それはとても青く。を読み解きたかった記事
注意事項
本記事は、シーズイベント「それはとても青く。」とシーズ関連(Pカード・Sカード及び他イベント)のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。
また雑な文章及び推測を含みますので、温かい目で見てください。
それはとても青く。を読み解きたい
0.話の意図とは
今回のイベントはシーズイベには珍しく(?)話に大きな起伏がなく、読みやすい印象があります。ただ、ノーカラット~セヴン#スのような分かりやすい結末や次回の布石がないため、今までと比べると話の意図を掴みにくい印象です。そこで、話の意図を考えていこうと思います。
今回のイベントは「二人の関係性・成長」「作られていく物語」「ラッキーじゃないこれからの時間」の3点を描きたかったのではないかと思います。
1.二人の関係性・成長
今回のイベントは二人が会話をしているシーンが多く描かれています。以前は美琴と話すだけで縮こまっていたにちかが、EDやサポカでは美琴と普通に会話をしたり、ステージ開演前に美琴からにちかに声をかけたり、「印象に残るパフォーマンスをしたい」とにちかに相談をもちかけていたり……二人の間に会話が生まれています。今までは、美琴が決めたことににちかが従う、にちかが美琴に話しかけるときは勇気を振り絞る等の印象が強かったことを考えると、二人の関係性は進展したと言えるのではないでしょうか。
ただ今回のイベントで見せたかった関係性は、仲良くなったことではなく互いを相方として強く認識していることだと思います。
にちかで言えば、美琴がバラエティに出演したときにハラハラしていたり、練習をしないと不安になると気持ちを美琴に吐露したり、美琴にダンスコンテストへの出場を提案したり……今までとは違った行動をしています。
バラエティで不安になったのは、にちかがシーズのバラエティ担当だと思っているから。今まで「ダンスの上手くない方」と認識されていたにちかですが、徐々にそのイメージが消えていき、代わりに「バラエティ担当」というイメージが定着しました。そのため自分の代打でバラエティに出演した美琴に申し訳なく思っていたり、バラエティは自分の仕事として認識しているのだと思われます。
美琴に不安を打ち明けたのは(多分)初めてのことです。今までルカ関係や自分の実力不足で思い詰めていた時でさえ、美琴に気持ちを伝えたり相談することはありませんでした。しかし、今回は自分の気持ちを素直に美琴にぶつけた。これは美琴をステージを一緒に作る相方だと認識しているから、伝えることができたのではないかと思います。
また美琴の言うことに頷き、提案することがなかったにちかが、ダンスコンテストの出場を美琴に提案しました。にちかは美琴のことを「パフォーマンスで輝くアイドル」と考えています。そのためバラエティではなく、相方が一番輝く舞台に「シーズの七草にちか・緋田美琴」として出場することを提案します。
これらは自分のことで手一杯だったにちかが、美琴を相方という対等な関係であることを認識した結果ではないでしょうか。
また成長面で言えば、WINGでシャニPに「平凡な子ができる200%を」と言われてた過去を踏まえると、にちかの上達具合って異常なんだなぁと思ったり。基礎は身についているから、美琴からの期待に応えられるレベには仕上がっているっていうのは大きな成長だと思います。振付師にも「できないことはない」って言われるレベルなので、本当に頑張ったんだなにちか……
美琴がにちかを相方として強く認識している場面は、番組Pからダンスコンテストへの出場を提案されたとき、にちかが負傷したとき、旧友であるダンサーに相談したときだと思います。
セヴン#ス以降丁寧に描写されていることとして、美琴が自分がシーズであることを強調している点です。番組Pから提案したときに少し表情が険しくなったのは、単体で出場することを嫌ったからだと思います。シャニPとにちかに相談なく出場することはできないため、番組Pに少し強く当たってしまったのではないでしょうか。
またにちかが負傷したことについて、美琴は責任を感じている描写があります。GRAD等でストレスを感じると美琴は咳込むことが判明していますので、自分のせいで相方に無理をさせてしまったことに負い目を感じていることがわかります。その後、練習に参加したいと申し出たにちかに対して「だめだよ」と申し出を拒否しました。この反応にはにちかも戸惑いを見せていました。それほど美琴は相方のことを大事に思っており、責任を感じていることが分かります。
そして旧友に相談をしたシーン。旧友が語ったように以前はどこでも誰とでも踊れていた美琴が、いつの間にか二人で踊ることが当たり前になっているという話。一人で踊れないことはないけど、いつだって隣にはにちかがいう。無意識のうちにそう思っているということは、自身がシーズであり常に相方がいることが当然になっているということではないでしょうか。
