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蒸されし我が青春の日々
まんしゅうきつこ先生が週刊SPA!で連載していたサウナ漫画 湯遊白書が最終回を迎えた。
20代の終わりから30代への、一つの転換期に湯遊は私の側にいた。
湯遊の連載を知った事、ツイッターできつこ先生にフォローされて妻と喜び合った事、有難い事に私たち夫婦を取材してくれた事、1巻のおまけ漫画に載った事、火曜日の7時前に自然と目が覚めすぐにdマガジンで読んだ事、仕事から帰ってきたら妻と感想を言いあった事、明日読めるぞ!と思ったものの前号が合併号だと気付き絶望した事、思わず声を出して笑った事、この作品を通じて友人ができた事。
他にもたくさんの思い出がある。
何をもってして青春というのか、よく分からないけれど湯遊白書を追いかけた日々は間違いなく青春だった。
きっと私がジジイになっても、時折読み返すのだろう。
6ページの週刊連載。
6ページだからこその難しさがあったと思う。
ネームが宇宙のように広く、気が遠くなった事もあったと思う。
お前誰やねん、と自分にツッコミを入れながらもいつしか執筆されているきつこ先生の心情も想像しながら読むようになった。
イメージが湧き上がったんだろうな、と思えるペンが軽やかに躍動している話も、かなりの難産で苦しんだんなろうな、と思える話も全て好きだった。
それぞれにそれぞれの良さがあった。
きつこ先生と編集の高石さんが極限状態になりながら、たくさんのつらい夜を越えて産み出された作品を、リアルタイムで読めた事は幸せな事なんだと思う。
編集者がこんなに頻繁に出る漫画、他にあるだろうか。
Dr.スランプのマシリトくらいしか思いつかないや。
きつこ先生は2巻で終わらせようと考えていた湯遊を、高石さんの説得で3巻までやろうと決めたとトークイベントで聞いた。
第88話でも描写があったけれど、ネームが進まない時に「だから2巻で終わろうって言ったのに」と思ってしまう事も多かったと思う。
それでも最後の最後まで粘り、毎週描きあげたきつこ先生を尊敬する。
また、それは信頼出来る高石さんが居たからこそなんだと思う。
湯遊白書の最終回は、とても人間臭くて好きだった。サウナの漫画でもあり、人間の漫画でもあった。
60話ではなく、90話もの湯遊白書を読めて幸せだった。本当にありがとう。
そう、ありがとうなんだよ。
湯遊が最終回を迎えた時の自分の心情が実は楽しみだったので、noteを書こうと決めていた。
出て来た感情はありがとう、だった。
色んな事に感謝しまくる人を冷めた目で見ちゃうような捻くれ者だけど、感謝の気持ちが溢れ出た。
もちろんめちゃくちゃ寂しいけどね。
まだまだ単行本の作業があったり、他のお仕事もあるのだろうけど、きつこ先生がゆったりと、心底リラックスをしながらサウナを楽しめる事がとても嬉しく思う。
気が早いけれど、いつかまた高石さんと共に作品を作って欲しい。
無責任な発言かもしれないが、きつこ先生はどんなテーマでも大丈夫だ。
湧き上がってきたものだったり、捏ねくり回した心情を読める日を待っている。ずっと待っている。
まとまりのない文章をつらつらと書いてしまったけど、これもまた良いのだも思う。ライブ感ってやつだ。
改めて、本当にお疲れ様でした。輝かしい青春の日々をありがとう。