ウィスキーを飲みつつ 函館本線(山線)の旅・余市 【2024秋 どうなん遠征記1-1】
札幌から出発する、今回の北海道の旅
前日は、昼遅めに札幌に入り、ジンギスカンを食べて、久しぶりの北海道を楽しんでいました。
今回の旅の目的地は道南。
函館を目指して、旅していきます。
今回通るのは、特急北斗の走る、千歳線・室蘭本線側(海線)ではなく、
小樽周りの函館本線(山線)の旅となります。
北海道の散歩はスケールが違った…
本日使う切符その1がコチラ。
「一日散歩きっぷ」
札幌を中心とした道央をグルッと巡れる土日祝限定のフリーきっぷで、上記の写真の範囲内であれば、普通列車限定ですが、2540円で乗り放題というもの。
土日祝の当日、券売機で購入することが可能です。
この切符で、極端な話、札幌を朝に出て、小樽経由の山線で長万部まで行って、東室蘭経由の海線で戻ってくる「札幌~長万部 一周の散歩」という、400キロ程度を1日がかりで回る、ちょっと異常な距離の散歩も可能なのです。
今回は、この切符で、まず長万部まで向かいます。
8:17 札幌駅出発…
朝8時頃、札幌駅に到着。
まずは、小樽に向かおうと、改札をくぐろうとしたところ…
「列車が鹿と衝突したため、函館本線は運転を見合わせております」
鹿?!
本州ではなかなか聞かないアナウンスが。
これは、一瞬、肝を冷やしました。
というのも、函館本線は、小樽〜長万部間が本数が少ない区間。
その中でも、途中の倶知安〜長万部間は1日4・5本しか走っていません。
内容いかんでは旅程崩壊か…と思いましたが…
止まったのが、乗車予定の1本後の列車。
小樽に行くまでに途中下車しようとしていましたが、その予定は取りやめ。
乗車予定の列車は幸い無事のため、真っ直ぐ小樽に向かうことにしました。
札幌から20~30分ほど行ったところにある銭函駅を越えると、次の朝里駅まで、日本海が進行方向右手に広がる、絶景区間。
この日はあいにくの雨ながらも、10分ほど雄大な日本海の風景を楽しんでいました。
ここを過ぎれば、小樽まであと少しです。
9:08 小樽着
小樽で次の列車まで30分ほどの時間が期せずして、できてしまいました。
ただ、30分では、小樽運河まで行こうにも、時間がきついのと、雨がかなり強かったのとで、駅舎内外をしばし写真を撮っていました。
昔の駅名票や、ランプをかたどった照明、小樽のガラス細工と、駅舎のそこかしこから、古き良き雰囲気が漂っていました。
駅舎の建て替えにより、昔ながらの良い雰囲気の駅舎が珍しくなってきたのもあり、小樽のような雰囲気のある駅を見ていると、嬉しく感じるのです。
小樽にやってきた、倶知安(くっちゃん)行きの普通列車。
次の目的地まで30分ほどの旅になります。
10:00 余市着 ウィスキーの街へ
今回の山線の旅で寄りたかったのが「余市」
1時間半弱の途中下車となります。
列車には座れないほどの人が乗っていましたが、半分余りが余市で降りていきました。
余市と言えば「ウィスキー」
ニッカウィスキーの醸造所が、余市駅のすぐ近くにあるのです。
この列車から降りた人の多くが、どうやらウィスキー目当てなのか、蒸溜所へと向かっていました。
2014年のNHK連続テレビ小説の「マッサン」の記念碑
ニッカウィスキーを築いた竹鶴政孝と、スコットランドで出会った奥方リタの物語をベースに描いたドラマでした。
その物語の舞台の1つとなったのも、ウィスキーの蒸溜所を建てた、ここ余市でした。
余市駅から少し歩くと見えてくるのは、ヨーロッパの城かと一瞬思うニッカウィスキーの蒸溜所。
蒸溜所を見学するには予約が必須で、予約のある人のみ、この正面の入口から入れます。
非常に残念なことに、見学するにはどうしても1時間余りは時間が必要で、今回の旅程上、泣く泣く蒸溜所の見学はあきらめました。
その代わり、ニッカウィスキーの敷地の南側にある、博物館を巡りました。
竹鶴政孝の経歴や、ウィスキーの製造方法についての展示が並んでいました。
博物館だけなら、時間は30分もあれば十分なのですが、ニッカのウィスキーにかける想いを感じさせるものでした。
メインイベント 朝からウィスキー
そして、午前中の個人的な「メインイベント」
ニッカウィスキーのテイスティング。
醸造所の見学をしなくても、有料ですが、博物館内に、ウィスキーのテイスティングができるようになっています。
当日、試飲できた銘柄の一部がこちら。
この中から、フロンティアとフロム・ザ・バレルをいただきました。
至福の時でした…
飲みやすいのは、フロンティア。(左)
ウィスキーの香りはしっかりしつつも、スッと飲める。
後から飲んだ、フロム・ザ・バレル(右)
重厚で強めの味わいに、口に広がる豊かな香り
チェイサーで口直しをしても、余韻が残る。
ウィスキーの豊かな香りが、ここまで人を幸せに感じさせるのか、と驚いたくらいです。
試飲自体は、10〜15分くらいでしたが、幸せな時間でした。
北海道とスコットランドの気候はよく似ていて、冷涼で、冬は比較的湿度が高いこと。
冷涼な気候ゆえに、植物の分解が進みにくいので、ウィスキー造りに欠かせない、泥炭(ピート)も採れる。
この沼地の風景は、スコットランドの雰囲気にとても近いのです。
この風景を見ていると、竹鶴政孝が、余市でスコットランドのウィスキーの夢を見たのも分かる気がします。
次は、腰を据えて、余市に行ってみたい…そんなことを感じさせる小旅行でした。
11:23 余市発
乗継の列車に間に合わせるため、流石に、食事を取る時間もなく、やむを得ず、コンビニで軽食を買って、余市を列車で離れることに。
多くの人がまた、余市で降りて行き、代わりにこの倶知安行きの列車に乗ったのは、ほろ酔いの私1人。
このウィスキーの街を訪れた人たちは、きっとその魅力に酔いしれることでしょう。
続く
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