば、森駅でスムーズに乗継できるであろう…と思って、大沼公園駅で途中下車したのでした。

降りてすぐに、みどりの窓口で、森までの特急券を買おうとしたのですが…

特急北斗が遅延」の報

予定していた直後の特急も、キッチリ巻き込まれて、30分程度は遅れるとのこと。森駅で予定の列車の乗継が間に合うか駅員の方に聞いてみたものの、間に合わない可能性が高い…とのこと。

森駅まで行って折り返してくるとは言ったものの、函館本線の大沼から森にかけては、2つのルートがあります。

1つは、今降りた大沼公園を通る、特急も走る内陸の短絡ルート
もう1つは、東の海寄りを回る、渡島砂原(おしまさわら)経由のルート

その両方に乗ろうとして、ここまできたのです。

1駅戻って大沼駅から、渡島砂原経由で森駅に向かうことも考えました。
しかし、全体的に本数が少ない函館本線。
遅延の影響がどのくらい出るのかも分からない以上、予定列車に間に合うかどうかはともかく、とりあえず森駅までの座席未指定の特急券だけ発券してもらい、一旦、時間は気にせず、大沼公園を散策することに。

駅から数分ほどで大沼公園に。

色づき始めた木々とそれを映す湖、背景には駒ヶ岳。
風が多少強いものの、心地よい雰囲気。

わずかな時間、特急から見ただけで、心奪われた風景に、静かな驚きを再び覚えました。

遊歩道づたいに、ゆっくりと湖畔を楽しみました。

気が付けば30分はゆうに過ぎていて、特急の遅延がなければ、確実に乗り遅れているくらいには、時間がたっていました。


大沼公園駅発

駅に戻ったのは、14:15を回った頃。

駅舎の中は、列車を待つ人たちで混み合っていました。
当初の案内通り、特急は30分余りの遅延。結果として、森駅で渡島砂原周りの列車まで1時間ほどの時間が発生する状況でした。

大沼公園をもう少しウロウロしてもよかったのですが、森駅は森駅で見たい風景もあったために、列車に乗ることに。


前日も乗った、特急北斗。
今度は森駅まで20分ほどの旅程です。


森駅 到着

あっという間に森駅に到着。
そのまま特急は、札幌に向かって走っていきました。

森駅は、正面に噴火湾が見える、景色のいい場所。
前日とは打って変わって、海も深い青でした。


森駅で降りる人はまばらで、駅前もかなり静かでした。

森駅を出て左側には、有名な阿部商店の「いかめし」が売られている柴田商店があります。流石に、昼下がりのこの時間に行っても、本日売切でしたが。

特急だと、わずかな時間だけ停車して、スッと通り過ぎてしまうのですが、普通列車の旅であれば、乗継時間の関係上、寄ることも十分可能かと思います。


森駅のあった辺りには、明治時代には桟橋があって、噴火湾の対岸にある室蘭まで定期航路があったようです。

この森には、明治天皇やイザベラ・バードも来ていて、それを示す碑が建っています。

森まで鉄道が来たのは20世紀に入ってから。
それまでは、航路の方が圧倒的に速く目的地に向かうことができたのです。

森のかつての交通の様子が伺える、石碑だったのです。


列車が待ち合わせる頃を見計らって、駅の跨線橋から捉えた一枚。

左には噴火湾。
向こうには駒ヶ岳。

これから、正面に見える駒ヶ岳の左側を通って、大回りで南下していきます。


16:01 森駅発 渡島砂原(おしまさわら)経由で南下

渡島砂原経由の函館行きの普通列車。

昔ながらのボックスシートの車両。
このまま真っ直ぐ函館へと向かっていきます。

車両に乗った時点では、貸切みたいな状況。
後になって、数人乗ってきました。

定刻に、森駅を出発。
進行方向を左に変え、駒ヶ岳を左に迂回していきます。


右側にそびえるのは、夕暮れで少し赤く染まった駒ヶ岳。
収穫の終わった畑の向こうに、堂々とそびえています。


この砂原経由のルートも、森の中を抜ける区間は確かに結構あります。
線路は、少しずつ高度を上げているのか、気が付けば、少し高台の上を走っています。
それでも、途中までは比較的海の近くを通っているため、進行方向左が開けていると、遠くに海が見えます。

この森と平原と海とが三層で広がっている風景が見事で、心が洗われるようでした。


鹿部駅

この辺りまで来ると、線路は内陸へと入っていきます。
割と簡易な駅舎が多い砂原支線にあって、しっかりとした駅舎のある駅でした。

時間としては、16時半過ぎ。
次の大沼駅まで、ひたすら森の中を抜けていくのですが、車内も少し寒くなってきて、線路はかなり暗くなっていました。

日没も近くなって、大沼が再び見えてきました。
間もなく、大沼駅で函館本線は再合流。
このまま、無事に函館に着けるものかと思っていました。


新函館北斗で緊急事態再び?!

大沼駅で多くの人が乗って来たのですが、流石に車内が少し冷え気味。
どうしても用をたしたくて、新函館北斗で降りてトイレも兼ねて休憩することに。

新函館北斗からなら、後続の普通列車もすぐにあるため、函館に着くのが少し遅くなるだろう…くらいに考えていました。

定刻17:30の列車が一向に動く気配がありません。
不思議に思っていると…

(さっき乗っていた函館方面の先行列車が)
踏切の安全確認をしています。安全確認が取れ次第、出発します。

これは…助かったのですが、ぐったりとしました。

先ほどの列車、トイレがなかったのです。
函館まで我慢しようものなら、本当に(個人的には)大惨事でした。

ただ、流石にお腹が空いてきていたので、流石にさっさと出発して欲しいとは思っていましたが。

15分ほどして…しびれを切らして、列車を降りて改札外に行こうとしたところで、やっと運転再開のアナウンス。

函館には15分遅れ、18時過ぎの到着となりました。


函館到着

函館駅を降りたら、わき目も振らず、朝食べ逃した函館駅前の「ラッキーピエロ」に。
函館が初めましての私にとっては、今回、絶対に行っておきたかった所。

甘酸っぱい味付けがされた「チャイニーズチキンバーガー」
ポテトにミートソースとチーズに味付けされた「ラキポテ」
そしてウーロン茶

〆て1,000円なり。

この日の食事は、ホテルでの朝食を除いて、全てB級グルメでしたし、
何なら色々と事件が起こった1日でしたが、
満足感の高い鉄道旅でした。

続く

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