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宙と空。

最近NHKで放送されている「宙わたる教室」というドラマがある。これが面白い。なんというかキャスティング、ストーリー、演技が好みなんだと思う。

ここでは詳しくは書かないが、窪田正孝演じる元惑星研究者で夜間高校の藤竹先生と、不登校だった子や元不良、高齢者や外国籍など、様々な理由を背景に夜の学校に通ってくる人が『科学』に出会い、取り組み、のめり込んでいくストーリーだ。

と書いてみたけど、うまくまとめられないのでリンクを貼っときます↓

その科学部で行われている実験が”火星のクレーターがどうやってできたのか?を検証する”というもの。DIYで教室に装置を作り、何度も何度も実験をくりかえす生徒たち。その柔軟な発想に窪田正孝演じる”藤竹”も少年のようにわくわくしている。

その光景は”教える”というより”一緒に伴走する”という感じで、こんな科学の授業ならもしかしたら科学が好きになっていたかも!?と思わせてくれる内容に観る度ドラマに引き込まれている自分がいる。

子どもたちが(この場合は生徒)「できっこない、どうせ無理だ」と真正面から言われ続けたら、第一声に言われたら、きっと徐々に希望をもてなくなるだろう。

でも、先生や大人、親が、「できるかもしれない、やってみよう、面白そう」と横に並んで同じ方向を向いていてくれたら人はきっと前に進める。その結果、叶わない夢だとしても、そのプロセスが財産となって生徒(子どもたち)たちの経験に積み重なっていくはずだ。

話は宙から空へ移る。

子どもの頃、誰もが一度は「空を飛びたい」という夢をもったことはないだろうか。でもその夢はいつしか周りの大人の声や理屈を学ぶことによって消えていった。

ここ旅をする木でも最近、小2の女の子が「空を飛びたい」と何度もゴミ袋をマントにジャンプをしている。

「もっと袋を多くすれば良いかも」という高学年男子。「ぼくも飛んでみたい」と目を輝かせて一緒に挑戦する幼児たち。誰もがその夢を否定するでもなく温かく見守り、応援している。その場に夢を笑い、正解を持ち出す人はいない。だからどんな夢も安心して挑めるのかもしれない。

その様子を見ながら、さながらドラマに出てくる科学部の火星クレーターの実験のようで、とても「ゴミ袋では空は飛べない」なんて言えず、いやでも可能性はゼロじゃないし、なにか僕が知らないとんでもない発見があるかも知れないと思って見守っていた。

するとある時「とくやんも飛んでみて!」と声をかけられる。

ん?・・・・・・よし!

助走を長くとって、勢いよく発射台へ向かう。そして勢いをつけて段差からジャンプ。40を過ぎた身体は重く、きっとふわりとは浮かなかっただろう。

でも走りながら背後でゴミ袋がたなびく音と、子どもたちの頑張れの声援を聞いていると、成功するとか失敗するとかより、この瞬間を子どもたちとこの夢を共有できていることが幸せだと思えてきた。

しばらくすると発案者の女の子が「次はもっと高いところから飛んでみようかな」とつぶやいた。

”失敗してからが始まり”

ドラマの中で藤竹先生が、恩師から言われる言葉がある。

遊びにも人生にも”正解”はない。失敗だなと思った次、そこからまた始めればいいんだ。




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