「鏡」が映す奇跡の絶景【18.ボリビア🇧🇴】
「人生で絶対に見るべき景色」「奇跡の絶景」などと表現されるウユニ塩湖。ここ数年テレビの番組やCMでも取り上げられることが増え、知名度は一気に上がった。
真っ白な秋の大地に雨期の12月ごろから4月ごろにだけ薄く水が張り、水面に空を映し出す現象が有名だ。「天空の鏡」と呼ばれる。
ウユニ塩湖は南米のボリビアにあり、日本からは米国の空港を乗り継ぎ、30時間以上かかる。標高約3700㍍。高山病のリスクも高い。それでも多くの人々が集まる。
天空の鏡はドラマチックな光景を何度も見せてくれる。夕暮れ時は青空が残る中、夕日に照らされた筋状の雲がピンク色に染まり、日が落ちる頃には燃えるようなオレンジ色の空を湖面に映し出す。
刻々と変わる空模様は「その日のその時間にその場所にいる人だけが見られる、とっておきの光景」なのだ。
新月の夜は格別だ。星空が湖面に映り、足元から星のシャワーが降り注ぐ。満月の時に見られる早朝のムーンセット(月の入り)は、この上なく幻想的だ。
月が沈む早朝、塩湖一帯は銀色がかった青の世界が広がり、水平線の低い位置に満月がぽっかり浮かぶ。
今年も特別感を味わいたい仲間と、ウユニ塩湖へのツアー企画を練る時期だ。
2016年10月28日✍️西日本新聞夕刊コラム
「珍国に恋して」より