急がば琵琶湖を回れ 草津~大津【東海道本線 途中下車の旅 #19】
前回は、伊吹越えの西側の拠点となる米原の話をしました。
米原から新快速に乗ってしまえば、一本で姫路(兵庫)まで行けてしまいます。
前回のお話はコチラ
名古屋で別れた旧東海道は、草津(滋賀)で合流となります。
ここで鉄道も柘植(三重)から来た、草津線と合流します。
草津駅を降りて、東口に出ると…
草津に宿場があったことを示す石碑があります。
東口側がかつての宿場町のあった方向です。
この通り、東海道と中山道(中仙道)との分岐を示す石碑があったり、草津宿の本陣が残されていたりと、比較的大きい町なのに、かつての宿場町を彷彿とさせる建物が残っています。
ここ草津から大津へ、東海道本線は琵琶湖を大きく南に迂回して走っています。
こちらは、東海道本線から撮った瀬田川の写真です。
北を向けば、琵琶湖も見えますが、東海道本線で琵琶湖が見えるのが、ここが唯一だったりします。
琵琶湖から流れ出す川は、この瀬田川が唯一で、ここから宇治・伏見・淀…と大阪湾まで流れています。
先ほどの写真でも遠くには見えていたのですが、古代から何度も架けられてきた「瀬田の唐橋」です。
ここが旧東海道での琵琶湖・瀬田川の渡河点でした。
新快速の停車駅でもある石山駅を降りて、15分ほど歩けば、この橋が見られます。あるいは、石山からであれば、京阪の京津線で1駅の「唐橋前」で降りればすぐそこになります。
この瀬田の橋を渡って山を越えれば、すぐそこは京都です。
戦略的にも重要な場所だったのもあり、この橋を巡って何度も戦乱が起こっていた場所でもあります。
瀬田の唐橋から大津市内中心部へは少し北になります。
江戸時代には、草津の矢橋(やばせ)から船で渡る方法もあったのですが、瀬田の唐橋へと陸路で大回りした方が天候に左右されないため、安全確実とされていました。
「急がば回れ」という諺の元となったのが、この草津~大津間の東海道の話だったのです。
今でも琵琶湖の西岸は、風が強い場所。
強風のため、西岸を走る湖西線が運休することもしばしばです。
本来なら湖西線を走るべき特急サンダーバードが東海道本線の草津駅を走っていることもたまに見かけます。
特急サンダーバードも「急がば回れ」
動力源のない船での航行だと、季節によっては陸路の方が安定していた、ということでしょう。
大津市内の石山からなら、京都駅まで今なら新快速で15分で着く距離です。
大津駅からトンネルを真っ直ぐ2度抜ければ、そこはもう京都駅です。
京都駅でホテルが取れなかったら、大津で取ればいい…というのは、冗談でも何でもない話です。実際、私も薦める方法です。
ただ、百年以上前の鉄道にとっては、この山は難関でした。
大津から京都の区間も開通時には、工事が難航した区間でもあります。
そして、東海道本線が開通した当時は、京都へ向かうには、少し大回りが必要でした。
その話は、次回お話します。
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