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城下町・富山の成り立ちがよくわかる!富山城内の博物館
6月末に北陸方面を旅してきました。
今回の目的地は、富山~新潟にかけて。列車での旅でした。
富山は何度か訪れてはいるのですが、富山城の建物の中に入ったのは、今回が初めて。
富山城には、明治以降の開発と、先の大戦の戦火により昔からの建物はあまり残っていませんが、どうしても気になることがあったのです。
今の富山城の周りを見ても、何故ここに城ができたのかが、わかりにくいからです。
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城内にある「富山市郷土博物館」に行けば何か分かるのではないのか?
そう思って訪ねてみたのです。
中の展示は、想像していたよりも濃いものでした。
戦国時代の知識がある程度あれば、「渋い」と感じるものでした。
同時代の史料を基に、推測できること…本格的な学術の雰囲気を感じる展示とともに、映像・マッピングを上手く使って、富山や町の変遷が伺える展示が揃っていたからです。
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富山市内を南から北へと流れる神通川
現在はほぼ真っ直ぐ北へと流れていますが、それは明治になってから治水対策のために、造られた流路です。
戦国時代の神通川は、今の富山市街を蛇行して流れていました。富山城の北側を流れる松川が、かつての神通川の河道でした。
富山城が最初に建てられたのは戦国時代で、富山西部に勢力を持っていた神保(じんぼ)氏が、富山東部に勢力を持つ椎名氏攻略の足掛かりに、神通川(今の松川)の南側に造ったものです。
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越中(今の富山県)は、戦国時代の初めころから、加賀の一向一揆と越後の長尾氏(後の上杉氏)の影響が強かったこともあり、越中の外の勢力が介入し、戦場となることが多い場所だったのです。
そのため、富山城は争奪戦の対象になりました。
結局、越中は上杉謙信により平定された後も、織田信長、佐々成政、前田利家と戦国時代は、入れ替わり立ち代わり統治者が変わることになったのです。
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蛇行した神通川南岸に富山城が造られたこともあり、富山の城下町は城の南側に造られたのです。
富山城の南側にある中心街・総曲輪(そうがわ)は、昔からの城下町だった場所です。
元々、「曲輪(くるわ)」というのは、城壁に囲まれた内側のこと。そこから、町の名前が付けられているのです。
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対照的に、今の富山駅の周りは、かつては神通川の北岸だった場所。
江戸時代には、あまり建物がない所でした。
富山駅のすぐ近くを歩いていても、「城下町」の跡が見当たらないのも至極当然の話だったのです。
また、「街区がなかった」からこそ、広大な敷地が必要な鉄道が通せたのもあります。
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また、蛇行していた神通川の河道の一部を活かして、神通川河口にある港町の岩瀬との間に富岩運河を拓いて、物流の拠点にしたのでした。
富山の昔からの城下町とは別に、北側に産業の拠点ができていったのです。
歴史好きな方なら、是非、富山城の「富山市郷土博物館」に行ってみてください。濃密な城内の展示を見た後に、富山を見て歩くと、昔の様子がよりはっきり感じ取れますから。
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