港と鉄道とを結ぶ町・敦賀(福井)をじっくり巡ってみた 【青春18きっぷの旅 23年春 #4】
今回の青春18きっぷの旅はとことん北陸を攻めています。
5月の関西コミティアで、北陸方面の鉄道で新刊を出すべく、徹底して巡っています。
今回向かったのは、敦賀(福井)
関西からすると、日本海で一番近い場所になります。
敦賀までなら関西方面から1時間に1本直通の新快速がありますし、特急サンダーバードでも多くの列車が停まります。
そして、2024年には、北陸本線と北陸新幹線の終着駅となります。
10:17 敦賀駅到着
途中、あえて米原(滋賀)に寄ってから北に向かったのもあり、少し遅い目の時間に到着です。京都から真っ直ぐ湖西線経由の新快速で来れば、1時間半ほどの旅程になります。
向こうには、北陸新幹線のホームの姿も見えます。
「敦賀」を「つるが」と読むのも不思議なものですが、その名前の由来となったのがこの人、「ツヌガアラシト(都怒我阿羅斯等)」です。
日本書紀によると、朝鮮半島の伽耶からやってきた王子だったと言われています。半島から日本にやってきた際に、「額から角が生えていた」ということから、その上陸地を「ツヌガ(角鹿)」と呼ぶようになったという話があります。
その「ツヌガ」の音が変わって「ツルガ」となったとのことです。
昔から日本海を通したヒト・モノの交流があったことが、感じられる由来です。
敦賀駅から、松本零士先生の銀河鉄道999や、宇宙戦艦ヤマトの銅像を眺めつつ、氣比神宮に向かいます。
越前一宮・氣比神宮
敦賀駅から15分ほどで、氣比神宮に到着です。
越前の国の一宮で、千三百年以上続く神社です。
この地に農業・漁業を伝え、海上安全を司るイザサワケをはじめ、仲哀天皇・神功皇后・応神天皇…らが祀られています。
氣比神宮の境内の一角に、「角鹿神社」もあります。
ここには、先ほどのツヌガアラシトが祀られています。
北陸への旅が今年は多くなるため、安全を祈願しにきました。
これは、私の勝手な想像ですが、元々がイザサワケといった、文物を伝えた「カミ」が祀られた所に、後からヤマトが入ってきた…という神社なのではないのか、と。
お参りはそこそこに、早めの昼ごはんに向かいます。
ヨーロッパ軒でソースかつ丼
開店時間11時に合わせて、福井名物のソースかつ丼を食べるために、敦賀ヨーロッパ軒の本店へ。
敦賀で食事時に降りるたびに、ヨーロッパ軒に寄っているような気がしてなりませんが、何度でも食べたくなる味です。
有名なお店なので、昼時に来ると、行列ができるほどです。敦賀駅の近くにもお店があります。
この日はかなり歩く予定でしたので、ガッツリとカツ丼のセットで1200円ほど。並でも量がかなりあります。
「ミニ丼」もありますので、軽く食べてみたい方は、こちらでもいいと思います。
敦賀港駅 かつての欧州への玄関口
海まで出ると、かつての敦賀港駅の駅舎が残されています。
元々は、もう少し北の山寄り、数年前まで使われていた敦賀の貨物駅の所にこの駅舎がありました。
敦賀駅から2キロほど北陸本線から分岐して線路が続いていました。
かつては、この敦賀港駅まで、旅客輸送もしていました。
というのも、敦賀港駅から、戦前はロシアのウラジオストクまで船がでていて、ウラジオストクからはシベリア鉄道経由で、欧州各地へと行くことができたのです。
その国際路線の一角を、敦賀が担っていたのです。
この旧駅舎の中は、鉄道資料館になっていて、この国際路線の資料もあります。
それだけでなく、敦賀が鉄道敷設上の「難所」だったのもあり、北陸本線開設当時のルートについての資料も残っています。
陸上・海上交通の重要な結節点だったからこその、資料が見られるので、オススメです。
金崎宮・金ヶ崎城跡
敦賀港駅からちょっと行ったところにある「金崎宮」
敦賀でも随一の桜の名所です。
天気にも恵まれ、見事な桜が見られます。
桜を眺めつつ、敦賀市街を見ることもできます。
三方を山に囲まれた町なのもあり、向こうには山の影も見えます。
金崎宮の北側に出ると、このような日本海の風景が。
右側向こうには、山がちな越前海岸。
手前には、敦賀新港と火力発電所があります。敦賀新港からは、北海道行きのフェリーが出ています。
風が強いものの、心地よく、しばらく眺めていました。
というのも、金崎宮のあるこの場所は、金ヶ崎城という城がありました。
織田信長の撤退戦「金ヶ崎の退き口」で有名な場所です。
南北朝時代にも、南朝方の新田義貞と北朝の幕府軍がこの地を巡って戦っています。
何せ、敦賀を突破されたら京はすぐですし、逆に北陸側からしたら、敦賀を押えられたら、容易に越前に出やすくなります。
その上、金ヶ崎は見晴らしが良いので、重要な拠点だったのです。
赤レンガ倉庫から バスで一気に敦賀駅へ
金崎宮の麓にある、「赤レンガ倉庫」
敦賀港の倉庫として残されていたものを商業用に転用したものです。
赤レンガ倉庫の脇には、かつて敦賀から小浜方面に走っていた急行わかさ(キハ28)の姿も。
敦賀駅からここまで来るのに歩くと30分程度の距離です。
帰りは、楽をしようと思い、バスに乗り込みます。
主だった観光地を巡る「ぐるっと敦賀周遊バス」が、平日でも1時間に1本あるので、一気に赤レンガ倉庫の辺りまで来て、金崎宮や敦賀港駅のあたりをふらふら巡るのもありです。
また、このバスは気比の松原にも行くので、もう少し時間があればそちらを巡ってみてもいいかも知れません。
14:23発 敦賀駅発 大阪へ
4時間かけて、敦賀をじっくり巡ってきました。
敦賀は、京都・大阪に近いのもあり、関西と歴史的にも繋がりが大きい町でした。日本海への出口だったのもあり、港に鉄道にと交通が整備されてきた町でもあります。
一般的に観光客受けするような町かと言われると、そうは思いませんが、交通や歴史のことを知れば知るほど、魅力を感じる町だと、私は思っています。
また、この町にはきっとやってくるでしょう。
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○【確定】 5/21(日) 関西コミティア67
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