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フィーリングとエモーションの違い

こんにちは、タビィです。

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今回は、フィーリング(Feeling)とエモーション(Emotion)の違いについて、お伝えしたいと思ってます。

どちらも日本語にすると「感情」「感じる」と解釈されてますし、英語でも「気持ち」「感情」っていう意味ではオーバーラップしている部分はあります。

が、・・・
実は全く異なる部分、むしろ混同すると、心の健康(とくにトラウマからの回復)の妨げになりかねず、ひいては日々の幸福感や充足感にまで影響し得るほど、それほど厳密に区別すべき違いもあります!

ちょっと脅すような表現になってしまいましたが、それくらい大事な違いなので、続けます。

フィーリングは「感じること」です。

Feelという単語は、「触る」「感触を確かめる」という意味の「感じる」です。Feelingは、「五感で感じる」ことです。

一方、Emotionは「感情」という意味で、emoteは「感情に浸る」「感情の最中に身を置く」ということを指します。(Emotingという名詞は、あまりアメリカ英語ではお目にかからないので、ここでは、Emotionという単語を採用して話を進めていきます。)

セラピーなどで、セラピストさんが「その時、どんな感情でしたか?」とか「今、何を感じていますか?」と問いかけることがあると思います。

日本語では、こういうフレーズだと、上の説明にあるよいうなフィーリングとエモーションの違いを表しにくいですが、とても大事な違いです。

なぜかというと、「感情に浸る」というのと「感じる」というのは、全く違う心理状態での働きかけだからです。

Emotion 感情に浸るっていうのは、感情が押し寄せるままにする、阻まないで浸るということです。好むと好まざるとに関わらず、感情の中に居着くということです。

一方、フィーリングと言うのは体で感じることです。例えば、不安ならみぞおちのあたりがよじれる感じとか、恐怖なら、肩甲骨の間がゾゾゾってするとか、緊張の時は、首や肩がぎゅ〜〜っとなる、など、体感に現れる特徴です。

怒りなんかは、とても良く体に現れるし、最も自覚しやすいんじゃないでしょうか?

安心や歓喜なんかも、同様です。不安や恐れみたいに本能的に生命の危機に直結すると判断される感情ではないし、比較的緩やかに高まる波なので、自覚しにくいかもしれませんが、確かに体感としてあります。

自分で自分の感情と、それに対する反応としての行動のパターンを理解する時にも、この違いに関する理解は役立ちます。

自分が感情に受動的に浸っているだけなのか、それとも体感として積極的に認識しているのか、その違いは大きいです。

なぜかというと、感情を「体感」として察知して自覚するというのは、感情を自分の(体の)一部とみなして、観察するという積極的な働きかけだからです。

無意識にはなかなかできません。
練習が必要なスキルです。
特にトラウマを抱えている人は、ヒーリングに絶対に欠かせないプロセスです。

心にある程度のスタミナが温存されていてリラックスしている状態じゃないと、できないことだからです。

トラウマ的な体験の最中や、それを時には何年も後になっても類似の状況でサバイバルモードの脳で追体験している、まさにトラウマ反応時には、体に戻って体感として感情を感じ切ることができません。だって、恐怖体験やそれに伴う身体的苦痛は、シャットアウトする仕組みになってますから。

感情から感覚まで「体」を感じるというのは、余裕のある時や、そのようなスキルを身につけた状態じゃないとできません。

これが、感情に受動的に浸る(そして反応する)エモーションと、体感として感じるフィーリングとの大きな違いです。

感情や感覚は、シャットアウトしたからといって、そこで終わりではなくて、意識下に抑圧されているだけなので、何年でも何十年でも、その人を無意識で支配し続けます。(それのマグニチュードが大きくなったのが、トラウマです。)

過去の感情がよみがえってきたとき、それに浸りきって(≒居着いてしまう)のと、その感情が蘇ってきたときに、自分の体がどう反応しているのかを自覚できるのとでは、自分の感情を自分自身でコントロールする力に大きく差が出ます。

受動的にEmotionに浸るだけだと、何かのきっかけで我に返るまで、無力に近い状態ですが、フィーリングとして把握することができれば「調節・調整」という対処が可能です。体感に翻訳してされた感情に動作を加えることで、一定の感情にはまりすぎないと言うスキルを身に付けることもできます。

サイコセラピーで、アンカリングなど、体を使ったテクニックが用いられるのは、これに関係しています。

恐怖などの劇的な感情じゃなくても、恋愛に関する妄想で掻き立てられるみたいなバラ色の感情も同様です。

感情に支配されたまま望ましくない行動に及ぶのがパターン化してしまっている時には、エモーションとフィーリングの二本立ての理解と自覚が、ネガティブなスパイラルの解消に役立ちます。

次に、強い感情が訪れたら、「どういう気持ちか?」とは別に、「今、自分の体には何が起こっているか?」にも、(もし、その瞬間に心に余裕があれば、それか、後になって余裕ができた時にでも)ちょっと意識を向けてみてください。

では、また次回!


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