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note44: イスタンブール(2011.7.20)

【連載小説 44/100】

米国の民間情報機関「ストラトフォー」は1999年のNATOによるコソボ空爆や2001年の9.11同時多発テロを予言したことから「影のCIA」と呼ばれている。
その著作が日本語にも翻訳されてベストセラーになっているから創設者のジョージ・フリードマンの名前を聞いたことがある人は多いかもしれない。

「現実を直視しながら、不可能を予期せよ」
というのがフリードマンの分析手法で、地政学に基づいて国際社会のパワーバランスを中長期的に予測する。

そのフリードマンが21世紀半ばに台頭する強国と位置づけているのが、日本、トルコ、ポーランドの3ヶ国。

正直言って日本がこの中に含まれていることには自国のことながら氏の分析を読んでも「無理ではないか?」と納得できない部分が多いのだが、トルコの未来に関しては「なるほど!」と無理なく受け入れることができる。

トルコの台頭を裏付けるポイントは3つある。

ひとつめはイスラム国家群における国力。
人口規模でいえば1位のインドネシアと2位のパキスタンには及ばないがトルコの人口は7100万人と多い。
そして、経済規模ではGDPが約6600億ドルで世界第17位。加えて年率5〜8%で成長し続けている。

次が極めて有利な地理的条件。
前回ボスポラス海峡にふれてトルコが東西軸でアジアとヨーロッパにまたがる国家であることを説明したが、南北軸を見ればロシアと中東を結ぶ交差点でもあることがわかる。

また地図を見れば一目瞭然だが北に黒海、南は地中海に面する立地は、海路を使って周辺諸国にアクセスできるのはもちろんのこと、スエズ運河を通ればアジア圏へもアプローチ可能である。
この地域貿易の中心地たる立地性に担保されてトルコ経済は成長し続けているといってもいい。

そしてもうひとつが政治的ポジション。
トルコはイスラム国家でありながらアメリカと敵対関係にない同盟国であるということ。

EU加盟に関してはヨーロパ諸国と微妙な関係になっているのである種の緊張感はあるものの、国益を脅かすような敵がいないというポジションも発展を支える極めて重要な要素である。

今回の初訪問を機会にトルコへはこれから定期的に訪れてみたいと考えている。
フリードマンの予測が的中するならば、来る度に発展しているトルコを見ることができるだろう。

東西・南北の交差点にして21世紀国際社会の定点観測地点。

ボスポラス海峡が僕にとってそんな場所になりそうな予感がしている。


さて、次の訪問地は「Dice Roll」の目が「2」と出て、以下のようにケニアのナイロビに決まった。

>>>>> Dice Roll ⑨/2011.7.17-20:00<<<<<

Istanbul → Nairobi
【ナイロビ Nairobi】

「SUGO6」の旅はアジア大陸からアフリカ大陸へ。
次の訪問地はケニア共和国。首都ナイロビを経て野生動物の天国と呼ばれるマサイマラ国立保護に5日間滞在する。

>>>>>SUGO6 Support Desk<<<<<

フライトはドバイからイスタンブールへの路線でも利用したトルコ航空だが、このエアラインのグローバルネットワークを調べて驚いた。

・ヨーロッパ75都市
・中東23都市
・中央アジア6都市
・南北アメリカ6都市
・アフリカ16都市
・東アジア15都市

と、オセアニアをのぞけばほぼ世界の主要都市を網羅していて、ここにもまたトルコという国家の成長と可能性が明確に見えている。

それでは「SUGO6」の舞台をアフリカ大陸へ移そう。


>> to be continued

※この作品はネット小説として2011年7月20日にアップされたものです。

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