美琴の成長としては、誰かに相談することができるようになったことだと思います。ノーカラットでにちかに黙ってペンシルターンをしようとしてたことを考えると、にちかに提案をしたり事前に相談できるようになったのは成長と言えるのではないでしょうか。
以上のことから、今回のイベントでは二人が互いを相方として強く認識するようになっていること、WING・シーズ結成時から二人は成長していることを描きたいのだと思います。
2.作られていく物語
少女の優勝後インタビューや最後の井の中の蛙ということわざからも分かるように物語は作られるという話です。
誰かによって話を作られるというのは、シャニマスでは珍しいことではない印象です。八雲なみ伝説やアンティーカイベントのストーリー・ストーリー等が印象深いです。ではなぜシーズでこの題材を取り上げたのか。それはシーズの物語はステージの上以外に存在しないからだと思います。
どんな偏見や先入観を持たれようと、外野がどんな言葉を投げようと関係ない。奈落を上がった先に二人の全てがあって、奈落の底には何もない。それこそがシーズだから(過激派)
あとは「されど空の青さを知る」ということわざの続きは諸説あり、原文では存在しない文章が追加されているということは、わざわざ取り上げる必要があったのかなと邪推したり。二人が空の青さを奈落から見えるステージの光と重ねているからこそ、触れているのかなと考えたり。奈落にいる二人は外のことは何も分からないけれど、ステージの光だけははっきりとわかる。光の先が自分たちの立つべき場所であり、これから二人でもっと知っていく場所であることを知っているからこそ、今回の題材として取り上げたのだと感じています。
3.ラッキーじゃないこれからの時間
今回の話の肝であり、今までのシーズって実はラッキー続きだったという話です。
シーズに注目が集まったきっかけは、ノーカラットとモノラル・ダイアローグスで描かれていたにちかのバラエティ出演です。どんな大御所にも物怖じしない度胸と遠慮しない毒舌ぶりがヒットし、にちかといえばバラエティという印象が世間に浸透しました。そこからにちか単独の出演が増えていき、シーズのライブも注目を浴びるようになり、今に至るという形です。
でもラッキーの時間はいつまでも続かない。not enoughのラストで女将が「素人目に見ても実力差が分かるっていうか」と言われたり、美琴がにちかの代打でバラエティに出た際「あと一回かな」と番組Pに釘を刺されたりと、ラッキーの時間に終わりが近づいていることが描写されています。その際にちかの脳裏には、いつかの奈落が映っていたことから、にちか自身そのことをよく理解しているように見えます。
そこで二人が出した答えがダンスコンテストに出場すること、ひいてはシーズがパフォーマンスで魅せるユニットであることを証明することでした。しかし、ダンスコンテストに出場するということは、ラッキーではなく実力で勝負をするということであり、それは自分たちでラッキーの時間を終わらせることと同義です。中途半端な実力を示せばもう戻ることはできないことを知っていても、二人は出場する道を選んだ。バラエティで笑いを届けることではなく、ステージの上で感動を届けるために。
そのことを今回のイベントを通じて届けたかったのではないでしょうか。
4.まとめ
今回のイベントは、個人の成長、二人の関係性の変化及びシーズの方向性を二人で再確認した姿を描いたイベントだと思います。
シーズはパフォーマンスで魅せるユニットであり、二人が立つべき場所はステージの上であることは変わらない。周りから何と思われても、言われても関係ない。ただ二人にはステージがあるだけ。奈落から上がったその先にシーズの全てがある。そのことを再確認するイベントだったのではないでしょうか。
5.おまけ
よくよく考えたら、にちかの「美琴さんはアイドル、美琴さんがアイドル」って言葉をちゃんと回収してないんですよね。
一応、二人でシーズの方向性を決めたわけなので、解決したといっても差し支えないような気がしないでも……ない……かも。
この独白は、美琴さんがパフォーマンスで輝くアイドルでシーズもパフォーマンスで輝くユニット。自分は美琴さんにおんぶにだっこされているだけで、本当は美琴さんがアイドルで自分は何でもないただの……って感じだと思う。この自虐癖が治ることはないんだろうけど、やっぱり近いうちにルカとぶつけるつもりなのかな~~~八雲なみも努も全て絡んでくるから、お盆かクリスマスに決着つけるのかな~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
にちかが幸せになればそれでいいんだ……
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おわり!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!