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本当に廃線予定なの? 美しき秋の函館本線(山線) 【2024秋 どうなん遠征記1-2】

この秋に訪れた、道南の旅。

札幌から始まった、函館本線の旅は、
途中ウィスキーの街・余市(よいち)で途中下車。

こちらで、ニッカのウィスキーを少々いただき、上機嫌で、この日は函館まで向かいます。

札幌~小樽~余市の旅の様子はコチラ…

それでは、余市から果樹園の中を縫って、函館本線を更に南へと向かって行きます。


12:16 倶知安(くっちゃん)到着

あいにくの雨模様の中、余市から1時間ほどかけて倶知安に到着です。
この先、長万部行きの列車に乗換となります。

乗換待ちは20分ほど。

この直後の列車を乗り逃すと、その次の長万部方面の列車は、4時間以上後…流石に倶知安ですることも特になく、軽い食事を車内で済ませていため、例によって駅周辺をふらふらすること。

列車待ちの正面に見えるのは、少し色づいた山と転車台。
長万部から余市まで函館本線は、山々が連なる区間を走るため、ちょうど平地の広がっている倶知安の辺りは、平地が広がっているため、かつては機関区が置かれた重要な駅でした。

また、40年弱前であれば、倶知安から羊蹄山の東を回り、洞爺湖沿いを走って、伊達紋別まで繋がる「胆振線」も接続していました。

そんな歴史のある駅も、現在様変わりをしているのです。

倶知安駅自体は、北海道新幹線の停車駅となるため、残ります。
しかし、北海道新幹線の延伸に伴って、函館本線の小樽~長万部間が廃線になる、という話が上がっているのです。

そのため、在来線のホームや駅舎からホームに向かう通路は、仮設の造りとなっていました。

ここにきて、この景色がいつまでも見られないかも知れない寂しさを感じていました。


12:35 倶知安出発 山線の閑散区間へ

1両の気動車が、入線してきました。

1両の座席は満席で、少し車内で立つ人も出ているくらいです。
この列車を逃せば、次は4時間後…というのはありますが、結構人が乗っていました。

ここから長万部まで、1時間半余りの旅となります。

倶知安駅の次の駅・比羅夫(ひらふ)

割と立派な駅舎です。
この駅舎は、現在は民宿として使われている、とても珍しいもの。

HPもあって直接予約ができるようですし、じゃらんでも予約ができるようになっています。

外国人旅行者で有名となったニセコ

思ったより、普通の駅で正直、拍子抜けでした。
正直、こちらに来る前は、もっと外国人観光客が、車内にいるのかとも思っていたのですが、さほどでもない状況でした。

もっとも、冬のリゾートとして知られている町ですので、今はさほどでもなかっただけなのかも知れませんが。

ここもまた、ほどなくして列車が走らなくなる…のかも知れません。


山の中を縫う、函館本線

秋に来て良かったと思うのが、このように赤く染まりつつある森の中を抜けていく風景。

倶知安~蘭越の間は、しばらく尻別川と並走するように函館本線は走っていきます。尻別川を渡ると両岸に紅葉が広がっている場所も所々にあります。

紅葉の風景の中の向こうに、ちらりと田園風景が見られることも。

沿線が自然豊かな雰囲気で、喧騒を離れてふらりと鉄道旅をするには、いい雰囲気だと私は感じました。

もし、私が北海道在住だったのであれば、また、1日散歩きっぷでも片手にふらりとここまで乗りに来ることでしょう。


倶知安から1時間余りで、黒松内駅に到着。
ここで倶知安から乗ってきて、初めて列車の行き違いとなりました。

ここまで来れば、長万部まであと2駅です。


二股駅
貨車を流用した駅舎が見えます。

本州にもあるらしいのですが、なかなか見かけないもので、前回の北海道の旅で見かけて、驚いたものでした。

貨車の駅舎というだけで、物珍しさに一枚撮ったのですが、どうやら「ワラ1型」という珍しいものらしいです。


14:11 散歩の終点・長万部(おしゃまんべ)到着 

札幌を出てから6時間。
途中寄り道をしていましたが、やっと長万部に到着です。

久しぶりの大きなターミナル駅に着いた感じがしました。


…とは言っても、時刻表を見ても、ご覧のとおり、普通列車の本数が極端に少ないです。
北海道の普通列車の旅の過酷さを思い知らされる時刻表です。

これから更に普通列車の旅をするとなると、東室蘭方面に戻るにしても1時間余り、函館に向かうにしても、来た道を戻るにしても、2時間以上の待ち時間が発生します。

特に、今までのってきた、函館本線の倶知安・小樽方面は特急がない分だけ、よりその便の少なさに驚かされます。

気分転換に、長万部駅から少し散歩。
駅から5分も歩けば、噴火湾が見えるので、その様子を写真に収めます。

午前中は雨が強く、一気に天気が回復したのもあって、風は冷たく、結構強かったです。

これから、噴火湾沿いに南下していきます。


14:37 特急カードを使用!

散歩は長万部まで。

2時間も長万部で待っていたら、函館に着く頃にはあたりは真っ暗になります。明るいうちに景色を満喫したいと思い、特急北斗で一気に南下していきます。

ここから先、長万部~函館間もまた、北海道新幹線延伸とともに、旅客輸送をやめてしまうかも知れない、という話が上がっている区間になります。

進行方向、左手に見えるのは噴火湾。

対岸は、北海道・室蘭方面。
きっと天気がもっと良ければ…とは思いつつも、初めて肉眼で見る、噴火湾の雄大さにしばらく見とれることに。

森駅を過ぎると、線路は内陸へと向かいます。
北海道らしい、広大な田園風景。
その奥には、駒ヶ岳がそびえています。

そして、しばらく進むと見えるのは大沼公園
このあたりを通り過ぎるのは、わずか数分のことでしたが、車窓で一段と目を引く光景でした。

函館まで1時間半…
変わりゆく風景に見とれていました。


16:08 函館到着

8時間かけて、ウィスキーに酔いしれ、よい景色を眺めつつ、函館までやってきました。

函館に来て、真っ先に見たかったのが、函館の海と青函連絡船。

かつては青森から函館まで船で渡ってきて、北海道にやってくる、かつての旅に想いを馳せていました。

本当に遠くまでやってきたものだと。

伊丹から函館まで航空便もあるにはあるのですが、がっつりと旅をしてきた感触が強く残っていました。


そして、今にして感じるのは…

函館本線を乗ってきて、やはり魅力的な風景が見られて、この区間を廃線にするのは正気なのか?と。

経済的に云々という話が必ず出てきますが、沿線に観光地も抱えているこの地域で、議論もなくその旅客輸送をバスに任せるなんて、正直無理なのでは、と余市や倶知安で感じましたから。
バスにしても、運転の担い手が本当に十分にいるのか?と疑問が残ります。

それと同時に…
是非、函館本線沿線は、今のうちに訪れて欲しい場所です。
ウィスキーでも飲みつつ、沿線の風景・風土を満喫してほしいものです。

続く


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